きのうは河原の掃除をした。河口から2kmぐらいだけど、家は浸水していて大量のがれきが流れついている。町の施策でここ一面に菜の花を植えることになっているようだ
2011-05-28 09:34:38重機はすでに入っていて大きながれきは撤去されているんだが、ここから先は人力で取り除くしかない。泥にいろんなものが混然一体となって混ざっている。建材の破片はもちろん、レモン絞り器、北斗の拳コミックス、3時20分で止まった時計
2011-05-28 09:41:46500mほど下流の病院から流れてきたCT写真や薬。風化した衣類。若い女の子の化粧箱まるごと。ヘアピンやマスカラやマニキュアと一緒に小ビンに入った星の砂が入ってた。ビンはこなごなに割れていた。彼女にとっては宝箱だったのだろう
2011-05-28 09:54:05かつて意味のあったものが全部小さく細かくなっていて、壊れたのは建物じゃなくて生活だったことを知る。それら人の生きた跡と同じぐらい木の枝も埋まっている。自然物と人工物の区別がよくわからなくなる
2011-05-28 10:04:24河原には花が手向けてある。きっとたくさんの人がここで人生を終えた。かつて何かだったモノの破片だけが大量に残っている。重機が入って一見きれいになったように見えるけど
2011-05-28 10:44:33ボラセンでレーキを借りて、掻いて拾うのくり返し。ちょうどいい「きのぼう」をてにいれたのでこれをぶきにする。すぐにあちこちに山ができる。プラでもグラスウールでも火をつけて端から燃やす
2011-05-28 10:44:51掘っても掘っても何かが出る。30人近くで一日作業をしても野球場の広さも終わらない。一度で済む作業ではなくて、雨が降って泥が流れたらまた同じ作業をする。何度か繰り返してようやく菜の花の種を蒔ける。塩水に浸かった田んぼや畑のことを考えて気が遠くなる
2011-05-28 10:45:03どうやって大槌まで来たかというと、岩手の観光バス会社が出してるボランティアバスに乗ってきました。理由はスケジュールがちょうど合うのがここだけだったというのと、あとは「宿泊:遠野ふるさと園内 伝統的な南部曲り屋」と書かれていたこと
2011-05-29 01:03:07ツアー人数は約30人、男女ほぼ同数で年代もきれいにばらけている。初ボラの人が多いがリピーターもいる。経験をひけらかす人も働かない人もいなくて、よい人たちに恵まれた。東京の人が多いが東海や九州からも来ている。有給を一日取って来た人もいるしあと失業中の人もわりといます
2011-05-29 01:16:13作業は2日間で2泊+車中1泊。2日目の作業後に1泊できるのが私のような体力なしにはありがたい。食事は出してもらえる。夜はお弁当だけど生ビールも飲める。ごみ焼却場の熱で沸かした市営お風呂にも連れてってもらえる
2011-05-29 01:20:55宿泊先の遠野ふるさと園は古民家園です。ふだんは(校外学習とか以外は)宿泊はしてないけど、いま特別にボラ拠点になっている。食堂で朝晩の食事と、あとお昼のおにぎりも作ってもらえる。とても親切にしてもらった
2011-05-29 01:31:28曲り屋は人と馬ちゃんが一緒に暮らすための家です。馬が住む土間部分と、人間が住む棟がL字型につながってるから曲り家。土間には馬のカイバを煮るための大きなかまどがある。一棟の田の字平面を開放して女子13人雑魚寝。男子小屋は天井裏の収納スペースもあるもっとりっぱな家
2011-05-29 01:36:04遠野は三陸からいちばん近い内陸部の町なので、災害支援の拠点になっていて、自衛隊や警察の車も多い。そして道路の至るところに「支援ありがとう」の横断幕がかけられている
2011-05-29 01:41:41遠野から大槌まで1.5時間か2時間ぐらい。農協の作業場にテント張った仮設ボラセンにまず行く。そしてその日の仕事を割り振られる。作業は9時から12時、あと1時から3時までと決められている。宮城は4時までだってね
2011-05-29 01:52:50ボラセンにはうがい薬と消毒薬が用意されていて、長靴や道具の泥はばいきんの巣だからちゃんと洗わないとだめ。お昼にはブルーシートが敷かれて休憩できる。リピーターによるとGWの頃に比べてだいぶ整備されたそうだ
2011-05-29 01:57:13地域全体に干物工場というか磯のにおいを8倍濃縮した感じのにおいがする。防臭マスクをしていてもすきまからまだにおう。ただ覚悟していたほどでもなかった。そこらじゅうに散乱していたという魚は片付けられていた
2011-05-29 02:01:50連投ずばびぜん、まだあるけどもう寝る。作業は今日で終わりで明日は帰るだけです。外のトイレが暗い&怖くて行きたくない。てかダービーは今年も泥馬場なの???
2011-05-29 02:13:51現地に行こうと思ったのは、小暇と小金のある人間が行くべきだと思ったからですが、ちょっとためらったのは、非力で体力なしのみ江さんが役に立つのかということ。ボラバスがいろいろ出てるけど、すぐ満席になってなかなか取れないとも聞く。私の席を屈強な若い男子に譲るべきではないかと
2011-05-30 08:49:58でもどうもそうでもないらしい。たとえば家の泥出しなんかも力仕事ではあるけど、依頼主にしてみれば見知らぬ人を家に上げるわけだから、女の人が来たほうが安心て面もあるようだ。依頼主の主婦やおばあちゃんが同年代の女性ボラに心を開いて話をしたりすることもあるみたい
2011-05-30 08:50:18河原掃除一つとっても、大勢で作業してると、スコップふるってがすがす進める人と、細かいブツを丁寧に拾う人とが自然に出てくる。多様な人がいたほうがいい。人手は圧倒的に足りてないから、自分が行っても役に立たないだろうなんて思わないで、行った方がいい
2011-05-30 08:50:372日間現地でアテンドしてくれたのは、今井さんという自分も被災された方だった。宮古で勤めていた施設が流されて、自分の真横まで迫る波から走って逃げた。津波が来てからの生活、心情、私たちに望むこと、まっすぐに話してくれた。この人が添乗してくれたのは何よりだった
2011-05-30 08:50:57今井さんが言ってたこと。被災地に来るのは興味本位でいい。来て考えてくれればいいから。写真は遠慮しないで撮っていい。来た人には見たものを伝える義務があるから。がんばれって言われると当惑するけど、がんばりましょうって言ってもらえると励みになる
2011-05-30 08:51:28阪神淡路の反省で、自給できないボランティアは迷惑なだけという認識が広まった。たしかに災害直後の混乱期はそうだ。でも今は周辺には食事やお風呂や宿泊を提供できるところもある。指示系統ができて、ボラセンも整備されてきている。素人が働ける環境が整ってきた
2011-05-30 08:53:36