編集部イチオシ
2016年8月13日

「屈折の人」安彦良和 吉田豪による安彦良和インタビューを読んでの感想

吉田豪氏による、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」のアニメーターとして知られる安彦良和氏へのインタビューが、非常に面白かったので、その感想と連想を呟いてみました。
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ウディすすむ @woody_susumu

「キャラクター・ランド」における、吉田豪による安彦良和インタビューが、予想以上に面白かった。元々「屈折の人」である安彦良和の本音が全開にされていて、従来の常識が覆される。今までの安彦良和についてのインタビューの中で、最も刺激的だ。 pic.twitter.com/uyWdB52i8a

2016-08-12 20:33:20
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ウディすすむ @woody_susumu

富野由悠季と安彦良和が疎遠になったきっかけが、一部のアニメ・ジャーナリズムに祭り上げられた富野氏の方が安彦氏を遠ざけるようになったからだ、というのは意外だった。後に、富野由悠季氏が「結局、安彦良和に匹敵するアニメーターには出会えなかった」と述懐している事と考え合わせると感慨深い。

2016-08-12 20:35:15
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和氏は、富野由悠季氏はアニメ・ジャーナリズムに神格化された事による犠牲者だと考えていて「富野由悠季を祭り上げたなら、最後まで責任を持て」と怒りを表明している。ガンダム・ブームの頃から、安彦良和氏とアニメ・ジャーナリズムの関係は、必ずしも良好ではなかったらしいのも興味深い。

2016-08-12 20:39:36
ウディすすむ @woody_susumu

「ガンダム・ジ・オリジン」の企画は、サンライズがファースト・ガンダムから富野由悠季の影を消したがっている流れの一環と捉えていたので、あまり賛同ではなかったのだが、安彦良和氏としては、ファースト・ガンダムが他人に穢されるのは黙っていられない、という気持ちだったのを知り反省している。

2016-08-12 20:42:25
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和が監督した「クラッシャー・ジョウ」は、もっと評価されるべき作品だと思ったが、当時のアニメ・ジャーナリズムは冷淡だった。これは、原作者の高千穂遙がロボットアニメのSF性を批判していたことに対する反発に、安彦良和も巻き込まれた印象だったが、それだけではなかったのかもしれない。

2016-08-12 20:41:02
ウディすすむ @woody_susumu

宮崎駿に会いたがった安彦良和に対して、宮崎駿が「そんな奴は知らない」と拒絶していたのにも驚いた。安彦良和は「宮崎駿に成りたかった人」(そして、それに挫折した人)だから、これは悔しかっただろう。大塚康生は、安彦良和との対談で「以前から、上手い人だなと思っていた」と言っていたのにね。

2016-08-12 20:43:56
ウディすすむ @woody_susumu

高千穂遙は当時「クラッシャー・ジョウ」の試写会の後で、あるアニメ作家に「こんな体制的な作品を子供に見せるべきではない」と詰め寄られて当惑した、と書いていた。高千穂遙は、このアニメ作家の名前を挙げなかったが、私は宮崎駿ではないかと思っている。いかにも宮崎駿が言いそうなことですよね。

2016-08-12 23:16:26
ウディすすむ @woody_susumu

大塚康生が安彦良和と対談したのは「クラッシャー・ジョウ」の制作中で、その段階で大塚康生は安彦良和に注目していた。だから、宮崎駿が試写会に顔を出したとしても、おかしくはない。宮崎駿は、意外にマメに新作をチェックしていた。安彦良和に会うのを拒絶したのが、その前か後かは判らないですが。

2016-08-12 23:23:38
ウディすすむ @woody_susumu

高千穂遙と安彦良和は友人だが、高千穂遙は保守的で安彦良和は左翼だ。「クラッシャー・ジョウ」では、安彦良和がジョウの反抗性を強めようとしたのを、高千穂遙が押しとどめている。主人公が一旦反抗して見せるが、最終的には体制を認めて成長する「クラッシャー・ジョウ」は、確かに体制的ではある

