ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ 【8:オヒガン・シナプシス】 #1

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「姑息な真似を!」アガメムノンは瞬時にデン・スフィアを打ち消し、UNIXに向かって片手を翳した。たちまちUNIXは小型のドーム状電磁バリアに覆われる。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは月ガラスを蹴り、トライアングル・リープした。スフィアを止めることができればそれで十分だ!

2016-07-31 23:46:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAASH!リープ・トビゲリを防いだアガメムノンはニンジャスレイヤーにチョップを繰り出す。「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはチョップを打ち返す。目にも留まらぬ速度のチョップ応酬!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」

2016-07-31 23:50:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

近接距離であればデン・スリケンは放てない。比較的これはニンジャスレイヤーの間合いであるが、「ヌウッ!」ニンジャスレイヤーはセンコめいた残光を閃かせて真後ろを向いた。電気じみた速度で後方タタミ4枚距離に移動したアガメムノンがデン・スリケンを放つ!「イヤーッ!」KABOOM!

2016-07-31 23:52:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」ヌンチャクが一瞬遅れ、稲妻が死神を焼いた。右胸に穿たれた穴から銀の光が漏れ出た。「その忌々しいカラテ・エンジンを!」アガメムノンがワン・インチ距離に移動し、デン・ダガーを繰り出した。「直接破壊する!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは左掌を貫通させて阻んだ!

2016-07-31 23:55:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スウーッ!ハアーッ!」ニンジャスレイヤーは刺突を押し留め、電熱に苛まれながらチャドーを行う。内なるギンカク、ナラクの中のヤリオブザハントがチャドーに応え、同一IP上のアンコクトンを引きずりだして黒炎の種に変え、かりそめに傷を塞ぐ。アガメムノンは逆の手を掲げ、雷光を輝かせた。

2016-08-01 00:00:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」アガメムノンは白熱するチョップでニンジャスレイヤーの首を刎ねに行った。ニンジャスレイヤーは腰に引き絞った右拳を突き出した。「イヤーッ!」……時間が凝縮し、白いチョップと赤黒のジキ・ツキがお互いの身体を目がける……「グワーッ!」KRAAAAAASH!

2016-08-01 00:05:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

吹き飛ばされたアガメムノンが月ガラスに叩きつけられ、表面をノイズが走った。ニンジャスレイヤーは追撃を行えなかった。がっくりと膝をつくと、右胸を塞いでいたかりそめの炎が失せ、血が溢れ出した。一方アガメムノンは爆発四散して真下の床の上に瞬間移動し、死神に憎悪の眼差しを向けた。

2016-08-01 00:09:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「虫酸が走る……貴様ごとき邪霊が我が世界に毒を落とすさまに」アガメムノンは両手それぞれに稲妻の剣を作り出した。「私がどれほどの時を費やしてきたかわかるまい。私が母体から生を受けるよりも遥か以前から、鷲が、人類が、オヒガンのケオスによってどれほど辛酸を舐めてきたか、わかるまい」

2016-08-01 00:14:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アガメムノンは全身に稲妻を走らせながら、一歩一歩、歩みを進める。ニンジャスレイヤーはチャドー呼吸を繰り返し、そのさまを見つめる。ジキ・ツキは入った。アガメムノンが万全であれば、あの距離からデン・スリケンを撃ってニンジャスレイヤーを殺す。だがそれができぬゆえ、双剣を作り出した。

2016-08-01 00:17:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「私は遥か過去よりオヒガンと戦い続けてきた。人が人として完結する為に、かのケオスは百害。鷲の支配こそが唯一の正道だ。……ニンジャを殺す者だと……?」アガメムノンは輪郭を保とうと努めている。それがわかる。爆発四散した肉体を稲妻に変えて再構成した。そのダメージは絶対に重い。

2016-08-01 00:25:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スウーッ……ハアーッ……」「ニンジャを殺す者よ。我こそは鷲の王。ケオスの侵食を阻む為、絶対悪たるオヒガンを切断し、以てニンジャを消去する有資格者なり。無軌道殺戮者よ。お前の行為は不完全である。真にお前の目的の完遂、ニンジャ殲滅を望むならば、ただ王の前に首を晒し、道を開けよ」

2016-08-01 00:34:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アガメムノンは双剣の一方を突き出し、一方を振り上げた。抵抗あらば突き出した剣で捌き、振り上げた剣で真っ二つに殺す構えである。「……人類が舐めたオヒガンの辛酸か」死神はチャドー呼吸の中から声を発した。「徹頭徹尾わからぬ。興味も無し。だが、オヌシの行いはわかるぞ。ニンジャよ」

2016-08-01 00:44:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」アガメムノンは稲妻の剣を振り下ろし、膝をついたままのニンジャスレイヤーの首を叩き落としにゆく。死神は身を沈め、うつ伏せに倒れ込む。力尽きたか?否!否!それは極めていびつなカラテの最初の一手だった!「イヤーッ!」地を這う蛇めいて、彼は床すれすれのチョップを繰り出した!

