麗日お茶子はヒーローです。【お茶子さんの役割を考える】

榴様のお茶子さん考が素敵だったので勝手にまとめさせていただきました。お茶子さんはカッコいいヒーローです。
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考察きっかけ(ヒロアカ社会における名前の意味

榴(りゅう) @Ryu_kd3

名付けってほんと創作において(現実でもですが)まだふわふわした思考の断片でしかない存在に命と体を与えて定着させる、正に魂吹き込むための重要な儀式だと思うんですよ。それを限りなく現実に近しい手法(親の気持ちになって)で成すというのはキャラをより「人間」にする決意と試みなんだろうと。

2016-04-30 11:40:10
榴(りゅう) @Ryu_kd3

一方、ヒロアカはキャラの「個性」の特性を直接的にに示した名前が中心なので、分かり易さ重視で特に「名付ける」自体には余り拘りないタイプの作品なのかと最初の思ってたんですよね。しかし、その「名付け」行為自体が作中で丸々一話使って取りられたことで「あ、堀越先生も術者や」となりました。

2016-04-30 11:45:49
榴(りゅう) @Ryu_kd3

名付けは一番原始的で強固な呪術であり、呪術とは「ただそこに存在するだけの事物・事象」に対して「それがどういう意味を持ってそこにあるのか」という存在の定義を後付けで付与するもの。藁束ねただけの人形が憎い相手に害を成す依代となり、二重によった縄が聖域への進入を禁じる警告となるように。

2016-04-30 11:53:54
榴(りゅう) @Ryu_kd3

兎も角、作中でキャラ自身にそんな「名付け」行為の本質、即ち「如何なる存在であるか、如何なる存在になるかを定義する」呪術を己に対して行使させたヒロアカという作品が、名前を単なる「個性と特徴を分かりやすく表すだけ記号」扱いしているわけがないわけです(あくまで個人的以下略)

2016-04-30 12:05:14
榴(りゅう) @Ryu_kd3

むしろあの記号的でさえあるネーミングこそ「生まれながらに持つ【個性】がどんなものかによって人格の有り様まである程度決まってしまう世界」の歪みを暗示しているのではないかと思えるほど。魂の在り方が「個性」に囚われてしまう社会構造。そのなかで自分に名前を与えることを許されたヒーロー達。

2016-04-30 12:12:46
榴(りゅう) @Ryu_kd3

実際にプロになってそれを使うかどうかが定かでなくとも、ヒーロー名という「もう一つの名」を自ら考える機会を得たというのは「自身の有り様を自分で選ぶ」特権を与えられたに等しい。しかし、その特権で雄英の子達が考え出した「名前」はやはり「個性」に根差したものが多いというのがほんと闇。

2016-04-30 12:26:01
榴(りゅう) @Ryu_kd3

勿論、個性をより際立たせるヒーロー名自体は、自ら個性に囚われるのではなく「個性を己のものとして使いこなす」存在たることを選んだ雄英っ子達の意志を示すものなのでしょうが、それを許されるのも「生まれつき持った個性によって選別に耐えたから」というのが。そして名前と共に責務も負うのが。

2016-04-30 12:31:27
榴(りゅう) @Ryu_kd3

ヒーローは、個性によって「他とは違う存在」だという自負としてのもう一つの名前を得ると同時に、呪いの重ねがけで「個性」を重視する社会の仕組み(術式)により強固に囚われるとも考えられるのではないかと。だからこそ、あえて「個性とは関係ない」ヒーロー名を選んだデク君の異質が際立つのです。

2016-04-30 12:38:10
榴(りゅう) @Ryu_kd3

個性ではない(とうか本名まんま)の名前を仮のヒーロー名としてあげたは、飯田君や轟君もですが、彼らはどちらかといえばまだ「己がどうありたいか」に悩んで答えを保留している段階だったのに対して、デク君だけは、明確にはっきりと意志を持って「自分は【デク】だ」と宣言したわけです。

2016-04-30 12:42:40
榴(りゅう) @Ryu_kd3

そんでデク君が選んだ【デク】というヒーロー名がほんと凄い。考えれば考えるほど凄まじく特別で異質。ダサいとかとんでもない。この二文字は無個性として底辺で生きながらその意志でもって平和の象徴に見出され血を流しながらも救い手として認められた緑谷出久という少年の生き様そのものなんですよ!

