別冊のりまき文庫

とあるバンドの140文字SS。ただの俺得よせあつめブルース。だいたい腐向け。糖度は高め。 少し増えてきたので分けてみた。※140×5以上のものは専用ページのみ収納。 転石の巻 http://togetter.com/li/146462 接吻の巻 http://togetter.com/li/137123 空気職人の巻 http://togetter.com/li/137127
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@nori_bun

「何か飲むか?」「じゃあお前のが飲みた」「黙れ」カメラを手に取りレンズを向ける。ファインダー越しの彼は次々と表情を変え、その度にシャッターを切った。「そうか…良いこと思い付いた」ベッドに横たわりながら彼が言う。「これからはカメラマンのこと全部お前だと思えばいいんだな」「ん、何で」

2011-05-16 13:31:35
@nori_bun

カメラを通して見つめ合う。「だって、そしたらこんな表情も出来るし」一瞬息を飲み、慎重にシャッターを押す。「…馬鹿、それは俺だけに向けてればいいんだよ。っていうかもう我慢の限界」―数ヶ月後。「何であの写真が表紙になってんだよ!?」「良く撮れてるだろ?転職しようかな」「ファックユー」

2011-05-16 13:31:23
@nori_bun

Terry Tomと待ち合わせ 付き合って間もない頃のイメージ いきなりノマカプしかも季節感無視だけど、急に書きたくなったのでつい

2011-05-19 01:05:26
@nori_bun

いよいよ降り始めた雪を見上げて息を吐く。時計はあえて外してきたからどれくらいここに立っているか分からないけど、冷え切った体の一番奥はそれでも尚熱い。きっと今焦って駆けている彼は凍った道で何度か転んで、そして頭の中で謝罪の言葉を繰り返してる。だから私は怒った振りして待っててあげる。

2011-05-19 01:01:54
@nori_bun

Tom*Steven ツアー中のホテルにて イラストお礼! Steven視点

2011-05-23 03:58:16
@nori_bun

昨夜は結局この部屋に泊まった。何度愛を交わしても次を要求する俺に呆れ果てた彼はもう勃たないと半分キレて言い放ち、それでも何だかんだと夜明けまで続いた延長戦は泥仕合で、今や隣の男は死んでいるんじゃないかというほどに熟睡している。今夜のギグのことを考えると少し反省すべきかもしれない。

2011-05-23 03:56:15
@nori_bun

独占欲が強くて我が儘で嫉妬深くて気紛れで、自分が与えるのと同じかそれ以上の愛が欲しくて、だからいつだって向き合うことに一所懸命なのは俺の方な気がした。フェアじゃない、でも何故か心地良くも感じる。かわすのも上手いが大抵は応えてくれる彼に甘えて困らせてたまに怒られて、それを実感した。

2011-05-23 03:56:04
@nori_bun

ぴたりと体を寄せて指で肩をなぞっていると、「…くすぐったい」「何だ、起きてたのか」「今起きたんだよ。ああ腰痛ぇ」いかにもげんなりといった顔をこちらに向けた。「それは悪かったと思ってる…今日ステージ大丈夫か?」「まぁ何とかなるんじゃない」体を起こした彼に謝罪の意味も込めて口付ける。

2011-05-23 03:55:53
@nori_bun

くすくすと笑うは彼。「鋭い爪も牙も無くなっちゃ王者とも呼べないし、実にお前らしいとは思うけど」「いつか本気で仕留めちまわないか不安だよ」「そこは手加減願いたいね」もう一度、今度は深く。そして全身に降らせるそれはマーキング。ここは俺の縄張りだよ、一舐めすると胸のツバメは飛び立った。

2011-05-23 03:55:41
@nori_bun

Tom*Steven 年代おまかせ Tom視点

2011-05-25 22:37:19
@nori_bun

「何読んでんの?」「ポルノ」ああそう、聞くんじゃなかったと思いながら彼を見ると、「俺のじゃなくてジョーのだよ」そう言って片目を瞑る。ソファの後ろに回りその本に目をやると、よくまあこんな表現が思い付くものだと感心する文言が並ぶ。「長いこと女は抱いてないな…」しまった、だがもう遅い。

