こういう文庫解説はイヤだ!

主に、ミステリ小説の解説について。どういうスタンスで書いてほしいか、読者はどういう解説を読みたいか、などなど。 関連記事 この文庫解説がスキ! http://togetter.com/li/192129      この文庫解説は読んじゃダメ! http://togetter.com/li/192775
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K島氏 @blue_airship

あとは、岩崎正吾さんの『探偵の秋あるいは猥の悲劇』(文庫版)の内容紹介も、実は影でかなり苦労して書き上げました。この作品が、入社してはじめて担当した一冊であった、ということとはまた違う意味で。次に担当した倉知淳さん『占い師はお昼寝中』の内容紹介の、なんと書きやすかったことか。

2011-09-24 13:54:59
川出正樹 @ZEZEZENZO

解説を書くのも大変難しかったです。 @blue_airship 内容紹介が書きにくかった担当作品//辻真先さんの『天使の殺人[完全版]』です。

2011-09-24 14:06:48
K島氏 @blue_airship

@ZEZEZENZO なるほど、それは純粋に冒頭の内容を紹介すればよい編集者とはまた異なる悩みですね。編集は冒頭に触れておいて、締めの部分で「驚愕の展開が」としておけば済みますが、全体を総括しなければならない書評はそうもいきませんから……でも、そこが腕の見せどころでもありますね。

2011-09-24 14:07:15
K島氏 @blue_airship

@ZEZEZENZO 御苦労をおかけしました、どうもありがとうございました。しかし作品が傑作だからこその御苦労だったと思いますし、作品に負けない解説を戴いたと感謝しております。僕にとって初期(編集者キャリア)の自信の一冊であり代表の一冊です。

2011-09-24 14:11:36
川出正樹 @ZEZEZENZO

@blue_airship ありがとうございます。『天使の殺人[完全版]』の解説を書かせていただけた時は、この稼業をしていて本当に良かったと思いました。今読み返すと、自分語りの部分にかゆくなりますが、それでもやはりこれまで書いた解説の中で特に気に入っているものの一つです。

2011-09-24 14:35:08
shaka @kleza

文庫解説についてのツイートの数々は非常に興味深い。意見が色々と出るのは、まずターゲットが誰なのか、ということがそれぞれ違うからだと思う。これは解説を依頼する側も指定すべきだと思うのよね

2011-09-24 14:04:11
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

文庫解説を含めたネタばらし・読者に与える先入観の問題は@ZEZEZENZO 氏の示された意見に完全同意。売文家として読者を意識するという態度に共感を覚える。

2011-09-24 14:02:01
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

そして@crimezanmai 氏の多様性を求める発言、及び願わくは徹底的に分析を行った文章を読んでみたいという箇所にも同意する。私も読みたい。ただしそれは評論の範疇に入るものであり、文庫解説のような場ではなくて自身の著書で評論家がやるべきと感じる。

2011-09-24 14:06:41
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

また@crimezanmai 氏が書かれていた作家の随筆風解説については、私もその手の文章がついていると物足りなく思うことを表明しておく。もちろん作家が書いた鋭い分析の解説は多いが、その方のファンしか興味を持てないような「オレオレ解説」も存在する。書かせるなよ、と編集者を恨む。

2011-09-24 14:12:21
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

もう一つ苦手なのが「私ファンの代表で書いちゃいました。みんなもさん好きだよねテヘ」みたいな解説だ。書き手が作品と距離をとれていなくてうんざりする。「ファンなのはわかったから同人誌でやれ」と思う。肩書きはプロなのにそれに釣り合わない文章を書く人もいてしばしば残念に思う。

2011-09-24 14:17:44
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

ついでに書いておくが、「小説すばる」で池上冬樹氏がやっている「この文庫解説がすごい(不正確)」の連載は、作家や過去のビッグネームが書いたものを多く取り上げる傾向があり、発見が少なくて私は全然おもしろくない。なぜ同時代の書き手と切り結ばないのかと思う。だれか対抗企画をやらないかな。

2011-09-24 14:23:51
pelebo @pelebo

やってほしいなあ。 RT @from41tohomania「小説すばる」で池上冬樹氏がやっている「この文庫解説がすごい(不正確)」の連載は、作家や過去のビッグネームが書いたものを多く取り上げる傾向があり、発見が少なくて私は全然おもしろくない。//だれか対抗企画をやらないかな。

