落ちぬい小話まとめ（番外編）

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「浜風ー？ 少しええ？」 「あ、はい。この天ぷら終わったら、いいですよ」 「あー、そのままでええよー。些細な事じゃけえ」 「そうなんです？」 「うん。兵頭さんのこと彼氏言うとったけど──嘘じゃろ？」 「！？」 誰かにツッコまれると思ってたけど、よりによって浦風。 #落ちぬい

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「え……や、や……あ、あ、あ」 「天ぷら」 「あっ、あっ、あっ」 「がたがたじゃあねえ。うちが代わろか？」 「い、いえいえ座っててください！！」 「んー。ええけどー」 「……」 「どうして嘘なんてついとるん？」 「！！？」 #落ちぬい

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「磯風は頭から信じとるし谷風はどっちでもええけえねえ。何でなん？」 「……」 「顔をそらしてもあかんよ？」 「う、浦風には関係ないじゃ……ないですか」 「んん？ でもうちもタイプじゃけえねえ」 「ええええええ？！」 女の友情にがすがすひびが入るタイム。 #落ちぬい

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「そ、そんな！！ おじさんなんですよ？！」 「そじゃねえ。一回りぐらい離れとるねえ」 「しかも、結構だらしないし」 「その上アロハじゃものねえ」 「あ、あと。割と無神経ですし」 「気遣い出来る素敵な彼氏いうとったねえ」 涙が滲みそうな浜風タイム。 #落ちぬい

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「でも優しい。そじゃろ？」 「……でも」 「わざわざ下のもんの私事のために、単独行動するぐらいじゃもんねえ」 「……」 「好きなだけ、じゃろ？」 「……そう、です」 「浜風、天ぷら焦げとるよ」 「……。別に、平気ですあの人なら」 #落ちぬい

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「あ、嘘じゃよ。別に取ったりせんけえ安心しとき」 「……え！？」 「浜風が嘘ついたけえ、おかえしじゃあ♥」 「も……もう！！ 私すごい頭が──」 「おじさんで、だらしないけど好きなんじゃあ♥」 「浦風ー！！！！」 お怒りのはまかぜでした。 #落ちぬい

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なお、磯風に話を聞くと。 「いい男だと思うぞ。アロハとサンダルはともかく私に勝ったというのは大きなポイントだし、何より悪ガキっぽくて憎めない」 などと浜風がかたかた震えそうな情報が。 「デートに誘われたらつきあってもいい。面白そうだ」 とも申しており。 #落ちぬい

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「でもおっさんだよ、磯風」 「年齢はあまり気にしないぞ。初めてはおっさんだし」 「磯風っておっとなー」 「ふふん。褒めても何も出ないぞ谷風」 「でも浜風の彼氏だけどね」 「嘘だろう？」 「騙されとこうよ。真面目な浜風の嘘だよ？」 もちろん仲間にはばればれでした。 #落ちぬい

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「そうだな。フラれた時には慰めよう」 「その堂々としたリーダーシップ出す前に、成功って前提で話さない？」 「ふむ。では式場はどこがいい？ 出し物はどうしよう」 「磯風って、ロケットみたいな性格だよね」 「そう褒めるな」 面白十七駆。 #落ちぬい

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「昔話をしましょう。自衛隊時代にナイトビジョンは水着が透けるという話があり、試そうとしたバカが二人いたんです」 「はあ…どうなったんです？」 「昼間に堂々ビーチで試してたので、迷わず捕まえました」 「で、その手元の機器は」 「ナイトビジョンです」 翔鶴さんの受難。 #落ちぬい

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「ところで司令。その旧型ナイトビジョンは？」 「海自んとき使ってた奴だよ」 「使い物にならないと思いますが」 「友情の証なんだ」 「なるほど。俗説に踊らされたと」 「お前の平たい胸透視してやろうか」 「見ますか？」 「ごめんなさい」 いわなきゃいいのに。 #落ちぬい

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「ひさびさにぬいっちに、セクハラしたって聞いたよー」 「無駄に話はええな。違うんだよ友情の証っつーか」 「でもうちらの服とか透けないんだよねー。知ってた？」 「えっ」 「……。兵頭っちさー？」 「そんな目で見るな北上様」 「ラーメンおごり？」 「おごりで」 #落ちぬい

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「ちなみに、もうじき基地祭あるよね」 「おう。今年はビールも出したいっつー申請あったな」 「浴衣は透けるよねー」 「いやしねっすよ！？」 「で、今誰を頭に浮かべたか当てる？」 「やめてくださいお願いします」 「まず長門っちでしょー。次神通でしょー」 秘書艦強い。 #落ちぬい

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「で、花火大会と連携するって話だけどさー」 「おう。毎年のことだろ」 「長門っちから、進言が来てた」 「あん、なんだよ？」 #落ちぬい

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「むっちゃんの破局が近いって」 「おっし、今から４８時間態勢監視しつつで速やかに事件解決を行う。最悪の事態に備えて国外退去命令の書類取っといて」 「あいさー」 花火大会が市民大爆発パレードに変わらないようにがんばる司令官のお仕事。 #落ちぬい

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「ん？ 陸奥には秘書艦して貰ってたし、毎晩酒飲みながら愚痴ってたからな。それにマジ結婚と聞いて、まあ、その」 「うん、すごかった」 大変なときに相棒を見捨てられるわけもないむっちゃんでした。 おかげで、恋する暇もなかったそうな。（余暇から生まれる恋の火種） #落ちぬい

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「あんのヘタレがぁぁぁ！！！ 直接言いに来いッ！！ 今すぐにッ！！！」 唐突に結婚写真データが基地内に出回りだしたのを聞いて大変なお怒りようだった模様。 司令単艦出撃が発生し、深海棲艦がやつあたりで多数撃沈されたとのこと。 むっちゃんも止められなかったそうな。 #落ちぬい

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深海棲艦側からすると、怒りでどす黒いオーラをまとったアルティメット戦艦が唐突にやってきて、砲撃＆肉弾戦を駆使して怪獣映画ばりに大暴れ無双しており、どうか帰ってくださいと祈ったそうな。荒神長門として末永く語り継がれるであろう事件です。 #落ちぬい #荒神長門こわい

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なお、北上大明神様も「あれは天災だから無理。収まるのまちましょー」と諦めたご様子でした。 巫女服になってしずまりたもー しずまりたもー とお祈りはしてくれた模様です。（微妙に似合ってる北上様） #落ちぬい

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一方此方が正ヒロイン不知火。データを神通教官の携帯からクールに抜き取り、画像解析をかけて『偽装工作の可能性あり』と診断したので騒いではいなかった模様。後に真実へと変わったときのご様子は、想像にお任せしたい。 #落ちぬい

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はまかぜ？ うん、駄提督の寝っ転がってるあたりをじーっと見てほふーってため息をついて。 「不倫って、どうなんでしょうね」 とか呟いたりすることはあるよ。 とても前向きだよ。 #落ちぬい

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でもそんな前向きな意見を聞きつけた第十七駆逐隊──主に谷風と磯風が、クルーザーを一機ちょっぱってくる計画書を見せてくるよ。 「瀬戸内海の無人島はまだある。いけるぞ浜風」 とかぬかしてやがるよ。DASH村計画してるよ。 こりてねえよ、第十七駆逐隊。 #落ちぬい