亜里沙のことが大好きな雪穂~短編1「触って、撫でて、抱きしめて」

■あらすじ  最初に、二人をイメージした衣装をことりに作ってもらうことになった雪穂と亜里沙。亜里沙はどうやら雪穂の脚にこだわりがあるようで―― ■登場人物  雪穂、亜里沙、ことり
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亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

亜里沙はいつも物怖じしないで、まっすぐに思ったことを言うんだよね。隣で見ててハラハラすることも多いんだけど、反発されてもしっかり受け止める強さもあるんだ。 実際、亜里沙の言葉はお姉ちゃんたちを何度も動かしている……そう思うんだ。芯が強いっていうのかな

2016-07-17 18:01:54
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

で、今日は急に「雪穂って脚が綺麗だよね!」って言われてびっくりしちゃった。 どう返したらいいんだろって思ってたら、いきなりふとももを触られて……うん、すごい声出ちゃった。 ロシアじゃあれくらいのスキンシップ普通なのかな!? ……私も勢いで亜里沙を触ってもよかったかな……

2016-07-17 18:07:24
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

衣装作りにために正確な採寸が必要って言われて、もしかして私が亜里沙を測ったり亜里沙に測られたりするのかな!? ってドキドキしちゃったけど、結局慣れてることりちゃんにやってもらうことになった。 それはそれで、恥ずかしいけど……ことりちゃんも、理想的なプロポーションだよね……いいなあ

2016-07-19 12:15:17
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

うう……最近亜里沙のお付き合いで和菓子ちょくちょく食べてたからかな……ちょっと増えてた…… ことりちゃんは「まだまだ余裕だよ。変に痩せようなんて考えないで、今は動ける体作るほうが先!」って言ってくれたけど……大丈夫かなあ? 「あと雪穂ちゃんのお尻は武器だよ♡」ってあああうう

2016-07-19 21:32:16
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

最初は私たちにぴったりの衣装を、ってことでことりちゃんが作ってくれたんだけど…… 亜里沙は純白のドレスみたいで、天使そのものだった。あまりに眩しくて、言葉も出なかった。かわいい、なんて言葉じゃとても表現しきれなかった。 可憐だけど元気さも感じる、亜里沙を表現しきった衣装だった。

2016-07-20 06:36:38
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

「どうどう? 雪穂」 なんて亜里沙は無邪気にくるっと回りながら言ってくるんだけど、私はもう完全に見惚れてて、気がつけばいつのまにか喉はからからに乾いてて、最高だよって言ったつもりの声も出ていなかった。 「雪穂? 大丈夫?」 なんて亜里沙は顔を近づけてきて……もう頭は真っ白。

2016-07-20 06:39:29
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

漫画でよく顔から蒸気が噴き出すような表現があるけど、あのときの私は、まさにそんな感じだった。 「雪穂なにも言わなかったけど、すごく幸せそうな顔してたから、たぶん大丈夫かな? って思った」 って、亜里沙にはあとから言われた。 うん、そうだね。最高に幸せだね……亜里沙がいてくれて

2016-07-20 06:42:31
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

私の衣装はというと、フリルがついてアイドルらしさはあるものの、どこかボーイッシュな印象を受けるショートパンツスタイルだった。 まあ、亜里沙みたいなのは私には合わないよね……って思ってたら亜里沙は目を輝かせて「ことりさん……さすが、わかってる……」って呟いてまた脚撫でてきた

2016-07-20 19:25:45
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

「最高だよ! めちゃくちゃ可愛いよ!!」って私には言えなかった言葉をさくっと言ってくれて、まあ、嬉しいやら恥ずかしいやら……なんだけど。 「エロいよ!」ってなに。亜里沙いつのまにそんな言葉覚えちゃったの。まあ絵里さんあたりなんだろうけど! ……えろい……? のかな……?

2016-07-20 19:28:27
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

深い意味はないってわかってるんだけど、昨日の亜里沙のエロいって言葉が脳から離れなくて……亜里沙も、私のこと、そんな目で見ることあるのかなって思うと…… ……亜里沙だったら、悪い気はしないなあ……なんて。見たいなら、もっと見てもいいよ。なんて妄想して悶々としてたら眠れなかった。

2016-07-21 06:40:39
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

練習の休憩中、「私の脚、好きなら、亜里沙なら、触ってもいいよ……好きなだけ」って思い切って言ってみたら、亜里沙は目を輝かせて本当に遠慮なく撫で始めた。 なんだけど、途中からちょっと変な気持ちになってきちゃって、これ以上は無理って止めちゃった。危なかった……声でちゃうところだった

2016-07-21 12:02:50
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

亜里沙に撫でられた感覚がなかなか忘れられない。 帰ってから、何回も自分で同じように撫でてみたけど、ぜんぜん違う。どれだけやっても、あんなに気持ちよ……ん、ん、その、不思議な感じには、ならない。 もし、あのまま止めさせないで、ずっと続けていたら――