2011-09-24 14:59:21
K島氏 @blue_airship

ついでに。文庫解説者に若い評者を抜擢(というと偉そうですが)したいと思っても、長文のサンプルが何も無いため、どういったものができあがるのか想像がつかず不安で依頼できない、というのが正直なところです。Twitterでのつぶやきが面白くとも、長文を書き上げる能力とは関係ないのですよ。

2011-09-24 14:41:19
K島氏 @blue_airship

志を持つ方はぜひ自主的に、原稿用紙10枚相当の長文のサンプルを複数書き上げておくべきではないかと思います。以前は同人誌とか会誌とかブログとか、いろいろ長文を書く機会もあったでしょうが、現在においては各個人で能動的なスタンスをとるしかないでしょうし。

2011-09-24 14:49:41
吉美駿一郎 @shunicirou

作家の書いた文庫解説、おれは新井素子さんの解説は好きだったな。新井素子さんの解説読んで、岡嶋二人に興味を持ったのを今でも覚えてる。確か「ライトノベル☆めった斬り」で三村美衣さんが「新井素子の浸透力は突出している」みたいなことを書いてたんだけど、ほんとにそうだった。

2011-09-24 14:50:25
吉美駿一郎 @shunicirou

で、新井素子さんの書いた岡嶋二人の解説は、確か、解散に対する「いちゃもん」だった。岡嶋二人の作品が好きで、既刊の作品をこれだけ読んできたのに、という内容だったように思う。それで岡嶋二人を遡って追いかけた。作家の書いた解説で、あの新井素子さんの解説に勝るようなものは、あまり見ない。

2011-09-24 14:53:32
吉美駿一郎 @shunicirou

文庫解説の役割が「潜在読者の背中を押す」だったら、「これまでの作品に対する興味を抱かせる」というのもあるわけで、その点が新井素子は抜群にうまかった。でも現代作家が同時代の作家を読みまくった挙句、解説を書く、という幸せな時代はもう過ぎちゃったのかな。

2011-09-24 14:57:00
吉美駿一郎 @shunicirou

というわけで恋文のような解説は、おれは好きです。ただし、作品に対するラブレターに限るけどw

2011-09-24 15:00:42
nonnon925 @nonnon925

@shunicirou 児玉清さんの解説もラブレター(作家と作品への)のようだなと感じることが多かったです。読んでいて幸せな解説でした。

2011-09-24 15:03:50
吉美駿一郎 @shunicirou

@nonnon925 わかります、それ! 児玉さんの解説は、ほんとうに、読んでいて幸せな気持ちになりますよねえ。ああいう惚れ込んだ解説をもっと読みたいと思うことが多いです。

2011-09-24 18:05:28
@necoyasyoten

TLに文庫解説やネタバレについての諸々が流れてきたので、ただの一読者としてぽつりと言いたいことがあるので書きます(多分長いですごめんなさい)→

2011-09-24 15:00:54
@necoyasyoten

私は文庫を読み終わってから必ず解説を読みます。それは始めからそうだったわけじゃなくて、ある小説の解説がきっかけでした。その小説は、読み終わるとどうしようもない感情が渦巻いてしまって、涙どころか言葉すら出てこない物語で。

2011-09-24 15:04:36
@necoyasyoten

圧倒され打ちのめされたまま解説をぱらりとすると、大変ユーモラスで楽しい語り口で、作家と周辺の小説における情報や、著者の感想などが書かれていて、ちょっと読後の緊張がほどけ、同じ作家の別の本も読んでみようと鼻唄まじりにページをぱらり

2011-09-24 15:09:05
@necoyasyoten

しかしこの解説が最後に用意していた「本編の解説」にもう号泣。言葉にならなかった感情に名前がつけられ、何が引っ掛かっていたのか解った瞬間に、本編それ自体への感動が二倍三倍に膨れ上がりました。初読から三年も経つのに、未だに思い出すだけで涙が。

2011-09-24 15:12:42
@necoyasyoten

それ以来、かならず解説を読むようにしています。中には合わないものもあるけれど、私は文庫解説を「読後の感想を一番始めに語り合う最良の友人」だと思っています。もちろん、頷き合えることもあれば、不快に思うことも、何かズレてると感じることもある。

2011-09-24 15:16:30