2016-08-12 23:35:55
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和が漫画家に転身したきっかけが、ある時期からアニメージュに切られたからだ、というのも意外だった。確かに、宮崎駿がクローズアップされるのと反比例するように安彦良和は消えて行った。漫画家としての売り込みでも「徳間書店には行きたくなかった」という回想が、傷口の大きさを感じさせる。

2016-08-12 20:51:47
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和が「王立宇宙軍 オネアミスの翼」を観て、あまりの無内容さと、にも拘らずそこに注ぎ込まれた才能の量に対して二重のショックを受け、自分の時代が終わったと感じたと語っているのが面白い。この「オネアミスの翼」のアンビバレンツは、正にその後の日本アニメの方向性を象徴していると思う。

2016-08-12 20:53:10
ウディすすむ @woody_susumu

以前、アメリカの電話帳みたいな映画紹介の辞典を読んでいたら、日本アニメで最高評価を獲得したのは「ルパン三世 カリオストロの城」と安彦良和監督の「ヴィナス戦記」で、「アキラ」よりも「攻殻機動隊」よりも高評価だった。「ヴィジュアルとドラマが高いレベルで融合した傑作」と絶賛されていた。

2016-08-12 20:54:51
ウディすすむ @woody_susumu

そのアメリカの映画紹介本は、日本アニメの暴力描写には少し否定的なスタンスだったので、「アキラ」や「攻殻機動隊」はヴィジュアルは良いけれど暴力的という評価だった。「ヴィナス戦記」は青春ドラマなのが良かったのだろう。でも、「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」より高評価なのには驚いた。

2016-08-12 23:04:50
ウディすすむ @woody_susumu

安彦良和の監督作品では、TVスペシャルとして単発で放映された「ホワイト・ファング 白い牙」が、とても良かったのだけれど、今でも観ることが出来るのだろうか? 「アニメ作家としての安彦良和」は、作品数は多くないけれど、もう少し評価されても良い気がする。

2016-08-13 07:08:05

「白い牙 ホワイトファング物語」の監督は吉川惣司で、安彦良和はキャラクターデザインでした。
ただ、単なるキャラクターデザインだけでなく、イメージボードも描いていた筈で、当時、雑誌に掲載されていました。
いずれにしても監督というのは間違いです。失礼しました。

ブックストア ウディ本舗 @woody_honpo

「特集 安彦良和」 機動戦士ガンダムのアニメーターであり、歴史と政治を大胆に扱ったマンガ家としても注目される安彦良和が「アリオン」から「機動戦士ガンダム THEORIGIN」迄を語る。 store.south-sign.com/products/detai… pic.twitter.com/MkelHLFkxr

2016-05-16 22:31:32
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ブックストア ウディ本舗 @woody_honpo

「ガンダムの現場から 富野由悠季発言集」 「ファースト・ガンダム」誕生と発展のドキュメントが、富野由悠季自身の言葉によって語られる、貴重な証言集。 store.south-sign.com/products/detai… pic.twitter.com/vvbpzfxQ6x

