こういう文庫解説はイヤだ!

主に、ミステリ小説の解説について。どういうスタンスで書いてほしいか、読者はどういう解説を読みたいか、などなど。 関連記事 この文庫解説がスキ! http://togetter.com/li/192129      この文庫解説は読んじゃダメ! http://togetter.com/li/192775
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杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

今月号のミステリマガジンはピーター・フォーク追悼の意味をこめて刑事コロンボ特集。本読みの選ぶベストエピソードの結果も載ってます。私も書いたっす。どうぞご一読を。

2011-09-24 10:43:20
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

でまあそれはいいのだけど、わずか400字の原稿で結末のネタばらしをし、本編を観てから読んでくださいなんて書くのは商業ライターとしては失格の行為だと言わざるを得ない。文庫解説でもこれをやる人がいるのだけど、私はやらない。まして、読まれるのを前提とした雑誌原稿だよ?

2011-09-24 10:46:38
滝@東2ム42b @takimintoo

最近の文庫って皆そうなのかは知らないけど、解説をその作家を知ってるどころか普段本も読まない芸能人にやらせるのってなんなの 「初めて読んだんですけど〜」から始まるメールみたいな読書感想文なんて解説にしちゃダメだよ‥ シリーズものの間の巻とか特にいけないだろ ションボリ

2011-09-24 10:32:40
川出正樹 @ZEZEZENZO

先に公式RTした「ミステリマガジン」コロンボ特集エッセイでのネタばらしに関する問題、書く方も書く方だが「編集者の見識も疑う」という点も含めて、@from4atohomania 氏の意見に全面的に同意。なによりも読者を第一に考えない姿勢が私には理解不能。

2011-09-24 11:47:47
川出正樹 @ZEZEZENZO

また、文庫解説を書く際に「ネタばらしをしていますので本編読了後にお読み下さい云々」という断り書きを入れるタイプの解説を書く人もいるが自分では書かないという姿勢も @from41tohomania 氏とまったく同じ。

2011-09-24 11:56:11
川出正樹 @ZEZEZENZO

文庫解説の第一義は、「その本を手に取った人にいかに面白い作品であるかを訴え、潜在的読者の背中を押すこと」と考えているので、「ネタばらしありの解説」は原則として書かない。

2011-09-24 12:02:44
川出正樹 @ZEZEZENZO

これまでにネタを割って書いた解説は、ウィリアム・モール『ハマースミスのうじ虫』(創元推理文庫)と山田風太郎『棺の中の悦楽』(光文社文庫)の2作のみ。前者はこれまで謎に包まれていた作者の経歴と作品とを重ねて論じ、その素顔を明らかにするという目的から(続)

2011-09-24 12:09:56
川出正樹 @ZEZEZENZO

後者は「日本におけるノワール作家の嚆矢は山田風太郎である」という論を提示するために、原則をまげてネタばらしをさせて頂いた。特に後者は、作者の知名度と繰り返し刊行されてきた作品であるという理由、編者である日下三蔵氏の解題が付くという理由から、すっぱりと割り切って書いた。

2011-09-24 12:13:36
吉野仁 Jin Yoshino @crimezanmai

 で、きのう読んだキング『シャイニング』(文春文庫)は2008年の新装版。解説が某作家なのだが、これ、正直言ってつまらない。自分の読書体験からはじまり、最後にさらっとキングに触れているだけ。これが雑誌とかのエッセイならまだいいのだけど、わざわざ新装版の巻末につける意味があるのか。

2011-09-24 12:01:53
吉野仁 Jin Yoshino @crimezanmai

ちょうど町山智浩さんがきのうツィッターで、「洋泉社の「仰天カルト・ムービー100」はなんでこんなにつまんないんだろ?」って語ってた。「人々を熱狂させる映画についての本なのにまるで熱狂の無い本。文章のユーモアの無さも辛いなー。」と。

2011-09-24 12:05:09
吉野仁 Jin Yoshino @crimezanmai

でかつて町山さんは宝島時代「このビデオを観ろ」をつくったとき、「その映画について一番燃える人に書かせたし、文章が爆走するまで何度も書き直させたし」と。まぁ、文庫解説と「カルト本ガイド」の違いはあるので単純に一緒にできないが。人気作家の解説でファン層が広がるという長所もある。  

