枇杷先生が語る、剖検検体から造血器腫瘍の診断がどの程度できるのか問題(枇杷先生特別講義 番外編)
@loquat_priest 死後の剖検/病理解剖で、血液疾患(急性白血病、骨髄増殖性腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄腫、etc…)の診断や病型ってどれくらいわかるものですかね?
2016-07-30 11:39:49@m0370 「ホルマリン固定標本だけで血液疾患の診断がどれだけできるか」とほぼ同じ質問になりますね。ただ剖検の場合、生体ではできない全身の病理組織学的検索や臓器全体の評価が可能なので、その分のメリットがプラスになります。
2016-07-30 17:23:08@m0370 リンパ腫の場合、剖検時に提出された組織でも染色体や遺伝子の検索は可能(ただし後追いは不可)なので、生前から疑ってて十分な検索ができれば、剖検の方が診断に必要な情報はむしろ多く得られると思います。
2016-07-30 17:28:07@m0370 骨髄腫では、現在のところ腫瘍細胞の分子生物学的な情報は診断や分類に必須ではないので、やはり剖検でも十分な診断が得られると思います。
2016-07-30 17:31:55@m0370 問題は骨髄系腫瘍です。まずAMLは、AMLだという診断はできても、それ以上の分類は基本的に細胞形態や染色体異常に依存しているので、かなり困難でしょう。
2016-07-30 17:37:23@m0370 MDSは、AML以上に「MDSかどうか」の診断に形態が決定的な役割を持つので、よほどはっきりした異常がみられる場合を除いては、疑いのレベルに留まると思います。
2016-07-30 17:47:15@loquat_priest ありがとうございます。剖検からの診断は、リンパ腫◎、骨髄腫◎、AML△(AMLという診断はできても病型は困難)、MDS✕ということですね。CMLもAMLと同じ感じでしょうか?あと染色体異常(Ph等や転座)の判断は無理ですね?
2016-07-30 20:07:33@m0370 途切れ途切れですみません。MPNは、骨髄線維化や髄外造血が逆に検索しやすくなるので、骨髄線維症は割といけるでしょう(ただし他のMPN/MDSとの合併の除外は困難)。真性多血症や本態性血小板血症だと末梢血所見の方が鍵で、骨髄はそれに矛盾しないことの確認になります。
2016-07-30 21:32:53@m0370 CMLは疾患概念がもうt(9;22), BCR-ABLと同値になってしまってるんで、いかにそれを証明できる検体が得られるかにつきます。方法はいろいろです。極端な話、骨髄の永久固定標本からでも、ある程度の質のDNAはとれてPCR動かせますから。
2016-07-30 21:39:04だいぶ前にやったやつ。まだ連ツイに青臭さがありますねw 臨床レベルの染色体検査まとめ - Togetterまとめ togetter.com/li/570391 @togetter_jpさんから
2016-07-30 21:43:28なるほどDISHだと普通の顕微鏡で見れるのか便利だなFISHだとfluorescenceだから蛍光顕微鏡室に行かないといけないし見てるうちに蛍光色素が反応して光が落ちてくるからめんどくさいんだよなまぁそんな気になるほどではないんだけど
2016-07-30 22:06:57白血病の転座ってどの手法で見るのがスタンダードなんだろう?FISH法ならホルマリン固定標本でもできるはずだから死後剖検検体でも問題なさそうだけど。
2016-07-30 20:16:29@hiyo_p 例えば乳癌胃癌のHER2は永久標本からの検索とか割と普通にやるんですが、増幅と転座とはまた前処理の影響の出方が違うんでしょうか?
2016-07-30 21:56:50