2016-05-16 22:27:57
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コメント

えびとろあなご蒸し@ロボガZポセス鯖 @ebitoro 2016年8月13日
結局アニメ界で真っ当に庵野の評価を下していたのは安彦さんだったわけで。確かに「内容のないもの」しか作れないもんなあ、庵野は。
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ちいさいおおかみ〜クリアカード編〜 @siu_long 2016年8月13日
庵野よりも安彦さんの方が反骨的なんだよなぁ。しかし、『White Fang』の原作が児童小説だって事を知ってるのは少ないだろうなぁ。ジャック・ロンドンの作品は日本では児童小説と漫画で紹介されたから。
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ちいさいおおかみ〜クリアカード編〜 @siu_long 2016年8月13日
結局、アニメージュだってWOTAKUを野放しにした元兇だから。安彦氏の事を軽んじるのは、つか反骨精神の人を軽視するのは、トクーマも体制側の出版社だった事に他ならない。
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marumushi @marumushi2 2016年8月13日
出陣の前に兵に檄をって言われて、妹への恋心を高らかに宣言した「アリオン」もなかなかの内容でしたけどね
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× (゚∀゚ ))))∈ @cv45ValleyForge 2016年8月13日
知らんかった。 「子供向けではない"普通の映画"がアニメで出来た」と大絶賛だと思ってた... >「クラッシャー・ジョウ」は、もっと評価されるべき作品だと思ったが、当時のアニメ・ジャーナリズムは冷淡だった。
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Chief Buster @chief_buster 2016年8月13日
「アニメ業界」がどうなろうと知った事では無いのでその観点では無関心ですが、私をそうさせた背景の一つにこんな事があったのかと言う感慨はあります。確かに安彦氏の作品は好きでしたし、ジ・オリジンも単行本を買ってました。雑誌に金を出す気にはなれなかったので。
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太田カイ #武器輸出、戦争絶対反対 @KaiOota 2016年8月13日
安彦氏がいまいち評価されないのは、有能な監督に出会えなかったからかなぁ。ダーティペアは安彦氏描いてくれたら、キャッツアイ並みのお色気路線でいけたのでは。本当に惜しい。
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太田カイ #武器輸出、戦争絶対反対 @KaiOota 2016年8月13日
宮崎駿氏が安彦に会わなかったのは、アニメの企画が却下されまくっていた嫉妬からか。本当は好きなもの創りまくっていた安彦氏になりたかったんじゃないのかな。
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Chief Buster @chief_buster 2016年8月13日
オネアミスの翼って実は一度借りた事があるけど、最初の10分が耐えられなくて投げ出したせいで、実は未だに見ていない。テーマ的には大好物な筈なのに、何故見られなかったのかこれで判明した。私のアニメの演出等に対する趣味は、安彦氏に育てられたのかも知れないと再認識。
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Ukat.U @t_UJ 2016年8月13日
ライトノベル?作家としての安彦良和ももっと論じられるといいのに。アニメから転じた当初はカドカワノベルスを舞台に漫画と同じくらい小説の仕事してた。鋼馬伝承とかテングリ大戦とか好きだったな。
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ma08s@フォロー外からごめんなさい @bygzam_ma08s 2016年8月13日
『少年キャプテン』で連載していた『Cコート』は、安彦氏には珍しいギャグテイスト濃い目のマンガで、楽しんで描いてたんだけど、『ヴィナス戦記』との絡みで「第一部完」にされて、でも再開する気満々だったのに、徳間から「あ、もういいです」って、あっさり切られたと、『青春ラジメニア』で告白してたっけ。最近、『リュウ』で不定期連載してたから、徳間とも関係修復できたのかも知れないけど……
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ma08s@フォロー外からごめんなさい @bygzam_ma08s 2016年8月13日
『ヴィナス』の頃は学研との関係が密だったけど、映画がコケたあとは疎遠になってしまったしなぁ。反骨とかサヨクとかじゃなく、「組織の歯車になって働く」のが苦手な人なのかも知れないな、と勝手に考えたり。 個人的には『ヴィナス』は好きな作品なので、海外での評価が高いのなら、国内でも何とかもう一度光を当てて欲しい(安彦センセはソフト化をいやがってるそうだけど)
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Hiroshi kashiwagi @Aparatyanomoget 2016年8月13日
白い牙は安彦監督作品ではない。