2016-04-30 12:50:06
榴(りゅう) @Ryu_kd3

緑谷出久という少年が、自分に与えられた運命の過酷に一度でも耐え切れずに諦めてしまったら、かっちゃんに押し付けられた蔑称であるそれが雄英で出会ったお茶子ちゃんにより新たな意味を持つことはなかった。オールマイトから受け継いだ個性OFAでさえも【デク】を構成する要素に過ぎないのです。

2016-04-30 12:55:09
榴(りゅう) @Ryu_kd3

この上なく強固な「個性」を受け継ぎながらも、無個性であった時代の惨めで悲しかった日々をも象徴する名前を己のヒーロー名としたデク君。それは彼が、あの個性偏重社会で真実「個性に囚われず」「己の意志だけで」ヒーローとなりうる存在「=本物にして最高」であることの証明ではないかと。

2016-04-30 13:09:01
榴(りゅう) @Ryu_kd3

そしてもう一つ。蔑称である【デク】の語源は恐らく「木偶の坊」のデクと思われますが、辞書を引いたらこれって「一人では何もできない・周りの助けを必要とする存在の意」とあって仰け反りました。いやだってデク君は一人で全てを救う力と意志持ってるけど、実際今一人にしたら自滅する子だよね。

2016-04-30 13:16:36
榴(りゅう) @Ryu_kd3

ヒーロー性の核たる自己犠牲精神を持つ存在であるがゆえに、そのヒーロー性にいつ殺されてもおかしくないデク君を生かすには、彼が守ろうとする者達からの助けが必要。ヒーローに守られる者達が、ただ守られる側に甘んじるのではなく、ヒーローの犠牲でもって成り立つ社会の在り方を拒むことが。

2016-04-30 13:23:11
榴(りゅう) @Ryu_kd3

つまり緑谷出久のヒーロー名【デク】は、一人の少年の「個性によらない」純然たる意志によって成り立つ最も強固なヒーロー性を示すと同時に、全てを救わんとする彼がいずれ「全てから助けられるヒーロー」となり、社会の有り様を変える存在となる可能性も秘められているのではないかという妄想でした!

2016-04-30 13:29:37

ここからがまとめの本題

お茶子さんがすごい

榴(りゅう) @Ryu_kd3

【ヒロアカのキャラネーミング呪術がスゲェ】語りの補足 ヒーロー【デク】君の素晴らしさを訴えるのに夢中になって、そもそものきっかけだった弔さんの本名の件語り忘れてたでござる。ついでに「名前に見るお茶子ちゃんの特別性」についても少しばかり。まぁ全部妄想だけどね!!

2016-04-30 14:07:59
榴(りゅう) @Ryu_kd3

あとやっぱりヒロアカでは「本名が個性を直接的に連想させるものじゃない」キャラが特別な立ち位置にいる気がしてならない。無個性の緑谷出久君は勿論、オールマイトもグラントリノに呼ばれた下の名前は普通。少なくとも増強型個性OFAに結びつくような文字は含まれてない。弔さんもそう。

2016-04-30 15:07:39
榴(りゅう) @Ryu_kd3

主人公とその導き手、対比関係にある宿敵。と壮々たる「個性と関係ない名前」組。そこにもう一人加わるのがお茶子ちゃんなんですよね。麗らかでお茶目な性格そのものな、特徴的な名前だから一瞬スルーしてしまいそうになるけど、麗日お茶子という名前は彼女の個性「無重力」とは結び付いていない。

2016-04-30 15:11:21
榴(りゅう) @Ryu_kd3

オールマイトの継承問題とは関係ない立場の面子では唯一「個性に囚われていない名前」を持つお茶子ちゃん。そんな彼女が、出久君の無個性時代を象徴する蔑称だった「デク」という名前に新しい意味を与えて、形は同じながらその本質を引き出したってところに無限のロマンと燃えを感じてしまう。

2016-04-30 15:18:55
榴(りゅう) @Ryu_kd3

アニメ第四話の入試編を見返して思ったのは、デク君の本当に凄い所は「無個性の弱者でありながら救うためなら何にも囚われず飛び出す」ヒーロー性なのに、オールマイトとから与えられた最高の「個性」によって、そのデク君が本来持つ輝きはむしろ「分かりにくい」ものになってしまったということ。

2016-04-30 15:23:47
榴(りゅう) @Ryu_kd3

突然ギミックを壊したデク君に対してその強力な個性だけを見て「とんでもない奴」と評価していた多くの受験生達。デク君がどんなに純粋な気持ちで飛び出しても、その行為は「強い個性があるから出来ることをした」と捉えられてしまう。デク君が個性を持つ前からそういう子だったなんて分からない。

2016-04-30 15:27:54
榴(りゅう) @Ryu_kd3

だからこそ、見えにくくなったデク君の本来持つ「強力な個性よりも稀有な精神性」にすぐ気付けるのはヒーローか、ヒーロー足り得る資質が極めて高い子たちなんだろう。その場では何もしなかった、出来なかったとはいえ、飯田君もその価値を理解出来たというだけでめっちゃ見込みある。将来有望!

2016-04-30 15:33:42