図書館と作家と：笹本先生の場合

笹本祐一 @sasamotoU1

ソノラマ文庫で書いてた頃は、エゴサーチしても図書館の在庫ってあんまり引っ掛らなかったのよねえ。「宇宙へのパスポート」が出てから、図書館在庫が引っ掛るようになった。あ、今こっちで全三巻無料公開中です。　mangaz.com/book/detail/45…　ＰＤＦも無料ＤＬできます。

笹本祐一 @sasamotoU1

図書館で手にとってくれる客は、たまたま見掛けてタダでそこにあるからちょいとめくってみてくれるんである。そこから先、読んでくれるかどうかはこっちの文章やら本のデザインやら、作家としての真剣勝負な商売はその先から始まる。読みやすくて面白ければ借りて、最後まで読んでくれるかも知れない。

笹本祐一 @sasamotoU1

一度本を借りて最後まで読んで貰えれば一回戦はこっちの勝ち。二回戦以降、同じ作家の本を図書館で借りて読みたいと思うかそれとも本屋で探してくれるかどうかの展開が一回戦の結果にかかっている。だからねえ、図書館に本があるってことは未来の読者のための先行投資してくれてるってことなんである。

笹本祐一 @sasamotoU1

残念ながら宇宙へのパスポート全三巻は今のところ在庫無し再版予定無しで流通在庫は古本屋にしかない。だからマンガ図書館Ｚで無料公開してるんだけど、図書館にあれば将来的に現物が保管してもらえる可能性も廃棄されなければ期待出来る。

笹本祐一 @sasamotoU1

だからねえ、「作家として自分の本を図書館に置くこと、貸し出すことを禁じる」って仰る方はその通りにすればいいと思うんだ。「出版社として図書館に置いて欲しくない」ってのも別に構わない。だけど、「図書館でもただでもいいから読んで欲しい」って作家もちゃあんと存在しております。

笹本祐一 @sasamotoU1

だからって嬉々として「図書館で借りて読みました」「古本屋で買いました」とか作家にまで報告しなくてよろしい。「読みました」だけでいい。それだけでありがたいから。「買って読みました」そりゃもう三拝九拝するくらいありがたい。あなたのおかげで次の本が出せます。

笹本祐一 @sasamotoU1

ところで英語圏だと図書館に入るってことで最低限の部数が保証される、なんて話をずいぶん昔に聞いたんだが、日本語だとそういうことにはなってないよなあ。初版部数が全国の本屋下回るんだって珍しくない昨今。発行部数が図書館並みだと間違いなく作家業で食っていけないだろうなあ。

笹本祐一 @sasamotoU1

「作家は本を買ってもらわないと収入にならない」それはその通り。だけど、笹本だって読書量のかなりの部分は図書館や本屋の立ち読みで稼いだ。それは否定したくないし、小遣い限られてる若い層からむしりたくもない。大人になっても覚えてて買ってくれれば、それこそ作家としての幸福だと思う。

笹本祐一 @sasamotoU1

今の客だけ相手にして逃げるつもりならやめてくれ。こちとら昔っから作家商売して、未来も作家するつもりなんだから。そして、読者ってのは育て続けないと増えないんだから。