日本のスーパーに並んでいる普通の野菜は、アメリカのオーガニック野菜と同じくらい美味であり、硝酸イオンが問題になることはほとんどない。
2016-09-04 11:31:24さらに、野菜の中では硝酸イオンが高い、ホウレンソウ、ターサイ、シュンギクなどは、日本人は生で食べず、ゆでたり煮たり炒めたりするので、硝酸濃度はさらに下がる。
2016-09-04 11:31:38なので、論理的には、硝酸イオンについて取り上げる必要はないのだが、とりあえず、個人的な視点を書いてみる。
2016-09-04 11:33:13窒素のぜいたく吸収を防ぐ方法は、窒素の施用を減らすことだ。しかし、窒素の施用を減らすと収穫量が落ちるので、農家は、そのぎりぎりのところをねらって施肥法や施肥量を決める。 pic.twitter.com/Z8BJbIuVlN
2016-09-04 11:34:19これは、作物の都合ではなくて、あくまでも作業上の都合からきている。作物の栄養状態や生長にあわせて、少しずつ追肥するのは、手間がかかる。手間がかかれば、生産コストが高くなる。
2016-09-04 11:35:06そもそも硝酸が問題になったのは、北米やヨーロッパでおきた「ブルーベビー」(メトヘモグロビン血症)である。硝酸塩濃度の高い水で作られたミルクを飲んだ乳児に、メトヘモグロビン血症が発生し、大きな不安をもたらした。
2016-09-04 11:35:23生後3か月未満の乳児は、胃酸をほとんど分泌しないので、胃の中で微生物が活動して硝酸塩を還元し、亜硝酸塩が生成したためとされている。
2016-09-04 11:35:39一方、日本では風土や習慣のちがいもあって、ほとんど問題にならなかった。ところが、2000年代に、どういうわけか日本でも問題視されるようになり(新聞記事?)、国は2006年に対策を策定している。
2016-09-04 11:36:44野菜中の硝酸塩に関する情報について vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho…">vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho…
2016-09-04 11:37:32具体的な技術の内容は、上の「野菜の硝酸イオン低減化マニュアル」を読んでほしいのだが、野菜の硝酸イオンを減らすには、以下の方法をとる。
2016-09-04 20:04:39「硝酸イオンの還元速度を上げ、硝酸イオン濃度を下げるためには、被覆資材の透明度を保つ、遮光はしない、収穫は曇天の次の日はしない、できれば晴天が続いた日の午後に収穫する、施設内の温度を上げすぎない」という。
2016-09-04 20:05:28④については、誰でもすぐにできることとして、「収穫時における土壌中の肥料成分をできるだけ少なくするために、追肥はなるべく控え、どうしても必要な場合は早めに施用する、あるいは在圃期間を数日間、品質に影響のない程度長めにする、
2016-09-04 20:05:44また、外葉ほど硝酸イオン濃度が高い場合が多いので、収穫時に外葉を若干多めに除去して調整する」と述べている。
2016-09-04 20:05:56(a)養液土耕による自動給肥:たしかに養液土耕は、施肥量を大幅に減らせるため、指導機関はかなり力を入れて普及をすすめているようだ。ただし、養液土耕の初期導入には100万円以上かかるし、肥料は液肥(化学肥料)を全部購入しないといけない。
2016-09-05 08:52:25プログラムも自分で作れるわけではないので、他の生産者との差別化ができない。水耕栽培とたいして変わらないので、消費費に対するアピールも弱い。消費者は、科学的・合理的に栽培された野菜だからといって、高い値段で買うわけではない。そこが難しいところだ。
2016-09-05 08:53:04(b)堆肥の使い方の工夫:岩手県が行っている、C/N比の高い堆肥を利用して、硝酸濃度の下げるやり方はおもしろい。土壌中の微生物は、C/N比の高い有機物を分解・利用して増殖する際に、土壌中の窒素を吸収する働きがある。
2016-09-05 08:53:29これは「窒素飢餓」と呼ばれ、一般には悪いこととされている。 pic.twitter.com/JcLqv5Q6jl
2016-09-05 08:55:45あえてC/N比20の堆肥を施用することで、土壌中の窒素を微生物の体内に取り込ませている。地域の家畜糞尿も利用できるし、資源循環型の農業として消費者にアピールできるので、他産地との差別化ができる(高く売れる)。
2016-09-05 08:57:20