NHK ハートネット TV「子宮頸がんワクチン副反応救済の現状」
2009年に承認された子宮頸がんワクチン。これまでに10代の女性を中心に推計338万人が接種。ところが接種後、体の痛みや不随運動などを訴える人が相次いだ。国は去年9月「ワクチンと接種後の症状との因果関係が否定できない場合は救済」と方針決定。入院等医療費や障害年金の給付審査を開始。
2016-05-05 20:07:16しかし現状、救済を求める申請は、被害を訴える報告のおよそ10%にとどまる。その背景には様々な課題が。被害を訴える瑠菜さんの母「申請書類を書いて頂くのも病院によってはとても難しくて『書けない。難しくて書けない』って最初は断られて。何でだろう?って残念な気持ちしかないですよね」
2016-05-05 20:11:09瑠菜さん「こういう体になってしまったので進路も決められないし、将来自分でちゃんとやっていけるのか分からないのですごく不安です」 HPVワクチン。2013年4月〜小学6年生から高校1年生までの女子を対象に法律に基づく「定期接種」に加えられている。
2016-05-05 20:15:19しかし、接種後に原因不明の体の痛みなど様々な症状を訴える患者が相次いで現在積極的な接種の呼びかけは中止。厚労省は当初「実態が明らかになっていない」として、こうした症状を訴える患者の救済制度の審査を保留に。
2016-05-05 20:19:55調査や話し合いを経て去年9月に他の予防接種と同様医学的に厳密な因果関係までは求めず、接種後の症状との因果関係が否定できない場合には、救済する事を決定。 副反応を疑う報告2584人(平成26年11月末時点) ↓ 救済制度に申請260人(任意接種・定期接種合計 平成28年3月末時点)
2016-05-05 20:25:15なぜ救済が進まないのか? この春「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が行ったアンケート。回答した患者のおよそ半数が国の救済制度に申請していないことが分かった。理由のひとつは、医療機関の協力が得られないこと。
2016-05-05 20:28:36栃木県に暮らす小野さくらさん(仮名・17歳)小6の時に3回子宮頸がんワクチンを接種。この日、朝食をとったのは午後3時。重い睡眠障害や倦怠感に苦しんでいる。半年ほど前から学校にはほとんど通えていない。体を動かすことが大好きだったさくらさん。中学ではバレーボール部のキャプテンだった。
2016-05-05 20:30:38しかし、その頃から生理不順やめまい、体の痛み等の症状に襲われ、次第に思うように体を動かすことができないように。10カ所以上の病院を受診し、検査をしたが異常は見つからず。その後も次々の症状が現れる。さくらさん「体調が悪くなった時とかにひ臓っていう臓器が腫れたりしたことがあって(続
2016-05-05 20:34:50検査とかしたんですけど、それも『特に異常がない』みたいに言われて。内臓が腫れるってやばいんじゃないかな?とか思ったんですけど、異常ないって言われたので気のせいなのかな?とか思ったり。お風呂とか入って水があたるだけでも痛いときとかもあって。すごい目に見えて体調がどんどん悪く(続
2016-05-05 20:38:04なっているのでこれからどうなっちゃうんだろうみたいな」 そんな時、ワクチンの副反応のニュースを見て自身の症状に疑いをもったさくらさん。新たに訪れた病院で、「ワクチン接種後の神経免疫異常」と診断された。接種から5年経っていた。
2016-05-05 20:41:24さくらさん「今までのあまり理解してくれないお医者さんたちの言葉を思い出したりして、すぐに信じられなくて。昔を思い出して自分を責めるときとかよくあって。でも、その診断が出たことで一歩進めたので前よりはすごく気持ちが楽になりました」診断を受け、母親は医療費や今後の支援を自治体に相談。
2016-05-05 20:44:36しかし、詳しい情報は得られず。接種時に案内があった救済制度も、適用外だと説明された。そこで母紀子さんは、国が進める救済制度の申請しようと。ところが、申請書類の作成を、一部の病院に拒まれ今も申請できずにいる。
