浪江町のこどもの染色体検査をめぐって

NHK仙台放送局制作 クローズアップ東北 2013年9月27日(金) 午後7:30-7:55「被ばくの不安をなくすために 福島・浪江町の染色体検査」 https://t.co/czlPdvm5io (動画なしですみません) NHK総合 ニュースウォッチ9 2013年9月27日(金)午後9:00- ピックアップ動画「被災地の子どもたちに染色体検査」http://bit.ly/1bhK5pg 番組全編の動画: http://www.dailymotion.com/video/x159qho_被ばくの不安をなくすために-浪江町の染色体検査_news (URL全体をブラウザーのURLウィンドウにコピーしてください)
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二十人のろの夢 @drsteppenwolf

弘前大学が浪江町の子ども約800人を採血して染色体検査をするんだ。やっぱね。 →クローズアップ東北 2013年9月27日(金) 「被ばくの不安をなくすために 福島・浪江町の染色体検査」 https://t.co/czlPdvm5io

2013-09-27 07:10:44
山本祥寛 @yoshihiroyama

@drsteppenwolf 掘り起こさなくていいもの(放射能に関係ないもの)を掘り起こした時にどうするかの方針は決まっているのかなと心配になります。

2013-09-27 08:28:30
二十人のろの夢 @drsteppenwolf

【ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針】(文科省・厚労省・経産省)PDF http://t.co/tUoN5MPSkF

2013-09-27 08:08:59
二十人のろの夢 @drsteppenwolf

日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」の概要 http://t.co/JR0dmPQZpO

2013-09-27 08:13:56
二十人のろの夢 @drsteppenwolf

遺伝子検査を受けるんならこれ読んでからね。 →「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(日本医学会 2011 年2月)PDF http://t.co/Xlb9XwCvZ7

2013-09-27 08:17:36
Tomato(トマトママ) @DingTomato7

@drsteppenwolf  とっても重要なことですよね。きちんと遺伝子検査の意味するところ、知ったことによる様々なデメリットも理解して、受ける受けない(受けた結果を知る、知らないでおくという選択も含めて)決めたほうがよいということ。知ってしまったら知らないには戻れないから。

2013-09-27 09:10:09
二十人のろの夢 @drsteppenwolf

遺伝情報に関しては、「被検者および被検者の血縁者に社会的不利益がもたらされる可能性があること」は知っておいて欲しい。(このPDF http://t.co/SbX92GVxL3 のp3-4) http://t.co/m149G4TAel

2013-09-27 08:25:03
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二十人のろの夢 @drsteppenwolf

未成年者に対する非発症保因者の診断や,成年期以降に発症する疾患の発症前診断は,本人が成人し判断できるまでするなとなっているんだけど、どうすんべ。まあ、なしくずし。(このPDF http://t.co/SbX92GVxL3 のp5) http://t.co/b3iwOROUNb

2013-09-27 08:31:51
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二十人のろの夢 @drsteppenwolf

甲状腺検査といい、遺伝子検査といい、子どもの人権がないがしろにされているんじゃなかろうか?

2013-09-27 08:32:59
二十人のろの夢 @drsteppenwolf

まあ、科学の発展のためには、しょうがないか... 【毒】

2013-09-27 08:34:58
二十人のろの夢 @drsteppenwolf

浪江町の子ども約800人を採血して、リンパ球の染色体の転座を調べて被曝量を推定する(M-FISH法)。検出限界は200mSvと言われている。

2013-09-27 12:19:10
二十人のろの夢 @drsteppenwolf

やっぱ、「検出限界の被ばく線量は約200ミリシーベルトです。」とある。 →Q&A 染色体異常どのように調べる | 福島民報 http://t.co/YV5swfDswS

2013-09-27 12:20:44

(少し脇道)

mizuki_kanna07409🐰おーん @kanna07409

あー、200ミリも浴びてないでちゅよ(ToT)

2013-09-27 12:23:39
😷kissy👏💉x6 @lr_ishy

@kanna07409 ずっこけました。ひどいオチ。。。

2013-09-27 12:39:04
二十人のろの夢 @drsteppenwolf

@kanna07409 @rkishy 年間10mSv程度の被ばくを受けた住民での二動原体の発生頻度を調べたいんだと思うよ。

2013-09-27 13:03:24

ヒトの染色体の形を蝶結びのリボンに例えると、中央の結び目にあたるのが動原体です。細胞分裂の際、ここに動原体微小管(繊維状のタンパク質複合体)が結合して2つの染色分体を核のあっち端とこっち端に引き離す重要な構造です。
http://www.biological-j.net/blog/細胞分裂010.jpg
動原体を境にして、1つの染色分体は長腕と短腕の2つの部分に分かれます(長腕と短腕の長さのバランスは、ほとんど同じものから目で見てあきらかに差があるまでさまざまです)。2個の染色体が腕の端どうしで結合すると、動原体が2つある異常な形の染色体が顕微鏡で観察されます。これが二動原体染色体で、転座(染色体の一部がちぎれた断片、あるいは全体が別の染色体と結合することhttp://bit.ly/1eLEB6C )と呼ばれる染色体異常の一種です。

