『自己犠牲』から見る『魔法少女まどか☆マギカ』と『少女革命ウテナ』

『まどか☆マギカ』最終話視聴後の私の連投Tweetまとめです。 まどマギ関連まとめ:  堀井とき氏の『まどか☆マギカ』最終話感想Tweet   http://togetter.com/li/126631 続きを読む
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烏蛇 @crowserpent

@3zaru 鳳暁生含む多くの「王子様」候補とウテナの違いがここにある。ウテナは王子様としてアンシーを救済しようとしたのではなく、「アンシーと一緒の時間」を取り戻すために棺を開けた。彼女が剣を持たなかったのは、「王子様」の役割を捨てたことを示している。#madoka_magica

2011-04-26 11:42:03
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 結果的に百万の剣に追われることになっても、ウテナが願ったのは「アンシーとのこれから」だった。そこには、さやかやほむらが抱えた矛盾はない。ウテナは自分を犠牲にしようとしてはいなかった。だからこそ、アンシーは自ら立ち上がることができたのだ。#madoka_magica

2011-04-26 11:45:48
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 「ウテナ」は一見、自己犠牲の尊さを語る物語のようでいて、実は「自己犠牲」の危うさを示し、それから零れ落ちるものを掬い取っていく物語になっている。では、「マギカ」の最終回はどうだろうか?#madoka_magica

2011-04-26 11:48:46
烏蛇 @crowserpent

【再掲】 「鹿目まどかが、その存在を賭して守ろうとしたものとは何だったのか?」#madoka_magica

2011-04-26 11:53:15
烏蛇 @crowserpent

@3zaru まどかの願いについて語る前に、まどかがなぜシステムを改変できたのか、という伏線の話をしておこう。魔法少女システムにおいては、ある一点を除いて、絶対にシステムから逃れられない仕様になっている。その一点とはもちろん「契約の時の願い」だ。#madoka_magica

2011-04-26 12:00:32
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 「願い」次第ではシステムに齟齬を生じさせることができることを、暁美ほむらの存在が示している。魔法少女化したまま過去に立ち戻ったほむらは、「契約相手がいない魔法少女」というイレギュラーな存在となり、QBも11話まで事態を把握できなかった。#madoka_magica

2011-04-26 12:04:28
烏蛇 @crowserpent

@3zaru より大きな力を持つまどかなら、「願い」の力でシステム自体を覆せる。これはまどかの魔法少女化を阻止することしか頭にないほむらには気付けないが、視聴者には簡単に気付ける「抜け道」である。ほむらのイレギュラー性がその伏線になっている。#madoka_magica

2011-04-26 12:07:25
烏蛇 @crowserpent

@3zaru まどかが「願い」の力をどのように使うか、が最終話の焦点だったと言っていい。まどかはフリーハンドな力を手にしたわけではないが、「願い」の選択の余地がなかったわけでもない。まどかの「願い」の内容が、結末の全てを決めた#madoka_magica

2011-04-26 12:10:40
烏蛇 @crowserpent

@3zaru では、まどかは何を願い、何を守ろうとしたのか? 魔女化が「なかったこと」になった一方、魔法少女システムそのものは温存され、魔獣という敵が新たに出現した。これがまどかの「想定外」だったとは思えない。#madoka_magica

2011-04-26 12:13:48
烏蛇 @crowserpent

@3zaru まどかの「願い」次第では、魔法少女システムそのものを「なかったこと」にすることもできた。あるいは、歴史に干渉したりせず、さやかやマミさんを取り戻すというささやかな願いだって、もしかすると出来たかもしれない。でも彼女はそう願わなかった。#madoka_magica

2011-04-26 12:17:16
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 「魔法少女」はなぜ温存されたか? ほむらが魔法少女としてのまどかに 救われたように、まどかもまた、魔法少女としてのマミさんやほむらに救われてきたからだ、とは言えないだろうか。魔法少女を無にすることは、彼女らの覚悟や決意をも無にすることだ。#madoka_magica

2011-04-26 12:21:25
烏蛇 @crowserpent

@3zaru まどかは、魔法少女達の過去の「願い」を守ろうとしたのだ。魔女化によって魔法少女による世界への救済が帳消しになり、「願い」が踏み躙られることを拒んだ。#madoka_magica

