ぽんぺで苦しむ倶利伽羅のはなし

ぽんぺ(神経性胃炎)と悪夢に苦しむ倶利伽羅と彼を心配する光忠と鶴丸のはなし。 くりみつ。 二次創作ですよ。
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ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 突然のぽんぺ(神経性胃炎)に苦しむ倶利伽羅とやさしく撫で撫でしてくれる光忠_(┐「ε:)_ みっただセラピー。

2015-09-01 11:37:45
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 倶利伽羅ってぶっきらぼうなようで実はすごく優しい子だと思うから。他と馴れ合わないよう、でも他が傷つかないように静かに動いてて、でも時々独りがツラくて、でも馴れ合ってから離れてしまって傷つく事を考えると馴れ合いに行けなくてぐるぐるしてそうで。胃を病む。

2015-09-01 11:44:57
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 必要以上に馴れ合わないというスタンスは光忠にも鶴丸さんにも適用されていて、距離を置いてるんだけど、鶴丸さんは引き際をわかった上で深入りせずに構う。光忠は距離を図り兼ねてて、最初は痛みで苦しむ倶利伽羅の意識が無い時に近づいてそっと撫でてあげてた。

2015-09-01 11:46:57
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 意識がある時はどうしたって離れようとするし、そのやり取りで更に倶利伽羅にダメージがあるのを理解してから、眠ってしまった後で近寄るようにしてる光忠。苦痛に歪む顔に心を傷めながら、そっと、倶利伽羅の頭から背中を撫でてあげる。

2015-09-01 11:49:04
ななん。 @nanan5102

ゆっくりゆっくり、労わるように背中を撫でていくと、最初は痛みから自分を護るように胎児のような形で眠ってた倶利伽羅がほどけてくるから、そうなったらお腹の辺りを優しく撫でてあげる光忠。いいこだね、もう大丈夫だよって、撫で撫でしてあげるうちに倶利伽羅の寝顔が穏やかになっていく

2015-09-01 11:50:44
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL ぽんぺの時の倶利伽羅さんは悪夢を見ている。一緒にいた大事な刀たちがどんどんいなくなる。独り、いつまでも独り、心を許したら居なくなる。大事な刀たちが傷ついてそのまま居なくなる苦しい嫌だ。目が覚めるとまた独り。薬研に用意してもらった薬湯を飲んでなんとか凌ぐ

2015-09-01 11:59:11
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL いつの頃からか、悪夢に変化が訪れる。暗く深い絶望の中にあって、ふわりと花のような薫りがする。温かいてのひら。最初に頭、それから背中。あやすように触れてくるそれが心地いい。いつの間にか暗闇が消える。安心する。腹の辺りに優しく触れられて、なんて落ち着く…

2015-09-01 12:01:16
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 目が覚める、独り。けれどそこに絶望は無い。あるのはただ、温かい気持ちと幸福感。あれはなんだ、俺の気持ちを救う。あれは、大事な、おれの、おれだけのかみさま。

2015-09-01 12:02:34
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL ひとしきり撫でてやって、落ち着いた頃を見計らって光忠は倶利伽羅から離れる。弱さを曝け出したあとを見られるのは本意では無いだろう。何より、倶利伽羅は自分がそばについて居る事を知らない。本当は目覚めるまで側にいたいけれども。葛藤する。

2015-09-01 12:04:12
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL そんな中で、光忠が長期の遠征に出ることになる。馴染みの刀でもあるし、心配しながらもそっけなく送り出す倶利伽羅。その日からの悪夢は、ほんとうに、地獄だった。 今までに無い絶望。苦しい、淋しい、いつも側に来てくれたた光がずっと見えない、嫌だ、消えたい。

2015-09-01 12:06:47
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL そんな倶利伽羅をみて、鶴丸は頭を抱える。自分ではどうにも出来ない。 光忠が寄り添っていたのを実は知っていた彼は、遠征に反対だった。けれども戦力不足では仕方が無い。早く、あいつが壊れてしまう前に、早く、帰って来てくれよ。気休め程度に撫でてやりながら祈る

2015-09-01 12:09:08
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 一週間経って、遠征部隊が帰還する。光忠に大きな怪我は無かった。安心したのも束の間、鶴丸は光忠を伴って倶利伽羅の部屋に急ぐ。もう、ずっと、苦しんでいるんだ 早く助けてやってくれ。いつも飄々としている鶴丸が、よく見たら泣いている。

2015-09-01 12:11:20
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 鶴丸の背をあやすようにぽんぽんとしてから、光忠は倶利伽羅に近づいていく。いつもより濃い苦悶の表情。心なしか少し窶れている。隣に横になってそっと抱きしめる。優しく頭を撫でて、耳元で囁く。大丈夫だよ、倶利伽羅、僕が居るよ。

