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「屈折の人」安彦良和 吉田豪による安彦良和インタビューを読んでの感想

吉田豪氏による、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」のアニメーターとして知られる安彦良和氏へのインタビューが、非常に面白かったので、その感想と連想を呟いてみました。
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ウディすすむ @woody_susumu

「キャラクター・ランド」における、吉田豪による安彦良和インタビューが、予想以上に面白かった。元々「屈折の人」である安彦良和の本音が全開にされていて、従来の常識が覆される。今までの安彦良和についてのインタビューの中で、最も刺激的だ。 pic.twitter.com/uyWdB52i8a

2016-08-12 20:33:20
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ウディすすむ @woody_susumu

富野由悠季と安彦良和が疎遠になったきっかけが、一部のアニメ・ジャーナリズムに祭り上げられた富野氏の方が安彦氏を遠ざけるようになったからだ、というのは意外だった。後に、富野由悠季氏が「結局、安彦良和に匹敵するアニメーターには出会えなかった」と述懐している事と考え合わせると感慨深い。

2016-08-12 20:35:15
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和氏は、富野由悠季氏はアニメ・ジャーナリズムに神格化された事による犠牲者だと考えていて「富野由悠季を祭り上げたなら、最後まで責任を持て」と怒りを表明している。ガンダム・ブームの頃から、安彦良和氏とアニメ・ジャーナリズムの関係は、必ずしも良好ではなかったらしいのも興味深い。

2016-08-12 20:39:36
ウディすすむ @woody_susumu

「ガンダム・ジ・オリジン」の企画は、サンライズがファースト・ガンダムから富野由悠季の影を消したがっている流れの一環と捉えていたので、あまり賛同ではなかったのだが、安彦良和氏としては、ファースト・ガンダムが他人に穢されるのは黙っていられない、という気持ちだったのを知り反省している。

2016-08-12 20:42:25
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和が監督した「クラッシャー・ジョウ」は、もっと評価されるべき作品だと思ったが、当時のアニメ・ジャーナリズムは冷淡だった。これは、原作者の高千穂遙がロボットアニメのSF性を批判していたことに対する反発に、安彦良和も巻き込まれた印象だったが、それだけではなかったのかもしれない。

2016-08-12 20:41:02
ウディすすむ @woody_susumu

宮崎駿に会いたがった安彦良和に対して、宮崎駿が「そんな奴は知らない」と拒絶していたのにも驚いた。安彦良和は「宮崎駿に成りたかった人」(そして、それに挫折した人)だから、これは悔しかっただろう。大塚康生は、安彦良和との対談で「以前から、上手い人だなと思っていた」と言っていたのにね。

2016-08-12 20:43:56
ウディすすむ @woody_susumu

高千穂遙は当時「クラッシャー・ジョウ」の試写会の後で、あるアニメ作家に「こんな体制的な作品を子供に見せるべきではない」と詰め寄られて当惑した、と書いていた。高千穂遙は、このアニメ作家の名前を挙げなかったが、私は宮崎駿ではないかと思っている。いかにも宮崎駿が言いそうなことですよね。

2016-08-12 23:16:26
ウディすすむ @woody_susumu

大塚康生が安彦良和と対談したのは「クラッシャー・ジョウ」の制作中で、その段階で大塚康生は安彦良和に注目していた。だから、宮崎駿が試写会に顔を出したとしても、おかしくはない。宮崎駿は、意外にマメに新作をチェックしていた。安彦良和に会うのを拒絶したのが、その前か後かは判らないですが。

2016-08-12 23:23:38
ウディすすむ @woody_susumu

高千穂遙と安彦良和は友人だが、高千穂遙は保守的で安彦良和は左翼だ。「クラッシャー・ジョウ」では、安彦良和がジョウの反抗性を強めようとしたのを、高千穂遙が押しとどめている。主人公が一旦反抗して見せるが、最終的には体制を認めて成長する「クラッシャー・ジョウ」は、確かに体制的ではある

2016-08-12 23:35:55
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和が漫画家に転身したきっかけが、ある時期からアニメージュに切られたからだ、というのも意外だった。確かに、宮崎駿がクローズアップされるのと反比例するように安彦良和は消えて行った。漫画家としての売り込みでも「徳間書店には行きたくなかった」という回想が、傷口の大きさを感じさせる。

2016-08-12 20:51:47
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和が「王立宇宙軍 オネアミスの翼」を観て、あまりの無内容さと、にも拘らずそこに注ぎ込まれた才能の量に対して二重のショックを受け、自分の時代が終わったと感じたと語っているのが面白い。この「オネアミスの翼」のアンビバレンツは、正にその後の日本アニメの方向性を象徴していると思う。

2016-08-12 20:53:10
ウディすすむ @woody_susumu

以前、アメリカの電話帳みたいな映画紹介の辞典を読んでいたら、日本アニメで最高評価を獲得したのは「ルパン三世 カリオストロの城」と安彦良和監督の「ヴィナス戦記」で、「アキラ」よりも「攻殻機動隊」よりも高評価だった。「ヴィジュアルとドラマが高いレベルで融合した傑作」と絶賛されていた。

2016-08-12 20:54:51
ウディすすむ @woody_susumu

そのアメリカの映画紹介本は、日本アニメの暴力描写には少し否定的なスタンスだったので、「アキラ」や「攻殻機動隊」はヴィジュアルは良いけれど暴力的という評価だった。「ヴィナス戦記」は青春ドラマなのが良かったのだろう。でも、「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」より高評価なのには驚いた。

2016-08-12 23:04:50
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和の監督作品では、TVスペシャルとして単発で放映された「ホワイト・ファング 白い牙」が、とても良かったのだけれど、今でも観ることが出来るのだろうか? 「アニメ作家としての安彦良和」は、作品数は多くないけれど、もう少し評価されても良い気がする。

2016-08-13 07:08:05

「白い牙 ホワイトファング物語」の監督は吉川惣司で、安彦良和はキャラクターデザインでした。
ただ、単なるキャラクターデザインだけでなく、イメージボードも描いていた筈で、当時、雑誌に掲載されていました。
いずれにしても監督というのは間違いです。失礼しました。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

「特集 安彦良和」 機動戦士ガンダムのアニメーターであり、歴史と政治を大胆に扱ったマンガ家としても注目される安彦良和が「アリオン」から「機動戦士ガンダム THEORIGIN」迄を語る。 store.south-sign.com/products/detai… pic.twitter.com/MkelHLFkxr

2016-05-16 22:31:32
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

「ガンダムの現場から 富野由悠季発言集」 「ファースト・ガンダム」誕生と発展のドキュメントが、富野由悠季自身の言葉によって語られる、貴重な証言集。 store.south-sign.com/products/detai… pic.twitter.com/vvbpzfxQ6x

2016-05-16 22:27:57
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