「さくら学院が学校になった日」または、さくら学院の教育は、いかにして少女たちに自立と自覚をもたらすのか。【磯野莉音、大賀咲希編】

いま世界が注目するBABYMETALをはじめ、女優・モデルとして活躍する三吉彩花や松井愛莉が卒業したアイドルユニット「さくら学院」は本当に「学校」であるということをツイートしながら考察しました。まず2015年度の卒業生、磯野莉音と大賀咲希の急速な成長について。
4
ずばぴったん @zubapittan

磯野莉音はさくら学院に憧れて入った最初の世代だ。それはアイドルへの憧れではなく、大好きな事務所の先輩と一緒に大好きなダンスを踊りたい、という意味ではあったが、彼女の中では、「さくら学院」は最初から光輝く場所であり明確なwillがあった。だからこその選抜だろう。 #さくら学院の教育

2016-03-31 08:14:22
ずばぴったん @zubapittan

人前で泣かない磯野莉音は、楽屋やレッスンでは人一倍の悔し涙を流したという。寂しさや哀しさではなく、不甲斐ない自分に憤って泣く。彼女は人一倍強い意志の持ち主だったのだ。ただ初期の段階では、意志の強さが個人的な部分でのみ発揮されていたから外からは見えづらかった。 #さくら学院の教育

2016-03-31 08:23:36
ずばぴったん @zubapittan

莉音は、自分のダンスだけでなく、ほかのメンバーのダンスまで覚えてノートに記録していた。ただダンスが好きだからだったろうが、後にそれは上級生としてダンスを教えたり、さらにフォーメーションを分析してMIKIKO先生の意図を読み取るという方向に進化した。 #さくら学院の教育

2016-03-31 08:30:50
ずばぴったん @zubapittan

さくら学院では、歌詞の意味をしっかりと解釈して、自分なりの表現を行うことを指導している。水野由結は、プロデュース委員長時代に手書きのパネルを作ってメンバーの曲への理解を深めようとした。それをダンスにおいても考えていると発言したのは磯野莉音が最初だろう。 #さくら学院の教育

2016-03-31 08:35:57
ずばぴったん @zubapittan

マイペースに見える莉音は、実はストイックに自分自身と向き合っていた。最上級生になり、生徒会長になったことで、それまで自分だけに向けていた意志の強さ、向上心、プライドが、さくら学院というチーム全体に向けられた。それが2015年度の成功の原因のひとつだろう。 #さくら学院の教育

2016-03-31 08:43:26
ずばぴったん @zubapittan

そして、チームと自分の立場を意識したとき、それは彼女自身の向上心にも結びつき、それまで避けてきた、言葉や食べ物の好き嫌いなどさまざまな苦手を克服し、さらに海外で経験を積みたいとも言い出した。限定的に使われていた意志の力が一気に花開いたのだ。 #さくら学院の教育

2016-03-31 08:48:06
ずばぴったん @zubapittan

磯野莉音の自立と成長にさくら学院の職員室が果たした役割はなんだろう。それは史上最多の6人もの転入生が入った困難な状況において、莉音に生徒会長を任せたことに他ならない。端から見ればキャリアが一番長い莉音の就任は当たり前に見えるが、状況を考えれば大きな賭けだった。 #さくら学院の教育

2016-03-31 09:33:52
ずばぴったん @zubapittan

リスクをとらず大賀咲希を生徒会長にするプランもあったろう。実際、大賀咲希は武藤彩未や中元すず香に匹敵する存在感を2015年度に発揮した。しかし、チームを率いるリーダーに磯野莉音を任命したのは、彼女の俯瞰でモノをみる力を、職員室が見抜いていたからではないか。 #さくら学院の教育

2016-03-31 09:55:16
ずばぴったん @zubapittan

「バカに見えて司令塔」「司令塔としては天才」と言われるように、莉音にはリーダーの才能がある。俯瞰でみる習慣、的確な状況判断、各メンバーへの細かい配慮。そして挑戦する決断力。2015年度は莉音が、それらの資質を獲得し発揮する過程を見せるドキュメンタリーだった。 #さくら学院の教育

2016-03-31 10:09:21
ずばぴったん @zubapittan

リーダーとして、メンバーに力を発揮させチームを輝かせるという体験を通して、莉音は「舞台監督になる」というおぼろげだった夢を確かな目標に変えた。2013年度の学院祭で見たフラッグの海のイメージから、自分の未来を描き出した。母親とケンカして何度も話し合いながら。 #さくら学院の教育

2016-03-31 10:16:27
ずばぴったん @zubapittan

芸能活動で高い目標をクリアしていくことで成長を実現する。それは単に歌やダンスやトークのスキルだけのことではない。自分は何者なのか、何がしたいのか、という人生に一番大切な自立と自覚をもたらす。その果ての自己実現がスーパーレディになるということなのかもしれない。 #さくら学院の教育