染色体の腕の端にはテロメアと呼ばれる構造があり、この部分のDNAは同じ短い塩基配列が数千回以上繰り返される特殊な構造を持っていて、細胞分裂のたびに少しずつ短くなり、長さが一定限度に達するとそれ以上細胞は分裂できなくなります。普通の状態ではテロメアDNAにはタンパク質が結合していて、DNAが裸になることはないのですが、たまたまテロメアDNAの2本鎖が放射線により2本とも切断されタンパク質が結合していない状態で同じように2本とも切断された別の染色体のテロメアDNAの2本鎖に結合して一続きになると、ニ動原体染色体が生じます。

[2013.9.30追記]
二動原体染色体は染色体のDNA2本鎖の切断がテロメアよりも動原体に近い所で起こった場合にもできます。一般にはDNA2本鎖の切断により、動原体を含む大きい断片と動原体がなく腕の部分だけの小さい断片ができます。2個の染色体で2本鎖DNAの切断が生じたあと、小さい断片が同時に起こった切断で生じた別の染色体の動原体を含む断片に再結合した場合が相互転座で、この場合染色体の総数は変わらず、すべての染色体は動原体を1個ずつ持ちます。これに対し、動原体を含む大きい断片同士が再結合してしまった場合には動原体を2個持つ二動原体染色体ができ、これにより染色体の総数は二動原体染色体が1個できるたびに1個減ることになります。
[追記ここまで]

[2013.9.30再追記]
相互転座の染色体は切断と再結合後も1個の染色体の中に動原体が1個のままなので、正常に複製を続けて分裂後の細胞にも正常に分配され受け継がれて行くため細胞分裂が繰り返された後でも観察することができ、安定型染色体異常に分類されます。これに対し二動原体染色体は1個の染色体の中に動原体が2個ある異常な構造を持つため、細胞分裂により消失して行き、不安定型染色体異常に分類されます(染色体の切断後、動原体のない断片部分が動原体のある別の断片に再結合できなかった場合も、細胞分裂により消失して行きますので不安定型染色体異常に分類されます)。
放射線と染色体異常についてはATOMICAにもこの番組で取り上げられなかった情報も含めた解説http://bit.ly/16CD3cQ がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
番組全編の動画(リストの説明文にリンクを引用)を見てみると、6分30秒付近から検査方法の説明が始まりますが、画面に出て来る結果例=2色に染め分けられた染色体は相互転座を起こした動原体1個の染色体です。7分過ぎからはさらに「放射線によってこのような変形をした染色体は、ほぼそのままの数で体に残ります。そのため変形した染色体の数を調べることで健康に影響があるかどうかの目安になります」とナレーションが入り、今回の検査に使われたのは安定型染色体異常である相互転座を検出する方法であることがわかります。
(「2色に染め分けられた染色体」という基準には、理屈の上では二動原体染色体もあてはまりますからもし存在していたら見つかっていたはずですが、今回の検査で実際に見つかったのかどうかは番組ではふれられていません。放医研が環境省に提出した報告書によれば「ニ動原体染色体の半減期は3-4年だが、それ以後でも検出は可能」とされています)

染色体の切断と再結合が起こる原因は、放射線以外にも、タバコや大気汚染、活性酸素などがあります(詳しくは上で引用したATOMICAの解説をご覧下さい)。活性酸素が原因の切断・再結合で生じた染色体異常は、どんな人でも年を重ねるにつれて累積していきます。これは自然放射線により生じる異常でも同じことです。従って、自然放射線による染色体異常の数=バックグラウンド値は年齢ごとに求めておく必要があります。番組のナレーションでも7分29秒付近から「10歳のこどもの場合、1400個の細胞のうち変形した染色体が2個までは正常の範囲内です」と年齢を限定して判定の基準値を説明しています。
[再追記ここまで]

