ラストバレット―Keep under―　アークエネミー.02

ニンジャカタナ！ @NJkatana

こんばんはー！告知の通り、ただ今より自作「ラストバレット―Keep under―」のツイッター投稿を開始します。作者カウントでは数ツイート。@NJkatanaでは全編投稿いたします。もしよければ上記アカウントをフォローしてお気軽にごらんくださいませ٩(๑•̀ω•́๑)۶

ニンジャカタナ！ @NJkatana

また、現在までのラストバレット全編は、下記カクヨムアカウントにてご覧頂けます。こちらもぜひお気軽にご覧になってみて下さいませ٩(๑•̀ω•́๑)۶ kakuyomu.jp/works/11773540…

ニンジャカタナ！ @NJkatana

それでは、本日も約４５分ほど、TLをお借りいたします。どうかラジオ感覚でお気軽にご覧下さいませ！

ニンジャカタナ！ @NJkatana

ラストバレット―Keep under― アークエネミー ――――――――――――――◆ pic.twitter.com/715MvFSJ1x

拡大

ニンジャカタナ！ @NJkatana

だがその時、一発の銃声がその場に響いた。 ノエルは腕に弾丸が当たる寸前に反応。正確に狙い放たれた一撃を回避。 「君だけかい？どうやら僕の読み通り、軍は僕がいることは知らないようだね」 「――違う。これ以上犠牲を出さないために、俺が来たんだ」 「お、お前、なんでここに！？」

ニンジャカタナ！ @NJkatana

炎に包まれた装甲車両の横、硝煙くすぶる拳銃を構えた黒髪の少年――。 俺をＡ級から引きずり落とし、左腕と左足の機械部分を粉砕。俺に多額の借金を背負わせた、ギルドランクＳ級三位――ユウト・キサラギ。 まあ、ほとんど俺の逆恨みだが――。 「へえ――Ｓ級なんだ。君」

ニンジャカタナ！ @NJkatana

ノエルの声。俺は舌打ちする。こいつ、また俺の思考を読みやがった。 「気をつけろ！　こいつは思考を読む。動きを予測されるぞ！」 「――無駄だよ。生き物である以上、行動は思考の後にくる。それは絶対だ」 「ありがとうございます。ラウールさんは出来る限り離れていて下さい――」

ニンジャカタナ！ @NJkatana

三位がもう一つの拳銃を引き抜く。俺は血だまりの中、後方にじりじりと下がる。ノエルはすでに俺に対する興味を失っている。後退する俺には目も向けず、柔らかな笑みを浮かべて三位だけを見ていた。 「どこにでもある、ありふれた銃に見えるけど、実は違う――危険だね」

ニンジャカタナ！ @NJkatana

「反重力子弾。当たればお前達でも死ぬ」 「それで、どうやって当てるつもりだい？　ああ、言わなくてもいいよ――」 ノエルが動く。 「僕と真正面からやり合うつもりなんだろ！？」 三位が飛ぶ。この距離、三位の動きは俺の左目で捉えられる。だがノエルの加速はそれ以上。ノエルの方が速い！

ニンジャカタナ！ @NJkatana

激突する黒と白。 目視では白い影にしか見えないノエルと、左目でなんとか動きを追える三位――ユウト。 ユウトは接近と同時に繰り出されたノエルの手刀を紙一重で回避。すれ違い様、握り込んだ拳銃のグリップで右側面のノエルに一撃を放つ。ノエルは反応、余裕すら漂うタイミングで裏拳を回避。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

ユウトは裏拳の勢いそのままにその場で旋回。右斜め下に位置するノエルに左手で発砲。至近距離で放たれた弾丸はしかし空を切る。予め射線を知っていたかのようなノエルの動き。 恐るべき事に、ノエルは放たれた弾丸に向かって前に出つつ回避。銃撃に対してカウンターを取った。正真正銘の化物――。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

