オンナトモダチ【あきら編】

白色 @whiteeighter

76 「私、ゆうとくけど大倉くんのこと好みちゃうよ？」 『ハッキリゆうなや！笑』 「まだ村上さんの方がタイプやな」 コンコン 《そらどうも笑》 『…お疲れさまっす』 「ちょ！退いて！」 『なんでよ』 「いやいや村上さん見てるやん//」 #オンナトモダチ

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77 ロッカーの前で迫る体勢のまま 言い合う俺らを 店長は気にもせずパソコンに向かって仕事してる 『ああぁ、くっそ…次のバイトいかなあかん…！』 「おつかれー」 《おつかれさーん》 泣く泣く１人でスタッフルームを後にする あきらさんて思ったより #オンナトモダチ

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78 胸あるしくびれてるし… あと 可愛いよな。 そんな事を考えてレストランに向かう俺を除け者にし あきらさんと店長があの後話していた内容は 知る由もない ＿＿＿ 《…今日はどないすんねん？大倉んとこ行くんか？》 私の方を見ずに #オンナトモダチ

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79 村上さんに声をかけられる 「とりあえず荷物は大倉くんの部屋なんで」 はあ、と大きくため息をついた後 私を見据える 《そもそも俺が千夏を落とすためにお前の気持ち利用したとこあるし、ヨコのことも俺の責任でもあるやろ》 「…？いや別にそんな」 #オンナトモダチ

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80 《タイプはヨコとは違うけど、大倉もあきらが知らんようなしっかりしたとこあんで》 「ただのチャラ男じゃないんですか？笑」 《あいつパッと見育ち良さそうやろ？》 まあ確かに、あんま物事深く考えてなさそうなとこは世間知らずの坊ちゃんぽいな #オンナトモダチ

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81 《確か父親はでかい会社の社長さんやねん。面接の時にそんな話になってな》 へぇー…だからあんな豪華なタワーマンションに住めるのか 《せやけどあいつバイト掛け持ちしとるやろ。なんでやと思う？》 「そういえば…確かに。おぼっちゃまの社会勉強とか？」 #オンナトモダチ

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82 《何もかも長男に押し付ける古い考え方の親が嫌いらしくてな。今の部屋は親の名義やけど、金貯めて学費やらと合わせて返済するつもりらしいわ。》 「でも、ご両親は息子に跡ついで欲しいんじゃ…」 《弟がおるんやて。そいつは経営学んで跡つぐ気でおるのに》 #オンナトモダチ

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83 《親御さんも親族も長男のあいつに、って言うて弟さんのこと蔑ろにするんやて。ほんでまあアイツが強硬手段で…こうやってフリーターしてるとか》 「…そうなんですね。大倉くんも大変やな」 村上さんはクスッと笑って 《お前ほら、苦労人すっきゃろ笑》 #オンナトモダチ

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84 「苦労人が好き？！」 《ヨコもほら長年の片思いに苦労して不憫なとこがツボやってんやろ？笑》 「ち、違いますよ！！なにそれ笑」 村上さんは爆笑しだす 《まあ大倉と付き合えとは言わんけど、わりかしええやつやで。ヨコよりしっかりしとるかもな笑》 #オンナトモダチ

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85 「きみたかのことは…もういいんですってば！関係ない！」 《はいはい、ほなさっさと帰りー》 追い出されるようにして店を出たあと この前みたいにスーパーで買出しをして部屋で晩御飯を作った でもなぜか なんとなく居心地悪い 「…よっし！」 #オンナトモダチ

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86 『いらっしゃいま……あれ』 「今日何時まで？」 部屋から近い大倉くんのバイト先のレストランに来た 『あと１時間やけど…どうしたん？腹減ったん？』 「うんまあ、そんなとこ。肉食べさせて」 席に案内され"スペシャル熟成ビーフセット"を注文してみた #オンナトモダチ

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87 『お待たせしました〜』 スペシャル熟成ビーフセットを運んできたのは大倉くん 「この後ちょっと顔貸してくれへん？」 『…え。なに俺なんかした？』 あからさまにビビってる 「内緒ー」 『えー…なんなんめっちゃ怖いわあ』 「肉食って待ってるわ笑」 #オンナトモダチ

