銀魂P 三浦進さんの銀魂語り

先日放送の性転換編をメインに、銀魂のキャラについての三浦さん感
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三浦 進 @miurasusumu1

銀魂°を時には昔の話をしようか的にちょっと振り返ってみましょうか・・・ てなことで第274話『鼻の穴の奴は発想力もデカイ』僕は某有名ゲームが出た頃は確かPCエンジンに移行していて、詳しく知りませんでした。なので、○ザー的なテーマ曲もどのくらい似てるのか、良く分かりませんでした。

2015-09-26 02:13:39
三浦 進 @miurasusumu1

が、うちの制作デスクが大ファンらしく、彼にいろいろ聞いて確認してました。『新しく始まる〜』はパロディ、オマージュが連発で諸々、関係各所調整していただいた記憶があります。ちなみにイ○キをCGにするアイディアは確か監督によるもの。「狂ってる…」と思いました。

2015-09-26 02:18:37
三浦 進 @miurasusumu1

この話数の演出は小倉宏文さん。銀魂では1年目〜2年目ローテーションで参加していただいておりました。今回はかなりお忙しいなか、引き受けていただけました。ドライブ感あふれるテンポの良い演出が特徴的です。『黒執事』の2期の監督もやられております。

2015-09-26 02:20:54
三浦 進 @miurasusumu1

作画監督は楡木哲郎さん。キャラデ総作画監督の竹内進二さんも所属するWishの新進気鋭のアニメーター。DAY×DAYのサビでキャラがわらわら降ってくるカットを一人で担当されました。

2015-09-26 02:23:19
三浦 進 @miurasusumu1

275話からは長編シリーズ『性転換篇』まずなによりキャストをどうするか?が最大の問題でした。そのまま女性声で演じてもらう、メインの女性キャストとシャッフルする…等々… 様々な案がでましたが、結局いま注目の実力派声優に総入れ替え、という案に落ち着きました。仕掛けやトリッキーさ→

2015-09-26 02:28:51
三浦 進 @miurasusumu1

よりも視聴者が物語に没入することを阻害しないこと、が最大の理由でした。僕もその考えに賛成です。この『性転換篇』、制作にあたって何度も読み返したのですが、読み返す度に凄くよく出来た話だなぁ…と感心したものです。『銀魂』という作品の魅力が端的に表れているお話だと思います。

2015-09-26 02:31:58
三浦 進 @miurasusumu1

いろんな意見があると思いますが、僕が一番『銀魂』で良いな、と思うところは、ほぼ全てのキャラクターが「永遠の敗北者」であるところだと思います。例えば銀さんはスーパーヒーロではありますが、永遠に回復できない傷を背負っています。新八は永遠の童貞だし、神楽は永遠に夜兎の呪縛からは→

2015-09-26 02:37:21
三浦 進 @miurasusumu1

逃れられないでしょう。長谷川は永遠の失業者だし、近藤の思いは恐らくお妙さんに届かないでしょう。月詠は顔の傷が象徴するように永遠に女性としての幸せを諦めざるをえないのかもしれないです。そして九兵衛は永遠に男にはなれないでしょう。

2015-09-26 02:40:00
三浦 進 @miurasusumu1

しかし、そのようなお互いが抱える傷や欠点をなんとなく認め合いながらみんなが暮らしているところが、とってもいいなぁ、と僕は思うのです。もし、永遠に叶わない望みがかなったら?そんな if を描いてみたのが『性転換篇』なのかな?と僕は思いました。それは幸せになるなはずだったのに→

2015-09-26 02:44:45
三浦 進 @miurasusumu1

なにか違和感が残ります。完璧すぎる人生がどこか物足りないように… 芥川龍之介の『鼻』を彷彿とさせるお話です。

2015-09-26 02:46:06
三浦 進 @miurasusumu1

この、「永遠の敗北者」という観点でキャラクター造形をしている世界的に有名なマンガがあります。スヌーピーで有名な『ピーナッツ』に出てくるチャーリー・ブラウンです。原作者のチャールズ・シュルツさんが亡くなったとき、新聞記事で、『ピーナッツ』の魅力を「永遠の敗北者」という観点で→

2015-09-26 02:49:36
三浦 進 @miurasusumu1

分析している記事を読んで、大変感銘を受けました。同じ魅力が銀魂にもあるな…とある日気づいたのです。『ピーナッツ』には、挫折ばかりだったからこそ人の痛みを理解できる優しいまなざしを持っていたシュルツさんの人生観が反映されていたのです。『銀魂』にももしかしたら空知さんの人柄が→

2015-09-26 02:54:56
三浦 進 @miurasusumu1

反映されているのかもしれません。

2015-09-26 02:55:08
三浦 進 @miurasusumu1

その新聞記事では、『ピーナッツ』を通して、アメリカという国を考察していました。一般的に力が正義、勝つことが正義、強いことが正しいと、マッチョなイメージのあるアメリカですが、なぜ、そのような国で「永遠の敗北者」を主人公としたマンガが愛されているのか?

2015-09-26 02:58:56
三浦 進 @miurasusumu1

恐らくそんな国だからこそ余計に敗北者や弱者にたいする感受性が育まれたのではないか。マッチョで粗野なイメージの国にそんな繊細さが垣間見えるところが、とっても面白いと思いました。

2015-09-26 03:03:24
三浦 進 @miurasusumu1

ってな感じで銀魂の各キャラを分析してみると面白いかもしれないっす。ほぼ全てのキャラクターが回復不能に近い傷を抱えてますよ… でも、言われてみれば、人の個性を形作るのは長所ではなく短所なのではないでしょうか?もちろん、短所を克服する努力は大切なのですが、それでも→

2015-09-26 03:14:20
三浦 進 @miurasusumu1

277話で、銀子が悩む十兵衛に「迷って生きているのはお前だけじゃない!」と語りかけるシーンが僕は大好きで、何度観てもホロっとします。空知さんの激アツなメッセージのように聞こえます。

2015-09-26 03:08:30
三浦 進 @miurasusumu1

乗り越えられないものは、個性として認めてみる術をさがしてみるのもまた乙なのかもしれません。なんだか最近は不寛容がはびこっている世の中ゆえに…

2015-09-26 03:17:19