孫崎享氏の「戦争論」

@magosaki_ukeru氏のツイートまとめ。
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孫崎 享 @magosaki_ukeru

戦争論1:授業紹介:戦争論:世界の軍人はどういう思想を学んでいるか。安全保障の戦略を学ぶ人でクラウゼヴィッツの『戦争論』を手にしたことのない人はいない。ではどういう主張をしているか。(1)戦争とは相手にわが意志を強要するための力の行使である。(2)、この論を推し進めた者に

2011-05-14 08:39:40
孫崎 享 @magosaki_ukeru

戦争論2:モルトケ(プロイセンの参謀総長)がいる。彼は「この目的を確実に実施するために、敵を無力化しなければならない」と言っている。ではこの考えが今日でも通用していると思いますか(ほとんどの学生そうと挙手)、今日でも武力紛争では相手の全面降伏を求めている。米国のイラク戦争がそう

2011-05-14 08:40:09
孫崎 享 @magosaki_ukeru

戦争論3:ではこの考え方にどこか問題点はないか(しばしして一人挙手「犠牲が大きすぎる」)。そうです。相手の全面降伏を求めるには自分の犠牲もとてつもなく大きくなる。イラク戦争を例にとって考えてよう。 米国兵の死者数は〇九年三月、四二三〇名を記録した。イラク戦争の経済的負担に関し

2011-05-14 08:40:29
孫崎 享 @magosaki_ukeru

戦争論4:〇八年二月タイムズ紙が「米国はイラクにすでに五千億ドルを投入。直接の出費に加え、米兵死者に対する補償等間接的経費を計算すると三兆ドル」。三兆ドルは莫大な金額。ではこの犠牲で何を達成出来たか。ほとんどない。軍事関係者や軍事評論家のほとんどは、クラウゼヴィッツ的発想をする

2011-05-14 08:41:41
孫崎 享 @magosaki_ukeru

戦争論5:紛争が生ずると「相手にわが意志を強要するため断固対応すべし」と主張する。これによってどれ位の犠牲が出て、目的と釣り合うかという判断をなかなかできない。目的を達成するのは戦争のみでない。外交交渉がある。残念ながらこの分野の発想が貧弱です。

2011-05-14 08:42:06