ジャーナリスト・烏賀陽さん(hirougaya)が和辻哲郎の「風土」を読み返して思ったリテラシーの大衆化
ジャーナリストの烏賀陽(うがや)弘道さんが和辻哲郎著「風土」を読み返して感じたことをツイートしたものをまとめました。なお、烏賀陽さんがここで使っている「リテラシー」は「情報リテラシー」のことです。
- toshihiro36
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烏賀陽 弘道
@hirougaya
意思さえあれば、イラクにだって、パレスチナにだって、アフガニスタンにだって行けます(身の安全は保障しませんが)。すぐに写真や記事をブログに書いておくれます。リテラシーの希少性を基盤とする取材者の特権はもう蒸発してしまいました。
2011-03-08 16:16:59
烏賀陽 弘道
@hirougaya
ですから、こうした希少性を基盤として特権的に発言しようとしても、反駁され、検証され、特権的に好きなことを言えるということは許されません。和辻哲郎も、本多勝一も、開高健も、石川文洋も、あのままの職業形態では、2011年には成立しないのです。
2011-03-08 16:19:32
烏賀陽 弘道
@hirougaya
360度からの激しい検証と反駁に耐えることを書かねばならない、という意味で、現在の記者は、はるかに高いハードルを要求されます。何とやりがいのある時代でしょう。実力のある者にとっては、ですが。
2011-03-08 16:22:45
烏賀陽 弘道
@hirougaya
1950年代のニュース映画見ていたら、「南極探検報道なら朝日新聞」ってCMが入っていて「これこないだ女性記者南極基地に派遣しとったがな」とそのトホホな時代遅れぶりにびっくり。
2011-03-08 16:37:50
烏賀陽 弘道
@hirougaya
いまフロンティアに挑む記者といえば、昔のような移動や情報、通信の希少性における特権者ではありません。「意思」なのです。例えば、戦乱のチェチェンから記事を書いて送るかどうかは、特権性ではなく意思の選択なのです。
2011-03-08 16:59:13
烏賀陽 弘道
@hirougaya
移動手段、通信手段、リテラシーの希少性が知性(報道、学問など)の特権性を担保していたという議論はいつか本に書くぞ。お楽しみに。
2011-03-08 17:00:06
烏賀陽 弘道
@hirougaya
特権性ではなく意思が記者の行動を決めるなら、もはや移動、通信、リテラシーの希少性を担保する組織に所属することが記者の条件ではなくなります。意思は個人がより決定するものであり、組織の意思の決定は常に遅れるからです。
2011-03-08 17:01:48