『ボヴァリー夫人』『白夜』から『深夜プラス1』『談志が死んだ』まで、スゴ本オフ「失恋」の実況まとめ

2016年11月26日、四谷三丁目のレンタルキッチンを借りて開催したスゴ本オフ「失恋」の実況まとめです。(ツイート抜けがあってまだ途中です)
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根岸智幸 @zubapita

@milano2009 実らない恋が失恋だとしたら、と思って持ってきました。『花のレクイエム』 辻邦生(新潮文庫)。12月の花にちなんだストーリーだが、どれも哀しい別れがあって、恋が成就したものはない。失恋といわれて、真っ先に浮かんだ本。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:16:10
根岸智幸 @zubapita

(承前)辻邦生の晩年の作のせいか、死を意識したものが多い。野菊の墓をぎゅっと凝縮したような話。2冊目、『暁の寺』三島由紀夫(新潮文庫)。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:16:12
根岸智幸 @zubapita

(承前)三島由紀夫を読む人が少ないけど、マニアックに取材する人で、作者がなんどもタイやインドを訪れてているので、旅行ガイドにもなる。主人公の本多は、いつも失恋している。男にも女にも、思われることのない真面目な固い男なのだ。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:16:14
根岸智幸 @zubapita

(承前)失恋という視点で読み直してみると、また、違った面白さがある。三島の話はあとから、じわっとくるものが多い。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:16:15
根岸智幸 @zubapita

ヤマケイのササキさん。『深夜プラス1』ギャビン・ライアル(ハヤカワ文庫)。ストーリーはクルマに乗ってA地点からB地点に運ぶだけの話だけどいろんなものが含まれている。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:20:19
根岸智幸 @zubapita

(承前)若いときには、その良さがあまりわからなかったのですが、再読してその良さがわかるようになったのも、また失恋を重ね、年をとったせいでしょうか。失恋ば我慢。失恋はネガティブなものではなく、ガマンを重ねることでいい男になる。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:20:21
根岸智幸 @zubapita

(承前)我慢の美学を描かせたら一級品のギャビン・ライアル。新約がでて圧倒的に読みやすい。日本語が今風にこなれているので、オススメです。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:20:23
根岸智幸 @zubapita

ササキさんの息子のサササキケイくん。6歳。『理科好きな子に育つ ふしぎのお話365』自然史学会連合監修(誠文堂新光社)。生き物の不思議なエピソード集。好きなのは、カラダをのっとる生き物の話。。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:20:47
根岸智幸 @zubapita

(承前)お父さんのヤマケイのササキさんによると、この本を通じて世の中には不思議なものがあふれていること。そのなかには説明できるものも、説明できないものもあり、その説明できないもののひとつが恋であり、失恋である、と気づいてくれればいいな、と。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:20:49
根岸智幸 @zubapita

(承前)恋を通して主人公は創作のインスピレーションも得ていく。失恋とはふられることではなく、相手への気持ちを自分が失ってしまうことであり、それはどうすることもできないものだと思い知らされる切ない作品。そんじょそこらの恋愛小説よりも二人の心理描写が丁寧。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:22:41
根岸智幸 @zubapita

なかださん。城山三郎『そうか、もう君はいないのか』(新潮文庫)亡くなった奥さんへの思いを綴った作品。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:28:03
根岸智幸 @zubapita

(承前)女子高生だった奥さんを見初めて、図書館でたまたまあってデート(ナンパ)したのだけど、昭和二十年代の名古屋でそんなことをすると近所で悪評判がたってしまい、奥さんが「もうつきあえません」と絶縁状を持ってくる。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:28:05
根岸智幸 @zubapita

(承前)ところが、ダンスパーティにいったら、その子が別の男と来ていたので、談判して、奥さんをゲットした。奥さんを亡くしたあとの切なさが、印象的。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:28:06
根岸智幸 @zubapita

かねこさん。小池田 マヤ『放浪の家政婦さん』。全部で4つの短編。どれも人が自分の居場所を求める話。主人公は身長180cmの家政婦で、行く先々で騒ぎを起こす。そもそも恋をしていないのに失恋する話、失恋がぜったい発生しない恋、など。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:38:48
根岸智幸 @zubapita

(承前)旦那さんに「失恋の定義ってなに?」と聞いたら「その人の領域にもう入り込めないと自覚した状態」と。で、「君の失恋体験は」と聞いたら、黙ってお風呂に行きました。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:38:49
根岸智幸 @zubapita

高木さん。『雪が降る』藤原伊織(講談社文庫)。男性2人、1人の女性の友情と恋(三角関係)がテーマ。ちょっとハードボイルド。ひとりはギャンブル中毒。ひとりはエリートサラリーマン。女性はすでに亡くなっていて、過去を振り返る。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:51:20
根岸智幸 @zubapita

(承前)自分のことを好きでないと思っていた人が、実は自分のことを好きだったとあとで知る。会社もあるし…と思って過ごしていると失ってしまうような恋の話。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:51:23
根岸智幸 @zubapita

(承前)「人はすこしずつおとなになるんじゃなくて、いっぺんにおとなになってしまう」という、ある登場人物のセリフが終わった恋への余韻として残る短編集です。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 12:51:25
根岸智幸 @zubapita

むらかみさん。今は結婚していますが、若いときはずっと一人でした。その拗らせ男子が感情移入できなたのが、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』花沢健吾(小学館)。寝取られた男が会社をやめてボクシングに打ち込むけど、寝取った男にぼろくそに負けてしまう。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 13:00:04
根岸智幸 @zubapita

(承前)しかも、ボロボロの状態で出会った女の子に衝撃的なお願いをしてしまう。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 13:00:06
根岸智幸 @zubapita

(承前)映画版もあってすんなり入れるかもしれないけど、生々しい漫画版が恋愛がうまくいっていない男子におすすめ! 2冊目『談志が死んだ』立川 談四楼(新潮文庫)、弟子が書いた、立川談志の死去の前後を描いたノンフィクション小説。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 13:00:07
根岸智幸 @zubapita

(承前)あまりにも師匠のことが好きすぎて、読み終わったあとで恋愛小説のカテゴリに入れたくなりました。談志に留守番電話で怒られたとき、すべての仕事をキャンセルして謝りにいく、そのときのドキドキ感がまるで恋愛小説。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 13:00:09
根岸智幸 @zubapita

そがさん。栃木から来ました。ドストエフスキーの『白夜』を持ってきました。100ページの作品ですが、ドストエフスキーの作品には、駄目人間のエッセンスが詰まっている。酔っ払いから女の子を救ってそこから恋がはじまる。電車男みたい。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 19:58:16
根岸智幸 @zubapita

(承前)「俺はダメだよ」と主人公は言うのに、彼女は「あなたの話が聞きたい」とオタクごころをくすぐる。しかし、二人の心が寄り添った結果、女性は元の婚約者と結婚して「結婚式にきてほしい」「そんなことはしないあなたが好きなの」と男をからめとっていく。(続く) #スゴ本オフ

2016-11-26 19:58:18
根岸智幸 @zubapita

(承前)しかし最後の1頁のオチが凄い。世界のすべての色相が失われた中の独白。(了) #スゴ本オフ

2016-11-26 19:58:19