2016-08-01 00:49:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チョップはアガメムノンの足首にわずかに届かぬ。否!チョップ手はその実、ヌンチャクを親指で挟み込むように握る奇妙な構えであった。ヌンチャクがイアイめいて繰り出され、アガメムノンの足首を破砕した。「グワーッ!?」ニンジャスレイヤーは昇り竜じみて螺旋を描きながら身を起こす。回転。

2016-08-01 00:53:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

足首。脇腹。肩。側頭部。蛇……否、龍が獲物に巻きつきながら這いのぼるがごとき連続打撃が、下から上へアガメムノンを襲った。右胸から溢れる赤黒の血は燃えながら螺旋の軌跡を描いてアガメムノンを取り囲み、燃え上がった。ニンジャスレイヤーは既にアガメムノンの上空にいる。

2016-08-01 00:58:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イイイ……」死神は上空で強引にキリモミ回転した。「イイイイヤアアーッ!」回転の中からフックロープが放たれた。その直後、パアン!奇怪な破裂音が轟き、アガメムノンが飛沫めいた電光を散らし、猛烈な衝撃におののきながら痙攣した。「グワーッ!」その頭部にカギつきフックロープが巻きついた。

2016-08-01 01:01:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウウウ……」ニンジャスレイヤーの背中に縄めいた筋肉が盛り上がった。空中で彼はロープを背負い投げた。アガメムノンの体が空中に跳ね上がる!「グワーッ!」アガメムノンに抵抗する力はない。彼は内側から爆発を繰り返している。死神は鷲の王ごと、ロープを……「ゥWasshoi!」叩きつける!

2016-08-01 01:10:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーがアガメムノンを叩きつけた先は、電磁バリアに覆われた複合UNIXデッキであった。KRAAAAAASH!バリアを飲み込みながらアガメムノンはUNIXデッキに衝突!KRA-TOOOOOOOM!UNIXデッキは爆発四散し、ロープが千切れ、アガメムノンの体が跳ね返った!

2016-08-01 01:12:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

死神は赤黒の血の軌跡を残しながら、連続バック転でアガメムノンを追う!「Wasshoi!Wasshoi!Wasshoi!」そして、飛んだ!「……Wasshoi!」斜め上一直線のドラゴン・トビゲリが腹部に突き刺る!「グワーッ!」その時UNIXの爆発がジェネレータに届き、誘爆した。

2016-08-01 01:16:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドクロめいた月はネオサイタマの騒乱を見下ろし、「インガオホー」と呟ZGGGGGGTOOOOOOOOM!KRA-TOOOOOOOOM!KABOOOOOOOOOOM!DOOOOOM!DOOOOOOOM!DOOOOOOOOOOOOOOM!月が巨大な爆炎を噴き上げた!

2016-08-01 01:18:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

爆発と粉塵が真空中に流出するなか、ニンジャスレイヤーとアガメムノンも宇宙の闇に放り出された。(アバババッ)アガメムノンは自らの内なる稲妻に焼き滅ぼされながら真空中で叫んだ。(アババババババーッ)ニンジャスレイヤーの目が赤く燃え上がった。(イヤーッ)スリケンを後ろに投げ、飛んだ。

2016-08-01 01:23:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

直径10メートルほどの稲妻の球体が展開した。その中央に、滅びゆくアガメムノンの身体があった。アガメムノンは月の重力から解き放たれた。ゼウスの力は彼を地球に逃がしてくれる。あの時のように。……ナムアミダブツ……ニンジャスレイヤーは既に稲妻球体の内側に入り込んでいた。

2016-08-01 01:26:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「私はネオサイタマに帰る。必ずだ」ニンジャスレイヤーは決断的に言い放った。「だがオヌシは殺す」「オ……ノ……れ」大気が充満した球体内で、アガメムノンは目を剥き、ニンジャスレイヤーを見た。そして、なおも決断的に振り上げられた拳を。「イヤーッ!」拳が繰り出された。

2016-08-01 01:29:55
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