児玉清さんの文庫解説リスト

今読みたい児玉清さんの解説、まとめ。あるいは、児玉清さんのひととなり。
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tearthepetals_ @tearthepetals_

「ニュースの裏にある底知れぬ闇」(波 2006年3月号 手嶋龍一『ウルトラ・ダラー』)「(略)ニュースの裏にある底知れぬ闇の深さを教えてくれる物語は、特派員であった作者ならではの独壇場。衝撃の事実を小説という薄いオブラートに包んだ手嶋龍一のデビュー小説は、アメリカ大統領レーガン…

2011-05-18 17:04:00
tearthepetals_ @tearthepetals_

…をして、『これは真実の作り話だ』と嘆息させた、トム・クランシーのデビュー作『レッド・オクトーバーを追え』同様、まさに衝撃の一冊だ」

2011-05-18 17:05:39
tearthepetals_ @tearthepetals_

「人の心の底知れぬ闇に挑む」(波 2007年2月号 真保裕一『最愛』)「人間、生きていく上で、もっとも恐れることの一つは、愛する家族や最愛の人の突然の事故の知らせだろう。(略)押村とともに読者も、謎また謎の奔流に巻き込まれ、心をもみくちゃに揺さぶられ、なんなんだ、これはいったい…

2011-05-19 01:10:43
tearthepetals_ @tearthepetals_

…なんなんだ、と呪文を唱えながら物語に引きずりこまれていく。(略)一切の不審と疑問を晴らそうと、眦を決して奔走する押村の熱き心情は、得体の知れない熱の塊の電流となって読む者の心をびりびりしびれさせる。(略)そして、あなたは、人間の心の底知れぬ闇を覗くことになる」

2011-05-19 01:14:57
まさむね @mmmichy

店に在庫があった本から、児玉清さんの文庫解説を引っ張り出していくつか読んでみたが、いやはや、どれも書評として面白い。そしてどれも読みたくなる。冒頭の掴みからして最高に素晴らしいのだ。「思わず読みたくなる推薦文」は、私が目標とするところである。

2011-05-19 01:33:11
まさむね @mmmichy

例を挙げる。城山三郎『そうか、もう君はいないのか』(新潮文庫)の児玉清さん解説冒頭:「たった今、この本を読み終えた方々はいったいどんな気持ちでいるのだろうか。僕はこの本の最後の頁を閉じた瞬間、清々しく身を包む深い感動の波に心をふるわせながら、無情な天を仰いだものだ。」

2011-05-19 01:35:09
まさむね @mmmichy

もう一つ。万城目学『鹿男あをによし』(幻冬舎文庫)の児玉清さん解説冒頭:「小説の面白さは、時々刻々膨張を続ける宇宙のように新たなる未知の未来へと読者を誘う。そんな想いにとらわれたのが、本書『鹿男あをによし』の爆発的な面白さに狂喜したときだった。」

2011-05-19 01:36:25
tearthepetals_ @tearthepetals_

「人生の時間、降り積もる過去」(波 2007年9月号 ジョン・バンヴィル『海に帰る日』)「(略)決して逆戻りすることのできない時間、現実は粛々と過ぎていき、心には取り返しのつかない過去が降り積もっていくばかり。死を目前にして、冷たい現実、更には、もっと冷たい未来を振り捨て、…

2011-05-19 01:30:06
tearthepetals_ @tearthepetals_

…子宮のような、温かい過去という避難所に、いそいそと身を潜めるマックス。/ 一人の人間がこの世に存在するとは、生きるとはどういうことなのか。その人間にとって、過去とは、現在とは、そして未来とは、いったい何を意味するのか―。/ 人間にとってのこうした大命題に真正面から取組み、…

2011-05-19 01:34:23
tearthepetals_ @tearthepetals_

…作者独自の手法、知覚と想像を現実と対立させた哲学的ともいえる考察によって、豊かな言葉を精緻につむいだ本作は、海中から湧き起こる気泡に包まれるような不思議な感覚を呼びさます。マックスの自らへの問いかけは、時に大きなうねりのように読者の心を激しく揺さぶる。」

2011-05-19 01:39:23
tearthepetals_ @tearthepetals_

「『ひょっとすると、人生はそこから立ち去るための長い準備期間にすぎないのかもしれない』のだろうか。過去とはいったい何なのか。それは、結局のところ、かつて現在だったものの積み重ねにすぎない。それ以上のものではないのだろう。だが、にもかかわらず、と書くバンヴィルの小説は、…

2011-05-19 01:42:33
tearthepetals_ @tearthepetals_

…いつか必ず消えていくという宿痾の道を歩む人間の心に鳴り響く永遠の箴言である。」

2011-05-19 01:44:53
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