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「トワイライトシンドローム」に関する覚書

「トワイライトシンドローム」探索編・究明編の制作スタッフの一員として、制作時に考えていた事などを回想モードで折々Twitterに投稿してきました。 一覧で参照しやすいようにTogetterで整理したのが以下のまとめになります。 2016/2/19 各記事をまとめた上でタイトルを更新。
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Hiroshi Kasai @heron64

一つは「雛代の杜」のラスト。 第五の噂「雛城の杜」 nicovideo.jp/watch/sm290841 (24:55)位からのエピローグ、(26:10)位からの桜の呼びかけ。

2015-11-04 21:24:59
Hiroshi Kasai @heron64

現世に帰還したミカの耳元に、屋上を吹き抜ける風に託して囁かれる声。「ミカちゃん…さよなら」。 それまで、雛代の杜の異空間でやたらエコーのかかった声で喋っていた幽霊の少女が「等身大のミカの友だち」として、すぐ傍に立ったような、そんな「生」の存在感を印象付けたかった。

2015-11-04 21:25:13
Hiroshi Kasai @heron64

そしてもう一つは、大ラスト「裏側の街」のクライマックス。 第十の噂「裏側の街」 nicovideo.jp/watch/sm401088 (2:00)位からの屋上へ向かうムービー。(3:50)位で後ろから呼びかける声。

2015-11-04 21:25:28
Hiroshi Kasai @heron64

現世の屋上へと向かう階段を上るユカリが踊り場で足を止めた時、後ろからふいに生々しいチサトとミカの声が呼びかける。「ユカリちゃん」「セ~ンパイ♪」。 この場面でのこの声は「生の世界」の持つ生々しさとか実体感が絶対に必要な気がして、割と生声にこだわった記憶がある。

2015-11-04 21:25:44
Hiroshi Kasai @heron64

心霊物という基本的には「死者の物語」である作品のクライマックス。その究極とも言える死者の街の中枢で、生者の存在感を強調するような生々しい声が突然響く…それを契機に現世への帰還の扉が開く。そのある意味逆説的な使用法が結構はまったのではないかと思う。

2015-11-04 21:26:03
Hiroshi Kasai @heron64

関係ないけど、物語の大ラスト、屋上での最後の選択肢は、一問目はネガティブな方を選んだ方がユカリの心情が吐露されててそれっぽいんだけど、ここに来てのゲームオーバーが警戒されてか、やっぱりなかなか選ばれない。この動画では多分両方試した上であえてAを選んでくれているのだと思うw

2015-11-04 21:26:15
Hiroshi Kasai @heron64

以上、「トワイライトシンドローム」におけるバイノーラル演出についての覚書でした。 長々とTLのお目汚し失礼いたしました。

2015-11-04 21:26:40

「トワイライトシンドローム」撮影編。
ビジュアルシーンにおけるアクターの社内調達についてなど。

Hiroshi Kasai @heron64

ボイロ3人娘のトワイライトシンドローム3-後 (31:51) #sm28165589 nico.ms/sm28165589 そう言えば、この「最終電車」シナリオのラストに回収される戦利品の心霊写真、そば屋でソバすすってるのは自分だw

2016-02-09 14:56:38
Hiroshi Kasai @heron64

トワイライトは、ビジュアンシーンとかで実写を元にした物も結構あるのだけど、役者さんを使った撮影が終った後に必要な物が出て来た場合、結構身内で賄ってたりするw 自分は「裏側の街」で街頭テレビを見上げてる人混みの中にも混じっていたはず。

2016-02-09 15:02:31
Hiroshi Kasai @heron64

「第一の噂」冒頭の公園で撮影したカップルの写真は、当時ヒューマンから歩いてすぐの井の頭公園まで赴いて、実際にそこにデートに来ていたお二人に声をかけて撮影させてもらった写真を元にしてるはず。勿論「心霊写真に加工します」との使用用途はちゃんと説明したw

2016-02-09 15:05:33
Hiroshi Kasai @heron64

「裏側の街」の大ラストのムービーで、屋上への階段を登るユカリの視界に過去の記憶がフラッシュバックする場面、懐かしげな子供時代の風景が沢山欲しいという事で、確か社内にそれっぽい写真がある人は提供して欲しいと募集をかけたはず。どの位集まったのか、実際使用したのかは確認してないけど。

2016-02-09 15:12:40
Hiroshi Kasai @heron64

ビジュアルシーン以外で、ドット絵のモーションキャラ素材でも、裏側の街の神父さんから入れ替わってしまう「稲垣」教諭は自分が演った撮影素材を元にしているはず。これはちゃんとしたスタジオで役者さんたちの撮影と同時に行ったのでなんか緊張した。そのせいか、歩きの動きもなんかぎこちないw