2016-07-22 05:51:44
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

これ以上は危ないという気持ちと、もう一回してほしいという気持ちと、どっちも本音。 「また、してもいいよ」なんて言ったら、さすがに、実は触ってほしいんじゃって思われそう。 もう一回亜里沙から「触りたい」って言ってほしい。そうしたら、仕方ないなあってフリをして頷けばいいから……

2016-07-22 05:56:39
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

昨日のドキドキが忘れられなくて、いまさらになって、もしかして私たちは学校でとてもイケナイことをしてしまったのでは、という気分になった。亜里沙を見るだけで顔が熱くなっちゃって、自然に話もできない。うう、意識しすぎなのはわかってるんだけど……

2016-07-22 12:02:32
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

「亜里沙ちゃんと、なにかあった?」 ことりちゃんに呼び出されたかと思ったら、そんなことを聞かれた。そんなに私は不自然だったのか……あうう。 「よければ、言ってみて?」 「その……亜里沙は、私の脚が好き、みたいなんだけど」 「わかる」 「え?」 「あ、うん、続けて?」

2016-07-22 12:08:51
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

「それで、亜里沙ならいいかなって思って、好きなだけ触らせてたんだけど……その、変な気持ちになってきちゃって……」 「気持ちよかったんだ?」 「あう……う、うん」 「雪穂ちゃんは、亜里沙ちゃんのことが大好きなんだね♡」 「ふええっ!?」 この怒涛のような恥ずかし攻めだ。

2016-07-22 12:14:44
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

「好きな人に触れられて気持ちいいのは普通だよ。亜里沙ちゃんをしっかり受け入れる気持ちができてる証拠! 恥ずかしいことじゃないよ♡」 そう、なんだ。 「……ことりちゃんも、そういう経験が?」 「さて、どうかなあ?」 聞いてみると、ことりちゃんはくすくすと笑った。 大人、だなあ……

2016-07-22 12:18:26
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

亜里沙のことが大好きで。亜里沙を受け入れる気持ちができていて。だから恥ずかしいことじゃない、と。なるほど、うん。 …… 気がつけば、余計に意識してしまって、顔もまともに見ることができなくなってしまっていた。 「雪穂? 大丈夫?」 「……う……うん」 大丈夫、じゃない。

2016-07-22 20:19:31
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

亜里沙はじっと私の顔を見つめてくる。近い。私は目を合わせることもできずに、横を向いてしまう。 「雪穂」 少しボリュームを落として、亜里沙は、私の耳元に。 「……また、触ってほしい?」 「!?」 そんな、ことを、言った。

2016-07-22 20:24:36
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

「触っていい?」じゃなくて、「触ってほしい?」だ。亜里沙は、私のことなんて、全部、見ぬいているのだ、ろうか。なにもかも、筒抜けなんだろうか。 驚きと、恥ずかしさと……なんだかわけがわからない感情でいっぱいになって、私は、私はただ。 「……」 なにも言わず、小さく首を縦に振った。

2016-07-22 20:26:15
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

「……っ、あっ」 今回はこの行為の『意味』を認識していたせいか、最初から感覚はまったく違っていた。声は、抑えきれなかった。 「雪穂、かわいい」 亜里沙は必死に堪える私を見て、微笑んだ。恥ずかしさに消えてしまいたくなったけど、それでも、やめさせることはできなかった。

2016-07-23 07:28:44
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

亜里沙は、慈しむように私の脚をゆっくりと撫で続けた。他のことは、なにもしなかった。でも、これが、ただのじゃれあいなんかじゃないことは、明らかだった。 「うん! ありがと!」 やがて亜里沙は満足したのか手を離し、隣から私に寄りかかってきた。 私はもう、脳がとろとろに溶けきっていた。

2016-07-23 07:34:37
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

きっと私たちはとんでもなくおかしなことをしているという恥ずかしさ、亜里沙に恥ずかしいところを見られてしまったことによるある種の高揚感、なによりこの甘く痺れるような快感が、ごちゃまぜになって、思考は止まっていた。 しばらく二人、無言のまま寄り添う。私の吐息が落ち着くのを待つように。

2016-07-23 07:42:56
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

落ち着いてくると残るのはやっぱり圧倒的な恥ずかしさで、消えてしまいたい。逃げ出さずにすんだのは、ぴたりと寄り添う亜里沙がいつもどおりにこにこと微笑んでいたからだ。火照っている体に、少し冷たい亜里沙の腕が気持ちいい。 「ね、雪穂」 静かに、亜里沙が囁く。 「雪穂も、触ってみる?」

2016-07-23 20:27:21
亜里沙のことが大好きな雪穂 @yukiho_0_arisa

「え……えっ!?」 「このままじゃ不公平だよね?」 「い、いや、そんな、私は」 「どこでもいいよ……好きなところ」 「……」 ごくり。 思わず、唾を飲み込んでしまった。亜里沙は、とんでもないことを言っているということを、わかっているのだろうか。

2016-07-23 20:28:24