「違法性はないのに」という舛添擁護論は政治資金規正法を誤解しています

「違法性はないのに…」という角度の舛添知事擁護論を散見しますが、こういう議論は政治資金規正法の目的や理念に反するものです。政治資金の使い方が適切かどうかを判断するのは、裁判所ではなく主権者である国民だというのが、政治資金規正法の立場です。その辺を解説した連ツイをまとめました。
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まっちゃん@いろいろと緊急事態宣言 @mat_n175

「法的には違法性がないのに…」的な舛添氏の擁護論を散見します。しかし、これは二重に誤った議論だと思います。第1に、「違法性がない」とは、舛添氏が依頼した弁護士の見解にすぎません。それこそ「法的には」、どこでも「違法性がない」とは(逆に「違法性がある」とも)決まっていません。(続

2016-06-15 14:49:32
まっちゃん@いろいろと緊急事態宣言 @mat_n175

第2には、「違法性がないのに…」とは、政治資金規正法の主旨を正面から否定する議論だからです。同法第1条(目的)は、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるよう」、政治資金の収支公開や授受を規制することで、「民主政治の健全な発達に寄与することを目的」としています。(続

2016-06-15 14:49:48
まっちゃん@いろいろと緊急事態宣言 @mat_n175

同法第2条(基本理念)は、政治資金の原資は国民の浄財なのだから、「その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね」ると定め、政治家や政治団体は「政治資金の収受に当たつては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないよう」にと釘を刺しています(続

2016-06-15 14:50:25
まっちゃん@いろいろと緊急事態宣言 @mat_n175

「法的には違法性がないのに…」というのは、政治資金の使い方の是非を、主権者である国民が判断するのではなく、裁判所の決定にゆだねよ、という議論になるのではないでしょうか? それは、上記のような政治資金規正法の目的や理念を真っ向から否定する議論と言わざるを得ません。(続

2016-06-15 14:50:54
まっちゃん@いろいろと緊急事態宣言 @mat_n175

つまり、政治資金の使い方が適切かどうかを判断するのは、もともと裁判所ではなく、主権者である国民の役割だというのが、政治資金規正法の基本的な立場です。国民が、政治家の金の使い方を監視し、「その使い方はおかしい」と批判することは、「民主政治の健全な発達に寄与する」のです。(続

2016-06-15 14:50:40
まっちゃん@いろいろと緊急事態宣言 @mat_n175

では、なぜ政治資金規正法で、虚偽記載に罰則が設けられているのでしょう? それは、収支報告書に嘘や誤魔化しがあれば、国民は正しい判断ができないからです。裁判所は虚偽記載かどうかの事実認定をしますが、その目的は「嘘をついて国民の判断を妨げた」ことの断罪です。(続

2016-06-15 14:51:13
まっちゃん@いろいろと緊急事態宣言 @mat_n175

「舛添だけ責めて、なぜ石原は見逃した」とか「舛添問題一辺倒の報道は異常」など、メディアの問題点はあるでしょう。政治家でもタレントでも市井の個人でも、次々と標的を変えてバッシングを繰り返す社会の様相への懸念は、私も共有していることを付け加え、連ツイを終わります。失礼しました。

2016-06-15 14:51:29