2016-02-09 15:17:38
Hiroshi Kasai @heron64

ヒューマンは結構こういう自前調達が結構あって、隣で作ってた初代SFC版「クロックタワー」のジェニファーも社内の企画の子(パペットズーピロミー企画者)に動きを演じてもらったのを撮影して参考にしていたはず。

2016-02-09 15:27:00

「トワイライトシンドローム」回想編。
発売二十周年が近づいているとのことで、ここから制作当時の思い出話など。
最初の話題は、企画書の内容と、併せて元企画者K氏の後の作品「夕闇通り探検隊」との比較考察など。

Hiroshi Kasai @heron64

「トワイライトシンドローム」リリースからもうじき20周年か。 最初にK氏の企画書を見せてもらった時の事を思い出す。 Macドローを使った克明な挿画で恐怖シーンとか表現していた。確か夜の廊下でガマガエルの群れが襲って来ていた。 当時の企画課はMac LC II。良く描いてた物だw

2016-02-13 02:02:46
Hiroshi Kasai @heron64

トワイライトシンドロームの最初の企画書、シナリオ例として「失恋で自殺した女の子の霊に校内放送をかけて呼び出す」と言う第二の噂の原型が、ほぼほぼそのまま掲載されていた。 怖いけど好奇心でアプローチせずにいられないと言う、あのゲームの二律背反なモチベーションをうまく表現していた。

2016-02-13 02:06:36
Hiroshi Kasai @heron64

第二の噂「音楽室のMF」は元企画者のカラーが一番良く出ていたシナリオで、作品通してのスタイルの基準ともなった作品だと思う。ラストのカレンダーが落ちる演出の見事さに唸らされて、後半のエピソードでもなんとかそれに匹敵するような締め方をしたいと色々頑張った。「テレホンコール」とかw

2016-02-13 02:11:42
Hiroshi Kasai @heron64

ちなみに最初の企画書では、主人公三人組に「暗闇探検隊」という名称が冠されていた。高校生の具体的な会話の中で使うのは難しかったので、本編のセリフでは結局一度も言及しなかったけど、後にK氏の企画で「夕闇通り探検隊」が出た。何となく児童文学的な響き、中学生主人公には似つかわしい。

2016-02-13 02:19:13
Hiroshi Kasai @heron64

「夕闇通り探検隊」中古がプレミア価格だったり、難易度に関して恐ろしげな噂wを聞いたり、残念ながらキチンと自分でプレイした事はないのだけど、何となく内容について聞く限りにおいては、「トワイライト」との決定的な違いは「高校生と中学生」それぞれ作品の拠って立つ世界観の差があると思う。

2016-02-13 02:26:36
Hiroshi Kasai @heron64

「トワイライト」のシナリオでも、実は「夕闇の少年」は高校を舞台に展開するのは微妙に難しいなと思いながら書いていた。高校進学以降は割と学生層が学校ごとにキレイに分化されてしまうので、同じ校内で剥き出しの人間関係でぶつかるという場面が実感湧き難い。 現実の事件なども中学生中心だし。

2016-02-13 02:35:01
Hiroshi Kasai @heron64

高校生になると、どうしてもある種の「社会性」が生活の中で確立されて来るので、中学生以前の持つ「思春期の正体不明な衝動」との煩悶みたいな物は割と身を引くのではないか。 トワのミカの無邪気さの裏打ちとして「世知に長けた」スキルがあるのに対して、夕闇のクルミの無垢さはむしろ危うげ。

2016-02-13 02:50:00
Hiroshi Kasai @heron64

「夕闇通り」の制作には全くノータッチなのだけど、最初の学校ロケハンを繋ぐ段階でちょっとだけ協力した関係もあって「夕闇」の企画書も見せてもらったことがある。 クルミというキャラクターを「最強のナチュラルヒロイン」みたいな文言で力強く押し出していたのが印象的だった。

2016-02-13 02:56:41
Hiroshi Kasai @heron64

プレイもしないで「夕闇」を語るのもアレなのだが、覗き見る限りにおいて、あの作品には思春期の「自分と世界が未分化な時期」の感触があるような気がする。 で「トワイライト」はそのちょっと先、「自我を確立しながら社会性を獲得して行く時期」のお話。その段階でちょっと不安定になって揺らぐ。

2016-02-13 03:02:45
Hiroshi Kasai @heron64

作中での超自然的な存在の感触も、トワの幽霊はかなり明確な人格を持って接触してくるのに対して、夕闇のそれは理不尽で正体不明・理解不能の物が多いような気がする。「世界に対する不安感」が根底にあってのアプローチなのだろうけど、「語られない事」による怖さが何となく作品全体を覆っている。

2016-02-13 03:21:07
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