2011-04-26 12:37:08
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 自己犠牲によって世界を救おうとする者が世界に災厄をもたらしてしまうことを、まどかは否定した。彼女が守ろうとしたものとは、マミさんやほむらを含む過去の魔法少女達の、「使命感」と「プライド」に他ならない。#madoka_magica

2011-04-26 12:42:00
烏蛇 @crowserpent

@3zaru まどかの視線は、「願いを踏み躙ることを許さない」という風に過去に向いている。その代償として彼女は「これからの未来の時間」を喪った、と言ってもいいだろう。#madoka_magica

2011-04-26 12:46:08
烏蛇 @crowserpent

@3zaru まどかは人にあらざる存在になることで、ほむらの辿った時間ループを知り、そして「最高の友達だった」ほむらを取り戻す。けれど、それによって「今のまどかとほむらが、これから紡いでいけたかもしれない新たな時間」は喪われた。#madoka_magica

2011-04-26 12:49:35
烏蛇 @crowserpent

@3zaru ほむらは「最高の友達だったまどか」ではない今のまどかを前に苦しんでいた。けれど、ほむらはその思いを、今のまどかに語ることだってできた。きっと新たに「友達」をやり直していくことだってできたのだ。#madoka_magica

2011-04-26 12:53:12
烏蛇 @crowserpent

@3zaru このことは、ウテナの「思い」と比較するとより明確になる。ウテナは、遠い記憶にあった「王子様になってアンシーを救う」という過去の決意を捨てて(あるいは乗り越えて)、アンシーと新たな時間を紡いでいこうとしたのだから。#madoka_magica

2011-04-26 12:55:30
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 「ウテナ」と「マギカ」の最終回はいずれも自己犠牲によって幕を引いたように見えるが、その内実は対照的だ。未来の時間を見据えた「ウテナ」と、過去の意味に拘った「マギカ」。#madoka_magica

2011-04-26 12:58:33
烏蛇 @crowserpent

@3zaru これは作中に明言されてはいないが、「マギカ」における魔法少女は基本的に「歳をとらない」のではないかと思っていた。魂がソウルジェムとして抜き取られ、身体は魔力で再生できるということは、身体が若いまま変化しなくてもおかしくない。#madoka_magica

2011-04-26 13:03:58
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 最終話でほむらが魔獣と戦うシーンは何年経過しているのか分からないが、ほむらの外見は少女のままである。「ほとんど時間が経っていない」と見ることもできるが、「過去にとらわれ続ける魔法少女」の象徴としての「不老」を読み取ることもできよう。#madoka_magica

2011-04-26 13:07:08
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 「過去の願い」を守ろうとしたまどか、という解釈をしたとき、「まどか☆マギカ」の物語には一つの綻びが生じる。まどかの母、鹿目詢子の存在だ。まどかは母に嘘をついてQBとの契約に向かった。#madoka_magica

2011-04-26 13:14:39
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 鹿目詢子の6話でのセリフ 「大人になるまでに間違え方もちゃんと勉強しておきな」 を思い出して欲しい。言い換えればこれは「間違えてもいいんだよ」ということだ。それに対して、まどかの「願い」はどうだっただろうか。#madoka_magica

2011-04-26 13:22:05
烏蛇 @crowserpent

@3zaru まどかの「願い」は、過去の魔法少女達の願いが「間違っていなかったこと」にしようとするものだった、と言える。これからの未来の「間違えることのできる時間」を代償にして。「間違えておきな」という詢子の言葉は、結局まどかには届かなかった。#madoka_magica

2011-04-26 13:26:20
烏蛇 @crowserpent

@3zaru 最終的な結末に相反するようなセリフを、なぜ鹿目詢子の口から語らせたのかは未だによく分からない。しかし、彼女の存在があるために、物語がより重層的になったとは言えるかもしれない。#madoka_magica

2011-04-26 13:34:13
烏蛇 @crowserpent

ウテナ・マギカ比較論、コアになる部分は大体話した気がするので、一旦休憩にして昼ご飯食べようかな。

2011-04-26 13:41:03