自由に旅する国―蒼穹の旅団―③

蒼穹の旅団の5日目~8日目の話。おまけの可愛い団長のコーナー復活 前回⇒http://togetter.com/li/906378 次回⇒http://togetter.com/li/910157 #蒼穹の旅団
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悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@nyamakinu 「団長! 温泉! 温泉あった!!!!」

2015-12-03 00:04:06
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu (中の人:わーい!イベント発生だー!早めに引いてくれて助かりましたー!) 「やったー!温泉だよ!ありがとう空蝉丸!」

2015-12-03 00:07:00
小人白夜@人狼なう @Kaga_Byakuya

@nyamakinu わっわっ!温泉だ!!四月の温泉……あ、団子食べたい

2015-12-03 01:41:39

温泉診断を引いたな!?
イベント発生だ!

悪いたわわお姉さん @nyamakinu

#蒼穹の旅団 に吉報がもたらされたのは4月のことだった。 数ヶ月前より旅団に同行するメイジ、空蝉丸が温泉を見つけたという。かくして風呂好きの団員たちは我先にとなだれ込み、人が少なくなったのは夜も更けてからのことであった。 twitter.com/nyamakinu/stat…

2015-12-04 14:47:32
悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@nyamakinu 春の夜はまだ肌寒い。発見者のくせに先を越されまくった空蝉丸は、この時間になってようやっと温かな湯にありついた。 とは言え人がいない温泉は贅沢の一言に尽きる。彼はのびのびと湯に浸かり、羽を伸ばしていた。

2015-12-04 14:49:03
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu いつものように皆が入り終わったのを見計らって風呂に入る。今日は空蝉丸が見つけてきた天然の温泉だ。いつもお風呂の準備を任せていて、本当彼には悪いことをしている。 脱衣所に誰もいないのを確認すると、服を脱いで温泉へと向かった。→

2015-12-04 15:11:51
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu 月明かりが照らす露天風呂。まだ肌寒い季節ではあるが、それを差し引いてもこの時間に入るのは得だ。浴場は湯気が立っていてあまり視界が良くなかった。この時、もう少し注意していればすぐに気付いたかもしれない。湯に足を入れようとしたところで、少しずつ湯気が晴れる。→

2015-12-04 15:18:57
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu そしてそこに浸かっている人物と目があった。 「空……蝉丸……?」 彼がどんな顔してたかをルーベルトは覚えていない。そんな余裕は彼にもなかったからだ。でも半年ほど前に合流した忍者が驚いていたのはわかった。→

2015-12-04 15:28:50
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu なぜならその胸には双丘があり、肌は白く柔らかそうで、普段帽子に隠している髪は背中まで伸びていた。女体。彼がいつも否定している女性の姿がそこにはあった。

2015-12-04 15:31:24
悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@yoshikacrazy ひたひたと足音がした。から、そういえば団長もまだ入っていなかった、彼だろうなとあたりをつけて振り向くのはごく自然のことだった。ーーその先に見たものさえ予想通りであれば。 「……あ、れ?」 湯煙の向こう、団長がいる。ただし……あの柔らかな……

2015-12-04 17:06:53
悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@yoshikacrazy 忍びは思いっきり鼻から血を吹き出した。同時に今までにない速度で背を向ける。赤いものをだらだら流し続ける鼻を抑えながら、彼はようやっと言葉をかけた。 「あ、えと……その……」 いやまさかそんな、と心のうちで必死にかぶりを振りながら。

2015-12-04 17:07:30
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu タオルで身体を包んでいたのが幸いと言えるだろうが、相手の反応を見て全てを察する。その瞬間彼……いや彼女の表情は驚きから羞恥へと変化した。 「あ……ああ、あああああ」 顔がみるみる赤くなり、手の聖印が輝く。 「み、みみみ見るなー!《閃光刃の印》!」→

2015-12-04 17:18:49
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu 手刀から放たれたそれは、本人すらもどこへ向かっているかはわかっていない。当たっているのか、避けているのか、そもそもあらぬ方向へ飛んでいるのか。それすらも確認せず彼女は走り去っていく。 「うわああああああん!見られたあ……」 泣きながら。

2015-12-04 17:19:10
悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@yoshikacrazy 背後で放たれた閃光刃の印が、どこでもない見当違いの方向に飛んでいく。それを見て、彼は確信せざるを得なかった。 彼は、いや彼女が、蒼穹の旅団団長ルーベルト・バッソなのだと。そして彼女の、最も知られたくない秘密を知ってしまったのだと。 「あ、あー……」

2015-12-04 17:41:09
悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@yoshikacrazy 未だ止まらない血を気にする余裕などなく、ずぶずぶと湯に沈んでいく。明日からどんな顔して会えばいいんだろうか。それに何故彼女は性別を偽っているのだろうか。こんな秘密を知ってしまって……自分は、どうしたら良いのだろうか。

2015-12-04 17:41:18
悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@yoshikacrazy 「たしけて御前……」 ここにはいない恩師を思わず呼んでしまう程度には混乱している。忍者はそのまま、息が続かなくなるまで湯に沈んだままだった。

2015-12-04 17:41:26
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu (見られた!見られた見られた見られた!) すぐに着替えて自分の馬車へと戻り、布団を頭まで被っていた。今まで隠してきたことを知られ、ショックだったがそれよりも辛いことがある。 (男の人に裸見られちゃったよぉ。うぅ〜恥ずかしい……) それから数日。→

2015-12-04 18:02:13
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu 妙によそよそしい2人のまま旅は続いた。特にルーベルトの方は明らかに空蝉丸を避けている。と思えばジッと彼の方を見ていたりと他の団員も、何かあったのだと察していた。そんなある日、空蝉丸の部屋の戸が叩かれる。もちろん彼が1人の時にだ。→

2015-12-04 18:02:48
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu 「俺……ルーベルトだけど空蝉丸いる?」

2015-12-04 18:03:47
悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@yoshikacrazy とんとん、と控えめなノック。続く訪問者の名前。空蝉丸はぴくりと肩を震わせた。少し、返答を迷う。一瞬寝たふりでもしようかと悩んで、やめた。 呼吸ひとつ、腹をくくる。 「……どうぞ」 扉を開け、件の彼女を中へと招き入れた。

2015-12-04 18:09:29
よ鹿🍅 @yoshikacrazy

@nyamakinu 返事がない。やっぱり嫌われたかと不安になる。無理もない。閃光刃の印を撃ったんだし。そう思っていると扉が開いて、本人が出てきた。良かった。少しホッとしてすぐに緊張も襲ってくる。言わなければいけないことがあるのだ。 「こ、この前はごめん!」 頭を深く下げた。

2015-12-04 18:15:49
悪いたわわお姉さん @nyamakinu

@yoshikacrazy 突然謝られるとは思わなかった。頭を深く下げた団長に驚いて慌ててしまう。 「あ、い、いや、その、拙者こそ」 気を抜けば思い出してしまいそうになるなだらかさを必死に搔き消し、忍びは一歩後ろに下がり促した。 「そ、外では誰に聞かれるかもわからぬ。中へ」

2015-12-04 18:26:25
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