ゲーツ米国防長官による国防費削減計画の公表

2011年1月6日、米国のゲーツ国防長官は総額1540億ドルに上る大規模な国防費の節約方針を公表。700億ドルを新型装備の開発等に回すとするも、EFVやSLAMRAAMキャンセル、F-35Bも二年間の猶予付きでキャンセルの危機と影響は大きい。簡潔ながら重要なテーマと考えてまとめる。
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fj197099 @fj197099

米国のゲーツ国防長官が1/6、大胆な国防予算削減策を発表(http://bit.ly/gwZhLC)。朝日記事(http://bit.ly/i9Whtt)。今後5年間で約1540億ドルを節約し、700億ドルを新たな投資に振り向ける。日本はこうした米国の動きを無視すべきでない。

2011-01-07 12:51:43
fj197099 @fj197099

ゲーツ長官の声明(http://bit.ly/fvwZEq)によると、空340億ドル、陸290億ドル、海350億ドルで合計1000億ドルを節約。国防総省の機構改革や文民の給与上昇凍結などで追加的に540億ドルを節約する。新投資の700億ドルは無人機等の兵器開発に振り向けられる。

2011-01-07 12:57:02
fj197099 @fj197099

装備面では海兵隊の遠征戦闘車(EFV)はキャンセル決定。同じく海兵隊のF-35B垂直離着陸型機も二年間の開発猶予期間を設け、この間に技術的障害が解決されなければキャンセルされる見通しという。陸軍のSLAMRAAM地対空ミサイルもキャンセルだが、全体的に海兵隊にとって厳しい内容だ。

2011-01-07 13:00:33
fj197099 @fj197099

こうした改革案は海兵隊の役割低下を認め、海軍及び空軍の連携に今後の米軍の方向性を見出してゆこうとするエアシー・バトル構想などと軌を一つにするものだが、やはり米国の直面する財政難という問題の影響は否定し難い。これだけ改革をしても医療保険等で軍の来年度予算はやや微増となるようだ。

2011-01-07 13:03:40
fj197099 @fj197099

ゲーツ国防長官の国防省改革は二つの点で日本に示唆を与える。まず、改革というのはゲーツ長官のような経験豊かな傑出したリーダーの下でないとなかなか出来ないということだ。改革に温情措置の介在する余地はない。期待の新型装備もざっくり切り捨てる覚悟がないと組織の肥大化を食い止められない。

2011-01-07 13:05:39
fj197099 @fj197099

もう一つはもっと直接的な話で、米国が国防費を削減すればするほど、日本は防衛費を増大しなければならないとの力学が働くということだ。米国は共同防衛における日本の費用負担の増額を強く求めるようになろう。これまで顕著な「安保ただ乗り」に興じてきた日本にはこれからはつらい時代となるだろう。

2011-01-07 13:08:17
fj197099 @fj197099

蛇足的にもう一点、追加しておきたい。米国では伝統的に国防予算を抑制したい時には抑止戦略として相対的に「安上がりな」核兵器に依存する傾向が強まった。「核なき世界」を主張するオバマ政権がそうするかどうかはわからないが、抑止戦略における核兵器の重要性は今後、ますます高まる気がしている。

2011-01-07 13:10:42