ミステリマガジン誌上の権田萬治さんと笠井潔さんの「大量死論」をめぐる論争についてまとめ

ミステリマガジン誌上の権田萬治さんと笠井潔さんの「大量死論」をめぐる論争について中心にまとめました。権田さんと笠井さんの誌上でのやりとりは、ミステリマガジン2011年3、5、7月号に掲載されています。みなさまのつぶやきご意見、たいへん参考にさせていただいています。
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原田 忠男 @harapion

(2)中井英夫の『虚無への供物』は、世界の不条理な死に対して、精神的な均衡を維持するために、耽美的な倒錯の性や、探偵小説的な犯罪を構築せざるを得ない人間心理の絡繰りを暴き出す。

2011-05-28 00:29:36
杉本@むにゅ10号 @longfish801

そしてその「もっとうまい説明」を、笠井潔自身がミネルヴァ連載で継続して続けてきた。モダニズム=アヴァンギャルド芸術運動、ポストモダン、オタクやセカイ系といった外部との関係。後期クイーン問題や叙述トリックといったミステリ内部の基礎の問い直し。なので……大量死理論……ねえ……。

2011-05-28 00:30:48
杉本@むにゅ10号 @longfish801

そしてその「もっとうまい説明」を、笠井潔自身がミネルヴァ連載で継続して続けてきた。モダニズム=アヴァンギャルド芸術運動、ポストモダン、オタクやセカイ系といった外部との関係。後期クイーン問題や叙述トリックといったミステリ内部の基礎の問い直し。なので……大量死理論……ねえ……。

2011-05-28 00:30:48
原田 忠男 @harapion

(3)特殊解である『虚無への供物』を、大量死の時代に抗して生まれた実存哲学を意識しつつ、一般解に発展させると、笠井潔の大量死理論になるのではないか。すなわち、大量死に抗して生まれた実存哲学の双子の子供として、探偵小説を位置づける。

2011-05-28 00:34:17
原田 忠男 @harapion

(4)しかしながら、『虚無への供物』は、反世界としての探偵小説的世界を、大量死理論のように肯定しているのではなく、その背後にルサンチマンが隠されていることを暴露するかたちで、告発しているように読める。

2011-05-28 00:39:09
原田 忠男 @harapion

(5)実存哲学にも、『虚無への供物』にも、不条理な現実に対して背後世界をつくってしまうことに対するストイシズムがある。実は『テロルの現象学』にも観念論批判、あるいは観念の倒錯批判というかたちで、ストイシズムが機能している。しかしながら、大量死理論になると、それが機能していない。

2011-05-28 00:45:27
原田 忠男 @harapion

(6)実のところ、震災が起きた後で、大量死理論について云々するのも、何か憚られる気がする。例を挙げて言えば、仮にローラ・パーマーの死体が美しくて、そう云われたとしても、本人にとっては何の慰めにもならない、それに尽きる。

2011-05-28 00:50:59
漆原正貴 @japanfield

現代本格の二大問題といえば、後期クイーンと大量死……という理解で良いのかな。他に論ずるべき(キャッチーな)テーマってありましたっけ。

2011-05-28 00:56:13
@bottle0neck

@yossie_beroniq その国でミステリが流行るためには、土壌として、例えば戦争などの大量死が必要だって理論。笠井潔がマルクスの構造主義で理論付けして発表した。ただ詳しく説明しろと言われたらあぼん。勉強不足です。

2011-05-28 01:27:02
秋月耕太✨オタクに優しいギャルは存在する! @k_akiduki

「大量死理論」に対抗する「腹上死理論」ってのはどうだろう。腹上死こそ究極の特権的な死ですよ!

2011-05-28 09:12:17
ogawab @ogawab

安藤礼二の「『虚無への供物』論」(現在は『光の曼荼羅』所収)は笠井「大量死」論への痛烈な批判にもなっているが、ほとんど読まれてないのね。本格ミステリ大賞の候補にすら挙がってないのは残念だ(有栖川有栖が言及したぐらい)。

2011-05-28 12:08:43
しょーけん@ヴァニラ @syoken_vanille

笠井潔の論はいつも面白いと思うけど、ツッコミたいところも多い...

2011-05-29 04:47:44
砂時計 @y_m_sunadokei

『ミステリマガジン』で権田萬治vs笠井潔の大量死理論をめぐる論争が繰り広げられている一方で、『小説推理』で先月から連載がスタートした郷原宏「日本ミステリー論争史」。今は佐野洋vs都筑道夫の名探偵論争が取り上げられてるけど「笠井潔のいわゆる「第三の波」」についても後に触れるみたい。

2011-05-29 18:49:59
牛より豚の方が好きです @shaito_kan

というか、最近の若い人はたぶん笠井潔さんとか知らないんだろうな。だって柄谷行人さんとかもどうせ読まないんだろうし。加藤典洋さんとかも、どうせ読まないんだろうな。なんというかやっぱり時代を超えて読まれるべき本ってあると思うんですよ。

2011-05-29 21:00:00
杉本@むにゅ10号 @longfish801

笠井潔『探偵小説と叙述トリック』読了。「ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつか?」連載をまとめた第四巻は叙述トリックの変遷を論じる。意図的な言い落としで近代小説の形式をパロディ化したポー。技法を洗練させ形式化の問題に直面したクリスティ。エンタメ化でむしろ近代小説の活力剤となった新本格。

2011-05-30 23:50:42
相楽 @sagara1

このまとめの流れも、「大量死理論」も理論そのものは興味深い。ただ、そこからの応用というか、個別具体的な作品への批判(それこそ『容疑者Xへの献身』での往復書簡(でしたっけ?)など)には首を傾げることも多く(続く)

2011-05-31 21:20:28
相楽 @sagara1

(続き)ゼロ年代というか奈須きのこの新伝奇云々の位置づけ方というか、引き込み方はどうなんだろ、と思われることもあり。その辺あたりから、どうしても揶揄くらいはしたくなるという話なのだけど・・・。うーん。

2011-05-31 21:21:53
相楽 @sagara1

@kozukata ええと、元々の捕捉して頂いた発言が、こちらのhttp://p.tl/oFFZ ゼロ年代云々の雑談のもので、正面きって大量死の理論を扱おうという話ではない(少なくとも僕にはそれをやる識見の持ち合わせがおよそありません)というか、その難しさを言ったものですので……

2011-06-01 15:23:43
相楽 @sagara1

@kozukata より率直に言えば、僕の感想など取り上げられてもそうでなくてもどうでも良い一方、「大量死の理論」とその具体的な作品批評への適用・応用などを巡る「千街晶之VS笠井潔」という注目の一戦がミステリマガジン上でなりなんなり行われるならば、是非読んでみたいと思う次第です。

2011-06-01 15:26:12
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