2016-03-31 10:26:37
ずばぴったん @zubapittan

舞台監督として、いつの日か後輩達に最高のステージを作る。15歳で、これほど明確な目標を掲げられるまで成長させただけでも、学校としてのさくら学院は成功したと言える。もちろん未来はまだ不確定だが、莉音はこの目標を未知標としながら新しい人生の軌跡を描いていくだろう。 #さくら学院の教育

2016-03-31 10:37:21
ずばぴったん @zubapittan

「さくら学院の教育」莉音編はここでいったん完結です。今後は大賀咲希編、白井沙樹編と続き、さくら学院の曲の歌詞が与えた影響なども考察する予定。 #さくら学院の教育

2016-03-31 10:40:07

2015年度教育委員長・大賀咲希編

エリート集団に放り込まれたド素人の少女が、エースとして覚醒する物語

ずばぴったん @zubapittan

「さくら学院の教育」もしくは 「さくら学院が学校になった日」 大賀咲希編、始めます #さくら学院の教育 pic.twitter.com/9UI0Th5dC0

2016-03-31 18:52:19
拡大
ずばぴったん @zubapittan

大賀咲希もまた2015年度に飛躍的な成長をみせた。表舞台では歌もダンスもトークでも中心的な役割を果たし、裏では教育委員長として、6人の転入生に寄り添った指導をして、2015年度の全体的なレベルアップに貢献した。しかし、それまでの彼女の歩みは平坦ではなかった。 #さくら学院の教育

2016-03-31 19:00:28
ずばぴったん @zubapittan

幼少の頃から雑誌モデルやCMタレントとして活躍してきた子ども達の中から選抜されたさくら学院の中で、大賀咲希は異例の存在だった。小5の時にちゃおガールオーディションで審査員特別賞をとった翌春に、殆ど経験ゼロでさくら学院に転入した。そのため、当初は苦労が多かった。 #さくら学院の教育

2016-03-31 19:06:47
ずばぴったん @zubapittan

転入当初の大賀咲希は、歌えない踊れない喋れないの三重苦で、特にトークでは自己紹介すらまともにできなかった。緊張のあまりうまく話せず、杉崎寧々に付き添われながら時間をかけて一言づつ言葉をつなぎ、森先生から「オーガタイム」と言われていた。 #さくら学院の教育

2016-03-31 19:14:47
ずばぴったん @zubapittan

また、始まって3年目のさくら学院では、転入生を適切に指導するための経験もノウハウもなかった。そのため転入生だけで練習してダンスを間違って覚えしまうという問題が生徒会長だった中元すず香を悩ませた。また芸能経験のある同期の転入生に比べても大賀咲希は遅れをとった。 #さくら学院の教育

2016-03-31 19:29:31
ずばぴったん @zubapittan

しかし、大賀咲希に足りなかったのは芸能経験だけかもしれない。幼い頃から水泳とピアノで努力を続けてきた彼女には、強力な集中力があった。「ライバルは?」と問われた磯野莉音は「大賀咲希」と答え、その勢いに「追い抜かれるんじゃないかと思った」と当時の気持ちを述べた。 #さくら学院の教育

2016-04-01 00:17:21
ずばぴったん @zubapittan

転入当時はなかなかソロが貰えなかった大賀咲希だが、翌2013年度からは少ないながらもソロパートを得て、少しずつ歌の才能を発揮していった。いっぽう、トークでも過度の緊張から解放されて、上から目線や空気を無視、もしくは常識しらずの発言から「爆弾娘」とあだ名される。 #さくら学院の教育

2016-04-01 00:23:05
ずばぴったん @zubapittan

のちに2015年度の歌の考古学で大賀咲希は「私はさくら学院に必要ないのじゃないか」と悩み、「本気で辞めようかと思った」と告白した。2014年度卒業式の答辞で菊地最愛が大賀咲希の「悔しい思い」について言及し励ましている。端から見てもわかる葛藤があったのだろう。 #さくら学院の教育

2016-04-01 07:26:04
ずばぴったん @zubapittan

たしかに2014年度の大賀咲希は中2なのに部活動がひとつもなく、センターで踊ることも印象的なソロパートも少なかった。明るい外見と裏腹に大賀咲希は非常にストイックな努力の人のようだ。水泳とピアノを諦めて集中したさくら学院の歌と踊りで成果が出ないのは辛かったろう。 #さくら学院の教育

2016-04-01 07:41:00
ずばぴったん @zubapittan

2014年度の大賀咲希が不遇だった理由は、中3にアイドル性の高い4人がいたこと。同じ中2の磯野と白井が、中3と部活動した割を食って出番がなかったこと。2014年度は地上波のバラエティ番組への出演がなかったことなどがあるだろう。 #さくら学院の教育

2016-04-01 07:51:32
ずばぴったん @zubapittan

歌や踊りの実力があるのにアイドル性の欠如によって苦労する、というのは森口博子など昭和のバラドルにも見られたパターンだ。昭和バラドルはバラエティ番組出演に活路を得たが、大賀咲希の場合は、2015年に始まったネット生放送LoGiRLから徐々に頭角を現していった。 #さくら学院の教育

2016-04-01 07:58:57