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88 えぇ〜なんなん〜、とブツブツ言いながら仕事に戻った あ、客に逆ナンされてる めっちゃニヤニヤしてる 逆ナンされるのが似合う男やなほんま 「…もぐもぐ……美味しいなこれ」 苦労人、ねぇ… 村上さんの話を思い出しながら見つめる #オンナトモダチ

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89 『あきらさーん俺上がりやけど？中で話す？』 「んーと…外で待ってる。」 『はいはーい着替えてくるね』 ポンポンと何気なく頭を触られる 慣れてるなあほんま ＿＿＿ 『LINEで連絡くれたら終わる時間ゆうたのに。家で話せたやん？』 #オンナトモダチ

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90 2人でコンビニでお酒とおつまみ調達した帰り道 「うーん。なんかな…待ちきれんくて」 『俺を？♡』 「うん」 『…は？！なんなん、どうしたん』 「１回、私と付き合ってみーへん？」 『…え？付き合うって恋人てこと？』 「そう」 #オンナトモダチ

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91 『俺のバイト先まで来て？マジ告白？』 大倉くんは驚いていて 疑ってる 「悪い？」 まあ自分でも信じられへんけど 『いやおかしいやん！あーさては店長となんかカケしてる？俺があきらさんに落ちるかどうか…とか笑』 でも…… 「もういい」 #オンナトモダチ

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92 「あんたみたいなチャラ男やっぱり嫌いや！もー帰るっ！！」 お腹をグーでパンチして ダッシュで逃げ帰る 走って走って あれ 私なにこれ 悲劇のヒロインぶる女とか一番嫌いやねんけど なんやろう泣いてるな。私。 汗かいて働くのは得意やけど #オンナトモダチ

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93 男の前で泣くのは苦手やねん… ＿＿＿ わっけわからん なんか俺最後殴られたし あれカケやなくてほんまの告白やったん？ なんかもう探し回るんとかめんどくさい 疲れてるしめんどいけど… 心配でしゃーない。 これやから本気の恋愛なんて 嫌やねん #オンナトモダチ

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94 頭ではめんどくさいことに巻き込まれたって思ってんのに 体は走り出してた 近くのネカフェとかファミレス、コンビニ…夜遅くにあいてそうなところを探すけど見つからへん 「あー…ほんっましんどい… なんやねん、もー帰るて……」 …ん？ #オンナトモダチ

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95 あいつ帰るって…叫んでたよな？殴る前 どこへ？ 帰るんやったらそんなん 俺んち以外にない…はず いやでもあの女がそんな可愛いことするか？ とりあえず一度マンションに戻ってみることにした ガシッ 急に羽交い締めにされる 『うわあああっ？！』 #オンナトモダチ

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96 「オークラアァ！おそーいっ！」 よく見るとあきらさんで 『………なにしてんのか聞いてええ？』 「えー飲んでた♡」 『…部屋入らんとこんなマンションの前の階段で？』 「鍵あんたに渡したまんまやったもーん」 『……』 「かんぱあい♡」 #オンナトモダチ

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97 『もーええわ…部屋はいろ…』 「うん♡はいる♡♡」 なんて言って腕にまとわりついてくる 『ちょ、語尾のハートマークやめてや』 「なんでー？」 …あと胸押し当ててくんのもやめて// 「んふふー♪」 降りてきたエレベーターに乗り #オンナトモダチ

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98 『なーぁ？』 ドンッ 壁に追い詰めたった 「んー？」 『顔あげて？』 チュ…ッ 「なにこのキス。挨拶？笑」 徴発的な目で言われるから 『いーや？ さっきの返事。 続きは……部屋でな？』 #オンナトモダチ pic.twitter.com/fmiQx8OSoZ

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99 部屋に入りそのまま寝室へと酔っぱらいを運ぶ 「私重いよー？」 『まじでしんどい…めっちゃ走ったから』 そんな重ないけどな 「おーくらは！優しいようで冷たいようで優しいな！？」 だきかかえてベッドに下ろした 『…そんな俺が好きなんやろ？』 #オンナトモダチ

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100 押し倒してあきらさんの顔の横に手をついた 「…うーん多分」 『おい！笑』 口ではそんなん言いながらも いつもより上気した頬が いつもより潤んだ目が 俺を誘う 「大倉くんは…誰が好きなん？」 『別に？みんな好き』 「……嘘つき」 #オンナトモダチ