二動原体染色体の見える顕微鏡写真の実例がこの資料http://bit.ly/187GS6P のp.7-8にあります。白黒写真で黒く見える矢印がさしているのが二動原体染色体、最後の1枚の写真で白抜きの矢印がさしているのは正常な染色体の腕がたまたまねじれて異常な形に見えているものです。

😷kissy👏💉x6 @lr_ishy

@drsteppenwolf @kanna07409 うーーん、被曝量がはっきりわかっていれば相関見られるけど、初期被曝がはっきりしない人たちの調べて、意味あるんでしょうかねぇ。医療被曝で調べればいいような気はするけど(被曝量はっきりしているから)。

2013-09-27 13:16:31

(脇道ここまで)

二十人のろの夢 @drsteppenwolf

情報公開クリアリングハウスのPDF http://t.co/5QlUvDNpcn の13ページには、「100mSv以下の放射線被ばくでも二動原体数が1000細胞中2個以上ある被験者をスクリーニングしてくることが重要」と書いてある。

2013-09-27 12:31:40

p.13の関連記述引用:従来、ニ動原体染色体分析による放射線被ばく影響の検査は、検出限界が200 mGy程度とされている。現在、放医研生物線量評価室は、検出限界100 mGyの線量効果曲線を有し、独自の研究により200 mSv程度の被ばくでもニ動原体染色体が有意に増加していることが判明している(非公開データ)。またニ動原体染色体の半減期は3-4年とされているが、放医研生物線量評価室における低線量被ばく事故調査および年次検診結果から、被ばく後数年を経ても検査が可能であることが示唆されている。さらに、二動原体染色体の頻度のバックグラウンド値(通常の地域に住み、自然放射線以外に特に放射線被ばくを受けていない人での値)は1000細胞に0.5個程度と言われている。一方、100 mSv浴びた人の二動原体数は1000細胞中の2-3個と言われている。以上を考慮すれば、100 mSv以下の放射線被ばく(自然放射線を除く)でも二動原体数が1000細胞中2個以上ある被験者をスクリーニングしてくることが重要である。

(まとめ主注:バックグラウンドで0.5個/1000 細胞が100 mSvの追加被ばくでも2-3個/1000 細胞までしか増えないとすると、これを100 mSv以下の追加被ばく線量の推定法として使用するのはかなり無理がありそうな気がするのですが。福島県の県民健康管理調査による事故後最初の4カ月間の外部被曝線量の推計結果最新版(2013年7月31日現在)http://bit.ly/187HRUE p.2によれば相双地域の最大値は25 mSvで、p.9にある市町村別分布表によれば15 mSv以上の人がいるのは浪江町と飯舘村だけですから、最大値の人はこのどちらかに住んでいたことになります。浪江町で今年7月31日現在で推計結果通知を受けた11273人中、10508人すなわち93.2%が2 mSv未満で、10 mSvを超える人はわずか46人。ここにさらに検査時点までに年間1 mSv程度の上乗せがあったとしても、バックグラウンドを超える人が実際にどれだけ出るでしょうか)

二十人のろの夢 @drsteppenwolf

年間10mSv程度の被ばくを受けた住民で、二動原体の発生頻度(1000細胞中、何個か?)を調べたいわけね。了解。 →(PDF http://t.co/5QlUvDNpcn の27ページ)

2013-09-27 12:39:19

p.27の関連記述の引用:バックグラウンドレベルの二動原体の発生頻度は1000細胞中0.5個程度と言われており、これと1000細胞中3個程度の試料を比較分離することは、従来法、すなわち熟練した研究者が目視によって観察したとしても容易なことではないと思われる。
(中略)
今回の事業では、委員会の指摘にもあったように、いわゆるポジティブコントロールの調査は行えなかった。職業被曝を受けている者、CTや放射線治療を受けた者、ブレオマイシン(注:抗癌剤)等の薬物投与を受けた者などの調査は非常に重要である。これら該当者の血液試料において、どの程度の二動原体染色体が発生しているのか、そしてそれがどの程度の期間観察されるのかなどを把握しておくことは、科学的な染色体調査には必要不可欠である。東日本大震災に伴って発生した原子力発電所の事故を取材した者にニ動原体染色体が発見され大きく報道された事例があったが、その後この取材者は事前にCT検査を受けていたことが判明している。その頻度と、例えば年間10 mSvの被ばくを受けた住民における頻度には、どの程度の違いがあるのか。これは1つの例に過ぎないが、広汎な調査データに照らし合わせて評価することが住民の調査を実施する上で重要であると考えられ、今後そのための調査研究が行われることに期待したい。

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