【資料】南スーダン展開が決定した「地域防護部隊(RPF)」に関して9月の時点で挙げられていた問題点|IPI国際平和研究所ブログより #自衛隊派遣
- tkatsumi06j
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20. 〔棄権票を投じた〕エジプトの大使は、決議は南スーダンに対する「恫喝」に相当すると述べ、中国、ロシア、ベネズエラの代表らはともに、「受入国の同意が必要であり、これなくしては地域部隊の派遣など成功する筈がない。部隊の詳細についてより明確化が必要である」と主張した。
2016-11-30 08:21:2721. この政治的膠着により、安保理の代表団は9月にジュバを訪問することを余儀なくされた。代表団の目的は、RPF派遣の道を拓くことであり、そのために人道支援アクターや平和維持軍の移動に対する既存の制約を撤廃し、政治的合意に向けた進展を確保することにあった。
2016-11-30 08:22:0622. 国連本部に戻った安保理代表団は、「訪問の成功」を強調したが、南スーダン政府のある閣僚は「安保理に競り勝った」と述べており、違う印象を持っていた。安保理側が政府の同意を強調したのに対し、政府側はRPFを展開する前に「詳細を詰める協議を行う」ことに重点を置いていた。
2016-11-30 08:23:0623. いかに現地の市民がジュバでの保護を求め、RPFの展開を明確に望んでいても、当の南スーダン政府がその「主権」を脅かされるようなRPFの派遣を懸念し、その行動に(及びその装備する武器にも)制約を設けようしている事実は変わらない。
2016-11-30 08:23:5724. しかもこの政府は、UNMISSの活動を妨害し、時には国連職員を攻撃し(そして殺害し)、UNMISSのヘリを撃墜した前科を持つ政権なのである。 したがって、協力実現の展望は、どの国がRPFを構成するかにかかってくる。
2016-11-30 08:24:43お詫び
「南スーダン展開予定の「防護部隊」に関する主な疑問」 (後編) ※お詫び:拙ブログからのコピペ過程でコピー順序を間違えてしまい、そのまま連ツイしていたため構成が変わってしまっていました。ブログでは正しい順序なのですがTWは論理構成が維持されるようこのまま再編してお届けします。
2016-11-30 12:37:37後編
25. 現在もっとも重要なのは、RPFとキール大統領の政府との関係のあり方である。 2011年にUNMISSが派遣されてからというものの、南スーダン政府当局は、彼らの想定するものとは違うということで、様々な方法でミッションの正当性に挑戦してきた。
2016-11-30 12:38:2226. この関係は2013年12月、内戦の勃発とともに更に悪化した。この時、国連安保理は国家政府が全土に及ぶ権限を掌握するためにUNMISSが支援を行うことを認めず、かわりに、「攻撃の主体にかかわらず物理的な攻撃の危険に晒されている文民」を保護することを認めた。
2016-11-30 12:39:0927. しかし仮にRPFが即応展開できたとしても、部隊は様々に絡み合った課題や政治的な障害に直面するであろう。 マンデート(権限範囲)の現実性 Is the RPF’s Mandate Realistic?
2016-11-30 12:40:09マンデート(権限範囲)の現実性
Is the RPF’s Mandate Realistic?
28. RPFがジュバを「平定」 ("pacify")できるか否かは、反政府軍と政府軍の両者に対する有効な抑止力となり得るかにかかっているが、この場合、その重みは後者にかかる。
2016-11-30 12:40:4229. 部隊が効果的な抑止力足り得るには、軍事的にも政治的にも信頼され、現地当事者及び国際機関によって正当であると認知される存在でなければならない。RPFがそのいずれかになれるかどうかも〔現時点では〕定かではない。
2016-11-30 12:41:4130. RPFの抑止が効かず、強制や容赦のない武力を行使せざるを得なくなったら、その時点で4,000人強の兵力はSPLAと対峙する正当性を失い、ジュバにおける戦闘を激化させ、国連施設に集まっている4万人に及ぶ人びとを更なる危険に晒すことになる。
2016-11-30 12:42:0731. 大過なく順調に推移すれば、RPFはPOCサイトに対するよりよい警備でUNMISSを支援し、空港や主要な輸送路を確保することができるだろう。
2016-11-30 12:42:4732. 但し、南スーダン政府は、こうした措置をとることで更なる外部勢力をジュバに招き入れることになるとして、この権限をRPFに認めることを拒否している。
2016-11-30 12:43:0833. RPFのプレゼンスは、ジュバを反政府勢力から守る抑止力となるかもしれないという見方もあるが、いずれにせよ、ジュバ全体におけるすべての文民や人道支援アクターを保護することはきわめて難しい。
2016-11-30 12:43:3834. 実際、市近辺あるいは市街地において紛争当事者らが直接対峙するような事態に陥った場合、あるいは、武装勢力らが文民の特定の集団を意図的に狙った場合、RPFの「保護」の権限範囲ではこれを実践することは不可能である。
2016-11-30 12:44:0635. つまり、RPFがその権限範囲を如何なく発揮するためには、政府勢力と反政府勢力の両者からの積極的な協力が必要なのである。 どの国がRPFを構成することになるのか Who Will Make up the RPF?
2016-11-30 12:44:45どの国がRPFを構成することになるのか
Who Will Make up the RPF?
36. これまでRPFを構成するTCCの候補には、エチオピア、ケニア、ルワンダの名が挙がっていた。だが、それぞれ固有の問題を抱えている。
2016-11-30 12:46:1537. エチオピアは隣国のエリトリアと国境を挟んで極端な軍事的緊張状態にある。国連PKOにはすでに世界最大級の8,300人の兵員を提供しており、そのうち4,400人をソマリアに派遣している。
2016-11-30 12:46:4238. また〔南スーダンの現政権が敵対する〕ヌエル民族の多くが暮らし、エチオピア軍は最近まで、南スーダンと国境を接するガンベラ地方に強襲したミューレ族の民兵により誘拐された子どもたちを奪還するために越境作戦を展開したばかりである。
2016-11-30 12:48:28