2011-09-24 12:07:44
吉野仁 Jin Yoshino @crimezanmai

あ「カルト本ガイド」じゃなくて「カルト映画ガイド」の間違いだ。

2011-09-24 12:09:19
吉野仁 Jin Yoshino @crimezanmai

@ZEZEZENZO  でもわたしは、 それぞれ、いろんなスタイルの文庫解説があっていいかと思います。ネタをばらしてないけど、ズレた読みどころを示したり、やたら煽ってるだけだったり(そこまで言うほどたいした作品でもないのに)、と思うことも多々ありますし。

2011-09-24 12:16:56
川出正樹 @ZEZEZENZO

@crimezanmai スタイルの多様性は当然ありだと思います。エッセイ風であれ、評論であれ。ただネタばらしというスタイルは潜在読者に対して背中を押す機能を果たせないという点で、私の考える解説の目的を半分以上放棄していると思うため個人的には書かないようにしています。

2011-09-24 12:30:24
川出正樹 @ZEZEZENZO

@crimezanmai あと、「ズレた読みどころを示したり、やたら煽ってるだけ」の解説というのは、そもそも質が低いという点が問題なのであって「ネタばらし解説の是非」とはまた別の問題になるかと思います。「潜在読者層の背中を押さない/間違って推す」という弊害はありますが。

2011-09-24 12:31:54
吉野仁 Jin Yoshino @crimezanmai

@ZEZEZENZO たとえば書店で解説を先読みしてから買うのを決める、って人向けの配慮ですね。>ネタをばらさない。もしくは、「本文を読んでから」と断りをつけるような文章は書かない。

2011-09-24 12:48:54
吉野仁 Jin Yoshino @crimezanmai

ただ、わたし、すべてのネタを全部明かして、その本を何度も読んだという人に向けてだけ書いたような解説をもっと読みたいと個人的には思ってるのだった。普通に読んでいたら気づかない点をびしばし指摘してるような解説だ。もしくは読み終えてこそ語りたくなる要素に言及した文章。

2011-09-24 12:52:18
川出正樹 @ZEZEZENZO

@crimezanmai そうです。文庫解説にはいくつも意義/目的がありますが、私としては「作品と潜在読者との橋渡し役」という側面を最重要視しております。

2011-09-24 12:54:16
川出正樹 @ZEZEZENZO

ただしどこからがネタばらしとなるのかは非常に微妙な問題。結末を割るのは問題外だが300ページの小説で100ページで明かされる事実に触れて善いかどうかは一概には言えず結局は作品毎に考えるしかない。(続)

2011-09-24 13:05:26
川出正樹 @ZEZEZENZO

例えば最近書いた例でいうとジャック・カーリイ『ブラッド・ブラザー』(文春文庫)の場合、被害者の名前は冒頭わずか10ページ目で明かされるが、これを書くことは避けた。編集者とも話し合い票4の紹介文や帯の惹句でも触れないこととなった。読者の楽しみを奪ってはならないと思ったからだ。

2011-09-24 13:08:48
川出正樹 @ZEZEZENZO

とはいえ、どう感じるかはあくまでも読む側に主導権がある。書く側がここまでは許容範囲と思っていても、余計な先入観を与えられたと感じる方も当然いる。毎回一番悩ましい問題だが、だからこそやりがいを感じる問題でもある。

2011-09-24 13:16:29
K島氏 @blue_airship

@ZEZEZENZO イントロが矢鱈に長かったり、冒頭に謎が何もなかったり何も起きなかったりすると、内容自体なにも触れられなくなってしまいますからね。多くの場合、それは作品自体の問題でもあるわけですが、だからといって内容紹介を放擲するわけにもいかず。

2011-09-24 13:26:46
川出正樹 @ZEZEZENZO

@blue_airship 確かにそういう作品の場合、内容紹介は解説以上に悩ましいですね。また冒頭から次々に謎が提示されあれよあれよという間に、出だしてはまったく違うところに連れて行かれる作品の紹介も悩ましいです。

2011-09-24 13:42:42
K島氏 @blue_airship

内容紹介が書きにくかった担当作品は、ここに挙げても支障のない範囲で言うなら、両巨頭は竹本健治さんの『トランプ殺人事件』と辻真先さんの『天使の殺人[完全版]』です。しかも『トランプ』のほうは、先行する新潮文庫・角川文庫とはできる限り異なる紹介文にしようと必死になった記憶があります。

2011-09-24 13:49:33