- kasajimajima
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Yahoo知恵袋で「専門家」というアイコンがついてる人が、「私はこれについては専門外ですが」と断ってから回答を書き込んでいるのを見て以来、あそこは高度な情報戦の場だと思っている
2016-09-27 11:13:30新入生の子が「大学の授業で先生が"これは専門外なのですが"と言っていた。無責任だ」と怒っていましたが、それは学問の世界における責任のあり方はよその商いと少し違うということなのです。
2016-09-27 11:24:05学問の世界では、「私はなんでも知っています」と言うことより、「自分にはまだ知らないことがある」ということをきちんと受け止め、それを表明する態度の方が「責任ある態度」とされるのです。「無知の知」こそ原点なので。
2016-09-27 11:26:22まあ、そんなこんなで専門家ほど、また自分が責任を求められる領域であればあるほど、「どこからどこまでが自分の専門か」の線引きに関して慎重かつ厳密になっていくので、外から見ると「アンタそれ専門やん!」と思えるような場合だからこそ「私は専門外なのですが」という前置きが出てくるわけです。
2016-09-27 11:30:58専門家1はコメントを差し控えた! 専門家2はコメントを差し控えた! 専門家3はコメントを差し控えた! しかし、なにも起こらなかった!
2016-09-27 11:36:24研究者レベルの『専門外なのですが』って『もちろん教科書レベルのお話は理解してるし、その分野の論文も主要なものは読んでるし、学会でその分野の先生と討論をしたことも何度かあるけど、その分野では研究してないし論文も出したことはないし、俺の専門分野ではないんだよな』くらいの意味だな。
2016-09-27 11:36:31学会での質問の『専門外なのですが』は『専門外の俺でもわかるようなおかしいところがあるんですが?』という『今から貴様を殺す』的意味の前置きである場合がたまによくある。
2016-09-27 11:40:06「専門外ですが」という質問が恐れられるのは、えてして専門外の人間は、専門家の間では常識として通用している(だから説明も端折る)部分についての論拠を尋ねることが多いのだけど、常識として通用しているので生半可な専門家はその論拠をあまり把握していないだけってことが多い。
2016-09-27 14:59:43そして古い文献をひっくり返してその常識の論拠を真面目に調べてみると、ほとんど論拠もないところから偉い先生が仮説として提案したものが、複数の引用を経て直接的な証拠もでないままにデファクトになっているだけだったことに気づいて「なんじゃこりゃああああ」となったりする。
2016-09-27 15:02:06そしてその常識の論拠を真面目に研究して、みんな信じていたけどどこにも証拠のなかった常識についての直接的な証拠を新たに発見しても、それを論文にしようとすると「そんなことは何年も前からみんな知っとる」と言われて全然評価されなかったりする悲しい作業となる。
2016-09-27 15:04:59文系の偉い先生にRTされて拡散したせいか、「理系でよかった(文系は怖い)」的な反応をしている人がごく少数みられるんだけど、元々は、理系の学会でもあるある話を念頭においた連投でした。
2016-09-28 00:03:15学会で質問者が「専門外なので申し訳ありませんが」とか「初心者の質問ですが」というのは 「事を荒立てるつもりはないし、初心者の素朴な疑問ということにしといてやるから、さっさとクニに帰んな、そうすれば見逃してやるから」 という意味の一択です。まちがいない。
2016-09-27 23:11:30