山口節郎教授最終講義「リスクの社会学再考」の実況後追い

@iTomoyuquiによる山口節郎教授最終講義「リスクの社会学再考」の実況後追いをリストにしました。
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OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:3番目は誰かに保証を負わせることができないということ。事故が大きくなると、保障能力が国家からも失われてしまう。かつては保険会社が担保できたが、保険は統計と確率によって成り立っていて、計算可能性が保険会社の経営を支える。 #kutc

2011-01-19 11:17:59
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:いわば「確実な不確実性」(known uncertainty)だが、今のリスクは「不確実な不確実性」なので保険を受けたがらない。福祉国家は保険国家、安全国家ともいわれるが、それが有効ではなくなっている。福祉国家はリスク社会の補完物だったが、無効になりつつある。 #kutc

2011-01-19 11:18:50
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:避けられないリスク。プラス面もある=虎穴に入らずんば虎児を得ず。リスクを冒すことで大きな利益を得られる。逆に何もしなければジリ貧。シュンペーターは創造的破壊と言った。ゼロリスクこそ最大のリスクという名言を吐いた学者もいる。 #kutc

2011-01-19 11:19:26
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:リスクをとらないぬるま湯社会化がソ連崩壊に繋がったとも言われる。リスクをとりながら実験していくことが、科学の発展をもたらしたという説もある。リスクなければ利益なし。 #kutc

2011-01-19 11:19:48
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:近現代社会における社会構造と時間構造の変化。象徴的なのはコンティンジェンシー。状況依存性、文脈依存性、不確実性、偶発性とも訳される。不可避性、不可解性の否定。ものごとは別様にも可能ということ。 #kutc

2011-01-19 11:20:08
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:われわれの生活の一刻一刻が選択であり、意志決定がなされる。それによって未来を切り開いていく。未来は開かれている、未来がpluralである。これが近現代社会の特徴である。 #kutc

2011-01-19 11:20:28
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:意志決定による選択が、近代人現代人の宿命となる。同時にそれは未来を開くことであり、リスクを負うこと。しかし、そのために必要なすべての情報を手に入れられるかというと、それはできない。 #kutc

2011-01-19 11:20:42
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:注目されるものがある一方で、注目されないものが必ずある。戦略的に無視しているともいえる。意志決定のための知識にはかならず盲点がある。しかし、盲点からはしっぺ返しがある。 #kutc

2011-01-19 11:21:02
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:決定合理性、最適化ルール。もっとも最適な選択をおこなうというのが最適化ルール。完璧な意志蹴ってのためにはありとあらゆる情報を集めなくてはいけないが、それは無理。適当なところで意志決定をせざるを得ないのは、限定合理性。 #kutc

2011-01-19 11:21:19
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:最適の針を探すのではなく、妥協するというのが満足ルール。 #kutc

2011-01-19 11:21:38
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:社会の機能分化。部分システムの特徴は多中心的社会。自己中心性。管制高地の不在。他のリスクに対する無関心。企業は経済リスク以外に関心を向けない。また、公害は企業にとってはリスクだが、市民にとってはdanger。立場によって見え方が違う。 #kutc

2011-01-19 11:21:55
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:われわれの意志決定と行為が状況を変えてしまうという問題。それによって未来予測が難しくなる。状況に働きかけることで状況が変わる。当初の予測が当てはまらなくなる。 #kutc

2011-01-19 11:22:14
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:ここで言いたかったこととしては、若干科学の悪口をあげておきたい。自分のやってきたのは虚学。科学こそすべて、技術こそすべてと考えている人々に文句を言いたい。従来、科学はリスクを回避するために考えられてきた。もはやそれはリスクの発生源になっている。 #kutc

2011-01-19 11:22:40
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:一般人の幅広い合理性が、科学者の狭い合理性よりも力を得ている時代なのではないか。物事の観察図式をもつことによってものをとらえることができる。モノの見え方は図式のあり方によって異なってくる。「区別」が分析の図式になる。 #kutc

2011-01-19 11:22:58
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:フェミニズムは男女の区別、あるいは格差と貧困という区別、そうした区別をとらえ直すことで社会をとらえてきた。区別の仕方によっては認識を誤らせてしまうやり方もある。そこには盲点が存在。その盲点をどこまで自覚できるか。それが科学に求められる。 #kutc

2011-01-19 11:23:15
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

山口:科学は常に盲点についてリフレクシヴであるべき。ヴィリリオの言葉。ある事物の発明は事故の発明。インターネットの発明は大きな危険の発明。しかし、それは死者を出さない。情報科学の偶発事故は目に見えない。それを総合情報学部の学生には考えてほしい。 #kutc

2011-01-19 11:23:44
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

以上で山口節郎教授最終講義「リスクの社会学再考」の実況後追いを終了します。 #kutc

2011-01-19 11:25:13
OKADA Tomoyuqui @iTomoyuqui

最後のまとめの言葉はちょっとこじつけっぽい感じもなくもなかったですがw、でも先生の近年のお仕事を平易にまとめてくださったと思います。欲を言えば、初期のお仕事もふくめた社会学論を聞きたかったですけど……。あと、今日の内容は試験には出ないそうですよ(笑) #kutc

2011-01-19 11:28:13