2016-05-05 20:49:20母「できたのでって言われたので私としては(診断書を)書いて頂けたのかなと思って。…そこで『これは因果関係が認められないので書けません』って言われたので。どこに行ってもそういうことの繰り返しで。ようやく先へ進めるのかなと思ってきたんですけど、また行き止まってしまったというか」
2016-05-05 20:52:36母「いろいろ越えなくてはいけない壁がたくさんあるので大変です」 救済制度には申請後にも多くの壁が。 山田真美子さん。19歳の娘が、体の痛みや脱力、不随運動などの症状に悩まされている。山田さん「中学校3年の夏に接種しているんですけど、こういった症状は高校に入ってから出てきました」
2016-05-05 20:56:48(撮影した動画を見つつ)「これも後ろから押さえていないと、もう全身の骨がなんか抜けちゃったみたいにくにゃくにゃで。椅子からずり落っこちゃっていっちゃうんですね」 治療や救済について分からないことが多いなか、山田さんは同じ地域に住む当事者の家族と情報交換をしながら申請をしてきた。
2016-05-05 21:00:33去年末、2年前に請求した分の医療費や医療手当がようやく支給された。 (親同士の情報交換)「認定されたらさ、カードが作れるのよ」「これを受付で出すと、うち歯医者にも今通ってるけど、歯医者さんでこういう症状があるんですねって理解してもらった上で治療してくれるからすごく安心して治療(続
2016-05-05 21:12:48が受けられている。不随意運動とかが出るでしょ。でも先生は『緊張しないで』って。震えが緊張だと思ったみたいで。『そんな力入れなくていいよ。緊張しなくていいよ』って言われたらしいんだけど、本人は不随意運動ですって思いながら。それでも治療が受けられて」医療機関の理解も進んだと山田さん。
2016-05-05 21:15:57しかし、今回認められたのは申請までの間にかかった分の医療費。申請後に治療を受けた場合は、その都度改めて申請しなければならない。 山田さん「ここ以外の症状は、また新たに診断書とか色々書いてもらって申請をしないといけない」 別の母親「また同じPMDAの申請があって1から始まるわけ?」
2016-05-05 21:19:15山田さん「判定からまたもう1回かけてもらって。いま色覚異常が出ていて。それに関してはここに一切記載がないので、色覚異常についての診断書をまた書いてもらって、そして申請して判定会を経て厚労省から認められるとここに色覚異常っていうのが入るんだけれども、それをまたやらなければいけない」
2016-05-05 21:22:47接種した時期によって対象となる救済制度にも違いが。さらに審査には請求書の他、医師の診断書や受診証明書、投薬証明書等が細かく求められる為、準備は大きな負担に。 別の母「私の場合は(接種したのが)県外だったのでそれとのやり取りをしなきゃいけなくて。(略)それを経て皆さん認定を」
2016-05-05 21:28:31母B(書類の束を出し) ーそれ全部? 「これ全部です。やり取りして。PMDAから全部送り返されてくるんですよ。認定されると。全部これは必要書類。追加補足も全部入ってます」 母C「うちなんかもっとすごいよ。これ、全部領収書だもん。今度送る書類が20件ある内の2/3がこれ」
2016-05-05 21:35:40母C「もうちょっとうまくね(申請してから)1,2ヶ月でおりるのであれば症状はその辺は分かるけど、2年3年という年数の間には(子どもたちの)症状は変わりますよねという所なんですよね」 国の方針が決まり、審査が始まったのは去年9月。審査が進まない中、独自の救済を行ってきた自治体も。
2016-05-05 21:39:08それに救われたと山田さん「自治体の救済が始まってるところもあるので、そういった(自治体に暮らす)人たちは、国の認定がおりるまでの間すごく助かるんじゃないかなと思います。やっぱりスピードが大事。だってもう毎日のことなので。本当にスピードある対応がありがたかったです」
2016-05-05 21:42:23しかし、自治体の対応はまちまち。山田さんは、社会全体で将来を見据えた救済をしてほしいと。「子どもたちの成長に合わせてその時その時必要なものが変わってくると思うんですよね。これから子どもたちの将来、生活していく上で必要になるものが、何度も申請書を出さなくても手帳を見せたら(続
2016-05-05 21:45:13