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小説やシナリオに出てくる接続詞で一番使われているのは?

実はアレなんです。 『文章は接続詞で決まる』読書メモ
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平田凡斎 @HBonsai

石黒圭『文章は接続詞で決まる』 (光文社新書)を読んでるんだけど、論理的な文章を書くにあたってなんとなく朧げに扱ってきたことを研究者の目線から固めて切り分けてくれるので目からウロコが落ちまくる。図も豊富だから理解しやすい。 amzn.to/2gbw6Hh

2016-11-21 09:40:03
平田凡斎 @HBonsai

『文章は接続詞で決まる』より。文とは連綿と続く一本の線のように思えるけれど、接続詞を使いこなせば文の構造をまるで四角を並べたように切り分けて固めることができる。 pic.twitter.com/hZAuH6Qiyp

2016-11-21 18:50:54
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平田凡斎 @HBonsai

『文章は接続詞で決まる』より。接続詞を使いこなせば論理の階層を昇ったり降ったり並列させたりできるってあるけど、これWorkFlowyを使ってる人なら日常的にやってるズームイン・ズームアウト・改行そのものだよね pic.twitter.com/OFDWDYyV4s

2016-11-21 18:54:42
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平田凡斎 @HBonsai

例示の接続詞:「たとえば」は使いやすいけど使えない場合もいくつかある。『赤緑時代のポケモンの数』のように当てはまる例が一つしかない場合は『具体的には151』を、「〜なのは〜だからに違いない」のような価値判断の論拠を表す場合は『実際、』『事実、』を使う。

2016-11-22 18:06:26
平田凡斎 @HBonsai

補足の接続詞:日本語には「〜からです」と文末の接続詞だけでその文を補足情報と示せるため、「なぜなら」は使わない方が洗練された文章になる(留学生は母語の影響かよく使う)ただし文頭につけることで今から補足情報が始まると予告できるため文脈の唐突さを和らげる目的ならよし

2016-11-22 18:10:40
平田凡斎 @HBonsai

「ただし」系補足の接続詞:「ただし」は「ここでは水が飲める。ただし、ペットボトルを持参のこと」のような条件としての命令を示唆する。口語では強すぎるので「ただ、ペットボトルは持ってきてください」と略すことも多い。

2016-11-22 18:18:42
平田凡斎 @HBonsai

「ただし」系補足の接続詞:「もっとも」は「もっとも、彼らの言い分にも道理はある」のように文の主張を控えめにして読み手の理解を偏らせない役割がある。「なお」は「なお、首相のガンジー氏の一族はインドの国父マハトマ・ガンジーとは無関係」とそのままだと読み手に誤解を与える情報に警告する。

2016-11-22 18:22:22
平田凡斎 @HBonsai

「ただし」系の接続詞:「ちなみに」は『本題とは関係はないが、参考までに』と読者が興味を持つであろう情報を補足する。例:「この問題の正解は『北海道』で、正答率は48%だった。ちなみに『東北』との誤答が多かった」

2016-11-22 18:25:52
平田凡斎 @HBonsai

小説やシナリオによく使われる接続詞のランキングが一橋大にあった。「しかし・でも」などの逆接は論理構成上省略しにくいから一番使われ、「すると・それから」は視点や場面の展開に使われるのでその後に続くとのこと。読んでてめっちゃ面白い。 hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/1… pic.twitter.com/RkOxu59BpV

2016-11-25 09:45:12
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平田凡斎 @HBonsai

小説において接続詞を多用するべきでない例: pic.twitter.com/aNoIQKNRpM

2016-11-25 17:57:49
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平田凡斎 @HBonsai

『文章は接続詞で決まる』(光文社新書)読了。「もしや自分の文章って単調なのでは?」という疑問を持ったら是非ご一読を。論理の滑らかさを磨けます。作者の専門分野が下敷きになってるので類書は存在せず、『しかし』普遍的な価値を持つ良書です。 amzn.to/2gbw6Hh

2016-11-30 09:25:03
平田凡斎 @HBonsai

文章は接続詞で決まる、詩からの引用も結構あったり「夏目漱石の『それから』は、普通は単体では使わない接続詞をあえてタイトルに持ってくることで書かれていない部分を予感させるという点で秀逸なタイトルだ」などと小説を書く時に使えそうなTipsも結構載ってるのでオススメしておきます

2016-11-30 21:18:39