2011-05-25 22:36:41
@nori_bun

ページをめくる彼の指が反応した。「抱きたきゃ買ってくればいいだろ」振り返らなくとも分かる明らかに怒気を帯びた声。「いや別に誰でもいいってわけじゃないよ、それに今は女よりお前を抱きたいしね」「ストレート過ぎてつまんねえ」まったく何て厄介な男だ、自分で蒔いた種とは言えため息が零れる。

2011-05-25 22:51:34
@nori_bun

「ポルノ小説並みの表現力を求められても困るな」「じゃあポルノ小説並みの満足は?」尋ねるその声はどこか真剣だ。「それならまぁ…努力するよ」後頭部にキスを落とすとようやくゆっくりと振り向いた。「なぁ…俺のこと愛してる?」上目遣いとその台詞は小説の入れ知恵か?立ちくらみを起こしそうだ。

2011-05-25 22:36:18
@nori_bun

だが本人は至って深刻に言葉を続ける。「もしかしたら無理してるんじゃないかって…本当はやっぱり女の…」「ストップ。あのね、俺はお前だから一緒にいたいし抱きたいとも思うわけ。つまり…愛してるよスティーヴン」「じゃあさっそく満足させてもらおうか?」ああ、その表情は小説よりずっと魔性だ。

2011-05-25 22:36:05
@nori_bun

Tom*Steven リク:甘いトムスチ ほぼリク無視な展開に…これはただのギャグだよ オールメンバー出演 Brad視点

2011-06-14 11:56:59
@nori_bun

ライヴ前というのは誰しもナーバスになるものだ。それはもちろん良い意味での話だが、ことボーカリストに対しては各々気を遣う。あまり話さず少し距離を置く自分とは違い、どんどん絡んで彼とジョークを飛ばし合うのはジョーイ。それがお互いを高め合いまたリラックスの手段でもあるが、少々うるさい。

2011-06-14 11:54:23
@nori_bun

だが彼にとって最も重要な人物は他でもない。「あれ、トムは?」「シャワーじゃね?」やれやれ、しばらくバスルームには近付けそうにない。幸せそうな顔を見送り息を吐く。―「…っ、なぁキスだけじゃなくて…もう一つお願い」「ん?」「喉の調子が微妙なんだ。飲ませてくれない?お前のラヴジュース」

2011-06-14 11:54:12
@nori_bun

「あれ、スティーヴンは?」しまった、こいつを忘れていた。「ええと…発声練習、かな」それを聞いたジョーイが横でゲラゲラ笑っているが、この男に意図を汲み取れるかと聞かれれば、答えはノーだ。―「ん…っ飲ませてって…言っただ、け…っ」「それだけじゃ終わらないって最初から分かってただろ?」

2011-06-14 11:54:02
@nori_bun

セットリストが配られる頃、衣装に着替えた彼らが控室に戻ってきた。「ジョー・ファッキン・ペリー!調子はどうだ最高か?」「ああ至って普通だ。…なるほど発声練習の効果はあったみたいだな」盛大にコーラを噴いて激しくむせているトムの背中を撫でてやる。こうして今日もライヴの幕は開くのだった。

2011-06-14 11:53:43
@nori_bun

Steven (Tom*Steven) 1980s前半 ヤンデレ系スチ

2011-06-28 01:01:36
@nori_bun

あの日俺たちの元を去っていった男のように彼もいつかは離れてしまうのだろうか。その目は冷たく言葉すらなく、一度も振り返ることのない背をただ眺めることしか出来ない、悪夢。その胸に杭を打ち蝶のように留めておこうか、抱いた腕ごとこの身に縫い付けてしまおうか。ああどんなに美しいことだろう。

2011-06-28 00:58:18