よいこ大賞2015　作品のみ

biwataki @taki_triumph

「貴方に会って、止まった時間がまた動き出したの」 「全く文系は。時間が止まる訳ない」 「貴方の時間は定量的なの？楽しい、哀しい、色んな時間がある。私の時間が止まっても不思議とは言わせないわよ」 「…そう。で、君の時計が動いてどんな意味があるのさ」 「ばかぁ！」 #twnovel

biwataki @taki_triumph

死んだ後には天国も地獄もない。死んだら無だ。自分と世界しかない。自分で考えて、決めて、死ぬまでのたうち回るしかない。 …でも「天国も地獄もない」なんて、神様って概念がなきゃ成立しないんだ。いるかいないなんて事関係ないんだ。ああ…！いつも神様の手のひらの上だ。 #twnovel

綺想編纂館（朧） @Fictionarys

艶やかに眠らぬ夜の街には山吹の色がよく似合う。手元の山吹色で旦那は今宵、何色の華をお探しで？派手さはなくとも実を結ぶ一重の山吹に憧れながら、恋さえ結べぬこの身に重ねて纏う山吹の色。八重咲きの運命ならば、せめて誰より美しく。実は残せずとも、永遠に貴方の心の中に。 #twnovel

綺想編纂館（朧） @Fictionarys

怪盗が予告状を出すなんて誰が決めた？本物をよく似た偽物にすり替えて、正しく並んだ中からさり気なくひとつを盗み出す。ほら、よーく見て？本物はどっち？見れば見るほど迷宮入り、推理は崩壊寸前かい？誤字に脱字に誤変換、俺にかかればお手のもの。さあ今日も勝負をはじめよう。 #twnovel

とある所のプログラマー @nagataku0009

「あれ、なんだろな」「私に聞かないで」子猫が珍しく狼狽した声を出す。現在時刻は午後０時過ぎ。目を向けてる先、つまり窓の外。雪だるまが大きな袋をもって塀の上を行軍していた。時折袋の中身を民家投げ入れている。「夢じゃないよな」「夢だと思ってた方が良いんじゃないかしら」#twnovel

とある所のプログラマー @nagataku0009

貴方の作品を見て、私は死にたいと思った。貴方は多くを持っていて、私はその欠片も持っていない。それをさらに見せつけられた気がした。何で何で何で何で、私は一つも持つことが出来ない！自分で作った手元のゴミをくしゃくしゃに丸めて放り投げる。好きな貴方の、作品が一番嫌いだ。#twnovel

りお@12/17南2サ18b🏀新刊固定💙❤ @3816fvw

#twnovel 赤身の肉が切り分けられてゆく。「自分の一部となるものを、念入りに、味付けする」満足げな吐息。「至福だわ」「じゃあ此処も」骨ばった手首を差し出した。「味をつけて」ラジオがジイジイ鳴いている。「私の一部になりたいの？」少女誘拐行方ヤ知レズ。彼女は優雅に首を傾げる。

まあぷる @nemu_tatibana

トイレに入り、用を足すと紙がなかった。 すると床からトイレットペーパーを持った女神が生えてきた。 「あなたが落としたのはシングルですか、ダブルですか？」 いや、だってなかったし。 「あなたは正直者ですね。では、また」 ゆっくりと沈んでいく女神。 くれないのかよ！ #twnvday

まあぷる @nemu_tatibana

私はサンタ。とはいっても普通のサンタじゃない。例えばこの子だ。そっと近づいてパジャマをめくると身体中に痣が。奥ではお母さんの泣いている声。この子の父親はＤＶの常習者だ。私は父親の部屋のドアを開ける……さて、帰ろう。袋は重いけどこれは最高のクリスマスプレゼントだ。#twnovel

あさづけ◉ @asasousakubakka

どういうわけか僕ら双子の兄弟の人格が入れ替わってしまったようだ。物は試し「互いに頭を強く打ち付けてみよう」と兄が言う。「そいつは名案」と弟が言う。「せーの」と互いに言って頭をぶつけてみる。「どうだ？」と兄が言っても「双子だからわかんないや……」と弟が言った。#twnovel

あさづけ◉ @asasousakubakka

例えるならば蒲公英だ。ふわふわとどこかへと行ってしまうが、根強くその固い土地に立つ蒲公英ににている。手の届かないような色をしているのにふと気がつけば私の足元を支えるようにいつでもそこに咲いていたのだ。私はなんてことない顔で、けれど少し照れ臭く手を差し出した。 #twnovel

ほしつぐ @astre___

そっちは雲が多くて見えないだろうけど、こっちは見飽きるくらい星が綺麗だよ。隣に君がいないのだけが本当に残念。いけないことだと分かっていても、君もこっちに来ればいいのに、早く死んでしまえばいいのに、と思ってしまう時があるんだ。ねぇ、君が他の誰かを愛してしまう前に。#twnovel

銭喰 @zeniqui

#twnovel 青空を飛ぶ飛行機を見てヒヨコが親鶏に尋ねた。「なぜ人間は鳥より高く飛べるの？　羽根が無いのに」「この世でもっとも軽い羽根の材質は無だ。無の羽根があれば鳶より高く飛べるのさ」「ふーん、じゃあ飛べ無い僕たちも高く飛べる？」「ああ。私もお前も美味しいフライになれる」

ほしつぐ @astre___

夜空を両手で作ったフレームで切り抜いて、今この一瞬だけ、僕の領地にしてしまおう。この範囲のきらめきを独占するのだ。肉眼では見えない星も、宇宙飛行士が落とした工具も、全部僕のもの。宇宙はとっても広い。きっと僕の知らない生き物もいるだろう。僕はそこで王様になるのだ。#twnovel

みや⚡水也💙 @m_iya_o

◆すこしだけ夜を借りるよ。男は微笑みました。鋭く貫くようでいて甘く蕩かすようでもあり、どこまでも冷たい笑みでした。いやらしい、というのよ。ひどいという意味を込めて。そう教えてくれたお姉さんはもういない。その男が子どものように愛した女は、もういないと知っています。 #twnovel

みや⚡水也💙 @m_iya_o

◆古びた石畳を白い子猫が歩いている。星も月もない夜。橙の明かりがぽつぽつと行く道を照らし、そうして後ろはなかった。星があればとでも言うように猫は空を見上げる。黒と橙が混ざる幻想は美しく、けれどそれだけだ。残すには値しない。ふうわりと闇が揺れ、白い少女が微笑んだ。 #twnovel

にゃおっく @_nyaok

#twnovel 一人の天才魔術師が誕生した。星を読み、戦を治め、魔法を知らぬ人々をも導く。全能ゆえに世界の理を乱さぬはずの彼女が犯した過ち。古代にあって魔法を創生した神にも等しき魔術師の遺物、そこに孤独を感じ得たのは彼女だけ。想いが溢れ、時の流れを逆しまに。今、彼に逢いに行く。

23時の夢物語 @23novel

#twnovel キーボードが勝手に動いているのを眺めています。考えるだけで文章が打てるなんて夢のようです。そういえば昨夜の帰り道、いきなり謎の光に包まれた気がします。そこから先の記憶があいまいですが、ものすごく便利なので、頭のアンテナについては慣れることにします。