【200人突破記念】恋歌仙熊本城デート企画

主を恋い忍ぶ歌仙兼定bot @kasen_hototogis

（たっぷりと天守閣からの景色を堪能して階段を下りると、再び銀杏の広場に出た） せっかく来たからね、本丸御殿の大広間も見て行こうか。

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（大銀杏の近くにある屋敷の中に入ると、ここも博物館のようで、熊本城主の縁の品が展示されていたり、かつての熊本城の場内の様子を再現しているようだ） ふふ、ここの本丸の広間は凄いからね。君は驚くかもしれないな。

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（展示されている、細川家伝来の品々を歌仙に解説してもらいながら進むと、とびきり大きな空間が目に飛び込んだ） ここが熊本城の本丸大広間だ。この広さなら、僕たちが百人くらいいてもすっかり入れてしまいそうだね。 pic.twitter.com/fc4tgqy0Ic

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はは、そんなに目を丸くしていては、ほかの見物人の邪魔になるよ。大丈夫。心配しなくても、君ならいつか、ここの城主に勝るとも劣らない見事な刀たちの主になれるさ。

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こちらが君主の間。天井にまで絵画が施されて、贅をこらした造りになっているね… （さらに奥に進むと、壁が金で覆われた絢爛な君主の間が見えた。しかし歌仙は調度などを少し誉めただけで、すぐにその奥に進んでしまった）

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君主の間は昭君之間と言ってね、一説では「将軍の間」の隠語とも言われているんだ。そう、清正公が有事の際には亡き豊臣殿下の遺児をお迎えする為に作ったと…なんて、真はわからないが、もしそうなっていたら歴史は今とは変わっていたかもしれないね pic.twitter.com/Ut5abAv5Fo

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ああ、ここだ…主、ここを覗いてごらん。 （昭君之間の反対側にある、窓のようなものを覗きながら、歌仙が少しだけ声を潜めて手招いた。ここは…？）

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茶室、だよ。絢爛豪華な昭君之間の傍らにありながら、小さく、素朴で…それでいて品がある。もちろん先ほどの間の造りも調度もどれも素晴らしいものだったが…こちらも同じくらい、美しく素晴らしい空間だとは、思わないかい？ pic.twitter.com/oc84n7QptZ

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（本丸御殿の見学を終えて、歌仙と再び城彩苑に戻ることにした） 今日はたくさん歩いて疲れただろう？あそこの茶屋で、甘味でも食べながら少し休憩しよう。

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（歌仙の案内で城彩苑の中ほどにある菓子屋に入ると、すぐにお茶とお菓子が運ばれてきた） ここは香梅庵と言ってね、ここ肥後の地では名の知れた名店なんだ。

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ああ、今日は少し暑かったから、お茶とお菓子が美味しいね。 （よく冷えた煎茶が体に染み渡り、白い小さな和菓子もほろほろと口にとけてとても美味しい。歌仙と先ほど見た熊本の景色を話しているうちに、すぐに食べ終わってしまった）

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………。 （いつもは食事が済むと、エスコートするようにさっと立ちあがる歌仙がなかなか席を立とうとしない。不思議に思って首を傾けていると、不意に歌仙がくすくすと笑いはじめた）

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いや、もしかして君なら気付くかと思ったんだがね。…いつだったか、熊本城下に、僕の親戚…のような子がいると、話したことを覚えてはいないかな？

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（もしかしてここにいるんですか！？と慌てて立ち上がると、歌仙はおかしそうに笑いながら頷いた） ほら君の後ろに…ずっと、そこにいるよ。

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現世の刀匠が作った「歌仙拵」の刀だよ。僕よりも幾分大きいようだが、鞘も、造りも、よく似ているだろう？ pic.twitter.com/oK46BDr2q5

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知っての通り、この拵えは忠興様が考えたものでね、利休さまの影響も受けていると言われていて、このカイラギは蝶鮫ではなく油薬を溶かしたもので……なんて、はは。なんだか自分で自分を紹介しているようで気恥ずかしいね。

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もうすぐ現世で僕が展示されるわけだけど、それでも一足先に君にこの子を見てもらいたくてね。　文化も、形も、時と共に時代は変わる。それでも、数百年の時を超えても自分と同じ形の兄弟造られる…それは物として、そして人に打たれた刀として、これ以上ない誉さ。

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（歌仙は照れたように笑って、それでもしっかりと、胸を張っていた） …さあ、君に見せたい場所はこれで全部回れたかな。そろそろお土産を買って帰ろうか。

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主、これなんてどうだい？誉の陣太鼓だよ。丸い形が誉の形によく似ているし、とてもおいしいからきっとみんな喜ぶんじゃないかな。……うん？ （のんびりとお店の中でお土産を選んでいると、通りの中央のほうからなにやら盛り上がる人々の声が聞こえてきた）

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なんだろう？なにかの催し物かな？ ああ、熊本城の武将隊の演武が始まったのか。 ………はっ。忠興様！！！？ （それまでゆったりと菓子を選んでいた歌仙が、物凄い形相で振り返った）

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（歌仙の気迫に気圧されるようにしながら通りに出ると、すでに中央の広場で甲冑を着た数名の男性が音楽に合わせて激しいパフォーマンスを始めていた） 忠興様！忠興様は！？

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ええと…あれは島津殿！？それに立花殿に…小西殿！？…忠興様は！！？ （甲冑の重さを感じさせない軽やかなパフォーマンスを終え、写真撮影タイムの決めポーズをとる武将たち。歌仙は人垣の後ろから必死でジャンプしながら忠興様の姿を探してる）

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忠興様は………いない！！！！？ （あまりに必死な歌仙の姿に見かねて、端末でおもてなし武将隊のスケジュールを確認すると、忠興様は今日は非番の日だった）

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………。

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た、ただおきさまあああ～～～！！ （熊本城下に、歌仙の声が空しく響いた）