2015-09-01 12:17:51
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 繰り返される悪夢と、途方もない絶望と孤独。倶利伽羅はもう壊れる寸前だった。そこに、ふわりといつもより強い花の香と、ひかり。この時そのひかりに初めて名を呼ばれた。ああ、あんたは…俺をいつも救ってくれたのは…みつただ…。意識が浮上する。

2015-09-01 12:21:19
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 倶利伽羅が目を覚ます。この瞬間に側にいて、しかも抱きしめているなんて初めてで、少し怖い。拒絶されやしないか?しかし光忠の心配をよそに、倶利伽羅がその姿を認め、呟く。みつただ…おれだけのかみさま…そばに、いてくれ。そのまま、穏やかな顔で眠りに落ちた。

2015-09-01 12:23:35
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL 気持ち良さそうに眠る倶利伽羅を見つめながら、さっきのつぶやきが頭から離れない光忠。どうしよう、どうしよう、うれしい。倶利伽羅が僕を受け入れてくれた。泣きそうになりながら、ぎゅっと抱きしめて。ずっと側にいるよ。だって、君が大好きだ、倶利伽羅。

2015-09-01 12:25:31
ななん。 @nanan5102

@tbkabeuchiTL このあと鶴丸さんとふたりで倶利伽羅が良くなったのを喜んで、それからちょっと冷やかされたりするんだろうなあ。 それからふたりは近くにいて居なくても繋がっていて、倶利伽羅も他との繋がりを少しだけ増やしてるといい。

2015-09-01 12:27:56
ななん。 @nanan5102

@tos ぽんぺで苦しむ倶利伽羅は悪夢を見る時だけはメンタルを酷く病むけれど、基本的にはしっかりしている。無意識に喪う事を怖れて他者と距離を取ってはいるけれど、誰かが傷つきそうな時は気づかれないように護ろうとする。

2015-09-01 21:37:55
ななん。 @nanan5102

@tos 自分を悪夢から救ってくれたのが光忠だと知ってからは、素直に光忠を信頼するようになっている。彼にだけは弱い自分を曝け出しても構わない、もう散々知られているのだし、と思っている。光忠は他の刀たちにも優しいから、そこに少し淋しさを感じていて、そのことに自覚が無い

2015-09-01 21:40:07
ななん。 @nanan5102

@tos 偶然通りがかった近侍の部屋で、長谷部と光忠が話しているのを聴いてしまった。長谷部は酷く疲れているようで、光忠はそんな彼の話を聴いてやっているようだった。光忠は誰にも分け隔てなく優しい。それは本当に素晴らしい事だろう。なのに何故、俺は、こんなにも、 さみしい…?

2015-09-01 22:22:08
ななん。 @nanan5102

@tos 自分で自分の気持ちがよくわからなかった。悩んでいる者を労って優しくしてやることは褒められるべき事だ。光忠はやはり優しいな、と感心して然るべきだ。なのに、なのに、おれの心は何故か悲鳴を上げるんだ。こんな気持ちは知らない。長谷部はどうやら眠れていないらしい

2015-09-01 22:24:21
ななん。 @nanan5102

@tos 障子の隙間から、隈の濃く浮き出た顔が見えた。心配だ。だが、今はそれよりも。 ふと、光忠が長谷部の肩に手を置く。少しは眠らないといけない、薬研くんに頼んでハーブを調合してもらおう?ふわりと笑う光忠に俺の胸は一層締め付けられる。駄目だ、その顔は、おれだけの…

2015-09-01 22:26:33
ななん。 @nanan5102

@tos とりあえず僕は薬研くんに話してくるから、少しゆっくりしてなよ。そう言って、光忠が部屋を出ようとする。咄嗟に、隠れる。力なく座り込んで、先程の光忠を思い出す。長谷部にも俺にしたように優しく触れるのか?今はあいつの方が辛そうだから俺よりも…キリリ、と胸が痛んだ。

2015-09-01 22:29:28
ななん。 @nanan5102

@tos 鳩尾の辺りが痛む。光忠、みつただにあいたい。立ち上がって痛みに耐えながら歩き出す。足音で気づいたのか、長谷部が部屋の外の俺を一瞥した。大倶利伽羅か。お前顔色が悪いぞどうした、大丈夫か? お前こそそんな寝不足の顔でよく言う、と思ったが口には出さなかった。それよりも

2015-09-01 22:33:37
ななん。 @nanan5102

@tos 黙っている俺に長谷部が怪訝そうに、声をかける。本当に大丈夫なのか?大丈夫だ、と言って去ってしまえばいい。そう思っているのにできない。代わりに言うつもりの無かった言葉が次々と溢れ出る。長谷部、おれには光忠が必要であいつがいないと駄目なんだ

2015-09-01 22:36:51