笑みを浮かべながら眼前に迫るノエル。ユウトが捕まる、ジャケットの襟首を掴まれ、引き込まれると同時に反対の手で抜き手を繰り出すノエル。このガキは化物だ。この一撃は、人間の肉も骨もお構いなしに貫通しちまう。だがユウトは瞬間的に右手の拳銃をノエルの抜き手に向かって発砲。ノエルが下がる。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

いかにアークエネミーのノエルとはいえ、生物の重力バランスを崩壊させ、原子分解する反重力子弾を食らえばひとたまりも無い。 しかし退きつつも、ノエルの笑みは崩れない。ジャケットは掴まれたまま。ユウトはノエルの掴んだ腕めがけて発砲を試みる。だがここでもノエルが速い。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

ノエルは掴んだ腕を振り回す。ユウトは空中へ。それはまるで紙切れでも振り回しているかのよう。ノエルはユウトを高速で振り回したあげく、強烈な勢いでコンクリートの地面に叩き付ける。俺が恐れ入ったのはユウトだ。ユウトはここで渾身の受け身。コンクリートにヒビが入るほどの衝撃を受け流す。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

ユウトが動く。ユウトはショルダーホルスターに備えられていたらしいジェットパックを最大噴射。空中へと飛ぶ。同時に伸びた腕に向かって発砲。それは三発。一発は頭部、一発は胴体、最後の一発は脚部へと。ノエルがジャケットを離す。ユウトは空中で伸身回転、ノエルから離れた位置で着地する。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

「アハハハ。さすがＳ級だけあるね、並の傭兵なら、１０人は殺せてるのに」 ノエルの笑みは崩れない。ユウトは受け身を取ったとはいえあの衝撃。ダメージはあるはずだ。俺が心底化物だと思ったあいつでも、アークエネミーには届かねえってのか？ 「――それじゃあ、使ってみてよ。君の、奥の手」

ニンジャカタナ！ @NJkatana

ノエルが笑みを深くする。ユウトの、奥の手だと？ 「アドバンスト・ドライブ。五秒だけ君の身体能力を飛躍的に引き上げる、君の特性――さっきから断片だけ見えていたけど、ようやく繋がったよ。それを使えば、僕に勝てるかもしれないんだろ？」 ユウトは応えない。ただ無言でノエルを見つめる。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

「見せて欲しいんだ。どんな反動があるのかは知らないけど、ね――」 ノエルは笑っていた。その奥の手を使おうと、自分の優位は決して揺らがない。そんな自信に満ちた、ムカツク笑みだった。 「――わかった」

ニンジャカタナ！ @NJkatana

――瞬間、ユウトの瞳が金色に染まり――ノエルの右腕が爆砕した――

ニンジャカタナ！ @NJkatana

何もわからなかった。 だた、周囲の炎を巻き上げる衝撃波は猛烈な爆風となって俺の場所まで届いた。俺は両目を見開いてその光景を見ていた。見ていたはずなのに、ノエルは笑みを浮かべたまま、右腕を粉々に吹き飛ばされていた。 あの崩壊の仕方――反重力子弾を打ち込まれてやがる――。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

「――え？」 ノエルは唖然とした様子で右腕を見た。噴水のように断続的に吹き出す鮮血。その様子は滑稽ですらあった。 「見え、無かった――」 ノエルの左足が吹き飛ばされ、分解される。その体がスローモーションのように地面に倒れ、自身の血だまりを舐める。 勝負は決まった――。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

ノエルの背を蹴り潰し、再び視認可能になったユウトがまっすぐに銃を構える。 　 その瞳は元通りの黒に戻っているが……あいつ、一体何物なんだ――？

ニンジャカタナ！ @NJkatana

「――妹は、ヨゾラはどこだ――！」 激情の籠もったユウトの声。あいつは、妹を探してるのか？ 倒れ伏すノエルは、その言葉にも何の反応も見せていなかった。だが、突然何かに思い当たったのか、どこか穏やかな笑みを浮かべ、その後、すぐに痛苦の表情でユウトを見つめた。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

「そうか、君は――」 そして――。 ――燃えさかる炎と闇の中、一発の銃声が乾いた音を響かせて、消えた――。

ニンジャカタナ！ @NJkatana

――――――――◆