編集部イチオシ

ウォルトはどうしていつもミッキーの手を握り続けるのか

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uroak_miku @Uroak_Miku

25)ニュートンが微分を発明して、その数学的威力をもとに物理学がその後発展したのですが、数学者たちは「うーんたしかに微積って便利だけど『無限に小さい』ってのが腑に落ちないよ」とくすぶりつづけた。19世紀半ばになってやっと無限小のパラドクスを理論で囲い込むことに成功した。

2016-10-16 14:47:30
uroak_miku @Uroak_Miku

26)しかしミッキーマウスのHな絵を売り出すのは著作権法に抵触すると考えるべきかいなかという問いは、微積における無限小の定義よりももっと困難でした。いえ原理的に定義不能です。

2016-10-16 14:48:45
uroak_miku @Uroak_Miku

27)これはもう法理論ではなく認知心理学の領域ですからね。

2016-10-16 14:49:12
uroak_miku @Uroak_Miku

28)このキャラクター理論は、このように法理論的にはどうしても弱点を抱えてしまうのです。 pic.twitter.com/x8pPV1ZQoR

2016-10-16 14:50:11
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uroak_miku @Uroak_Miku

29)ウォルトはそのこともわきまえていた。各国でキャラクターライセンシングに乗りだすと、海賊業者は容赦なく訴え、裁判で潰していった。判例を積み上げていったのです。「こういうことすると裁判で負けるぞ海賊業者ども」と。

2016-10-16 14:51:45
uroak_miku @Uroak_Miku

30)世界各国でそうやって戦っていった。日本でもです。ここで論じたとおりです。togetter.com/li/1035519

2016-10-16 14:53:04

そして翌朝…

uroak_miku @Uroak_Miku

1)「増殖する偽ミッキー」なんて私書いたかな?公式ミッキーがアニメを離れてあらゆる場所、あらゆる物体に増殖していったと論じたつもりなのですが。 twitter.com/togetter_jp/st…

2016-10-17 06:44:49
Togetter(トゥギャッター) @togetter_jp

増殖する偽ミッキーと戦うためにウォルトがしたこととは? 「ウォルトはどうしていつもミッキーの手を握り続けるのか」togetter.com/li/1037407 @KaoruKumiさんから #トゥギャトピ

2016-10-17 00:21:13
uroak_miku @Uroak_Miku

2)しかし数分考えてみて「うんこれは面白い表現やね!」と気持ちが変わりました。

2016-10-17 06:45:46
uroak_miku @Uroak_Miku

3)ミッキーマウスはもともと短編アニメの主人公です。『蒸気船ウィリー号』、1928年11月公開。手塚治虫がこの月に生まれたのは因縁かな。 youtu.be/BBgghnQF6E4

2016-10-17 06:49:52
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uroak_miku @Uroak_Miku

4)ミッキーがアニメから自律してあらゆる場所に出没しだした。新聞まんがはいうにおよばず、商品として、ファンクラブのカリスマにも変化自在に増殖していった。 pic.twitter.com/IhKaTmDNFA

2016-10-17 06:53:19
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uroak_miku @Uroak_Miku

5)変化自在に増殖するのが「キャラクター」の本質だとウォルトはやがて気が付いた。商品化の印税がどかんどかん入ってくるのだから嫌でも気が付く。

2016-10-17 06:55:08
uroak_miku @Uroak_Miku

6)同時にキャラクターの怖さにも気が付いた。作者の手を離れてどんどん独り歩きするのだと。

2016-10-17 06:56:16
uroak_miku @Uroak_Miku

7)たとえば誰かが無断でミッキーマウスの絵本を描いて出版したら「それは著作権法で定める翻案権の侵害や!」と文句つけてさし止めと損害賠償を請求できるのですが

2016-10-17 06:57:36
uroak_miku @Uroak_Miku

8)ミッキーマウスまんじゅうとかミッキーマウスもなかとかミッキーマウス避妊具とかを開発して売り出す方が仮にいるとして、そういうのは著作権法でさし止めが難しいのです。今はむろんそんなことないのですがミッキー登場当時のアメリカの法律それに過去の判例では困難でした。

2016-10-17 07:00:37
uroak_miku @Uroak_Miku

9)怖いと思いませんか自分の息子にして分身であるはずのミッキーが、知らないうちにもなかにも避妊具にも変貌して勝手に増殖していくのだから。

2016-10-17 07:01:38
uroak_miku @Uroak_Miku

10)キャラクターってそういう怖さがあります。作者の手を離れていく怖さ、そして増殖する怖さ。制御不能。

2016-10-17 07:05:22
uroak_miku @Uroak_Miku

11)そこでウォルトは裁判を果敢にしかけた。ミッキーをあしらったクッキーを売り出した業者に「やめんか!」と裁判をしかけたりと。アメリカの判例データベースを検索するとそういうのいっぱい見つかります。

2016-10-17 07:06:51
uroak_miku @Uroak_Miku

12)当初は不正競争防止法(にあたるものが当時のアメリカにはなくて各州の判例がその役目を果たした)を盾にウォルトはさし止め請求をしていましたが、やがて著作権法を盾にしだした。理論武装したんですよ。

2016-10-17 07:08:46
uroak_miku @Uroak_Miku

13)「キャラクター」は法律では保護しきれない。法理論的にどうしても穴が生まれる。どうしてかは過去に論じたのでここでは省略します。それは百も承知でウォルトは法廷で戦った。どんな相手であってもです。

2016-10-17 07:10:07
uroak_miku @Uroak_Miku

14)そうやって「ウォルトの言い分は正しい」という判決例を積み重ねていった。既成事実化というのとは違いますが、過去の勝利判例がたくさんあったほうが有利なのです。

2016-10-17 07:11:10
uroak_miku @Uroak_Miku

15)日本でも何十年もたってからやはり円谷プロや東映がそうやって裁判で戦って「キャラクター」は知財なんだよと判例を積み重ねていきました。

2016-10-17 07:12:10
uroak_miku @Uroak_Miku

16)要するに「おいミッキー、増殖するのはいいがわしの手を離れて勝手に増殖したらいかんよ」と手を握り続けるのですウォルトは。 pic.twitter.com/Q4g9FG9Hdj

2016-10-17 07:14:25
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uroak_miku @Uroak_Miku

17)変化自在に無限増殖する存在を「わしのだ」と主張するのは法理論的にはどうしても難点を抱えるのですがウォルトは断固戦った。

2016-10-17 07:16:25