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ブックストア ウディ本舗 @woody_honpo 2016年8月13日
Aparatyanomoget そうでした! 監督は吉川惣司で、安彦良和はキャラクターデザインですね。 安彦良和がイメージボードも描いていて、それを雑誌で見た記憶があったので、勘違いしていました。 ご指摘、ありがとうございます。
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おりた @toronei 2016年8月14日
安彦先生のインタビューって、他のインタビューとか呼んでいても、どうも過去話などについての、事実関係には信用がおけないんだよなあ。
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sinkoro @h_okasann 2016年8月14日
t_UJ トゲでまさか鋼馬伝承を見る日が来るとは・・・・いまだに本棚にありますよ。4巻のノルブの光輪は天体ショーを絡めたスケールの大きさとラストシーンの神秘性とパジャとともに逝ったチリのはかなさも相まって一番好きな巻。最終巻の集団線よりもそれまでの小規模の戦闘シーンの描写といい、一度読んでみることをほんとお薦めする作品ですよね。
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A.C.✨NCC1710hh2 @AerospaceCadet 2016年8月14日
若い衆には判り辛いか知らんが宮崎が会見を拒否した頃って安彦氏の方が売れてたんだよね。ケツ穴の小さい話だがそう小さくもないと理解頂きたい。
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碧🌒 ~𝒜𝒪~ @Turkis_Mond 2016年8月14日
宮崎さんがメージュにナウシカを、安彦さんが「リュウ」にアリオンを連載していた時期はほぼ一緒。鈴木敏夫を介して名前くらいは聞いたことがあるはずと思う。 クラジョウが’83年3月、ナウシカが’84年、アリオンが86年の同月に映画化される。ただ映画アリオンの出来はさほど良くなかった。安彦さんらしさ溢れるアニメとしては、『巨神ゴーグ』(’84)を押したい。
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MUNEGASHI Isako @isako134 2016年8月14日
bygzam_ma08s ヴイナス戦記で思い出したのですが、公開前日の朝日新聞夕刊番組欄下の広告では、同時上映で時間が短いはずの『アニメ三銃士 アラミスの冒険』のほうを上にして大きく扱われていた覚えがあります。学研側ではアニメディア本誌と別冊でアニメ三銃士よりヴイナス戦記を優先していたにもかかわらず。(別冊アニメディアは三銃士の下巻を出さず、ヴイナスのは出した。)
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碧🌒 ~𝒜𝒪~ @Turkis_Mond 2016年8月14日
安彦さんの手塚治虫の遺伝子を感じさせつつ洗練したキャラ・デザインは本当に素晴らしい。勿論アニメーター・作画監督としても。ただ監督としては少し微妙になる。
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電鋸雛菊 @DaisyAdreena 2016年8月14日
『結局アニメ界で真っ当に庵野の評価を下していたのは安彦さんだったわけで。確かに「内容のないもの」しか作れないもんなあ、庵野は。』  庵野秀明氏、オネアミスのクレジットでは作監とエフェクトにしか名前が無い様子で、それへの「内容」評価が「彼」への評価たり得るのかは疑問が残る。
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電鋸雛菊 @DaisyAdreena 2016年8月14日
仮に安彦良和氏が庵野秀明氏を批判していたのであれば、冒頭『キャラクターランド』の表紙レイアウトで、シン・ゴジラの胸元に安彦氏の写真がおさまっているのがちょっと面白く思えてくるよな。
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碧🌒 ~𝒜𝒪~ @Turkis_Mond 2016年8月15日
クラジョウは河森さんのメカ、安彦さんのキャラ、高千穂さんの原作と十分に魅力的だったが、同時期公開が大友克洋キャラデザ、りん・たろう監督の角川アニメ『幻魔大戦』に『宇宙戦艦ヤマト完結編』と強力過ぎた。 ただ海外ならクラジョウが一番ウケが良さそうに思った。
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ITO Ryutaro @higeito 2016年8月15日
この安彦良和インタビュー、読んだけどホント面白かった。
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ぱんどら @kopandacco 2016年8月15日
いい大人になってもみんな素直じゃない(いや、素直な大人などおらんけど)
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真田四郎 @sanada4rou 2016年8月16日
クムクムも思い出してあげてください。
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大北 美紀 @xl500sa 2018年5月17日
ナウシカ映画化以前の干されていた頃の宮崎氏は確かにかなり偏屈で底意地が悪かった。 何にでも噛み付く狂犬ぶりは(今でもそうだが)この頃がピークかな。
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