CCさくらは近年の美少女絵にどう影響を与えたか？＆さくら作画語り

齋藤 雄志 @Yuusisaitou

さて、ここまではたただの「前置き」 ここからはさくら本編の作画語りに移ります。 まずオープニングのこのカットについて。 pic.twitter.com/rkeOkSVffO

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さくらを象徴する非常に印象的なカットなので逃せません。CCさくら史テストに出るカットです。画像をキャプチャーして合成して一枚絵にしました。 で、この画像作る過程で気づいたんですが、微妙に噛み合わないんですねこのカット。 pic.twitter.com/cvCtvxZ5pz

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最初はこのカット、一枚絵をスライドさせてるだけなのかと思ってたんですけど、どうやらこれ「全作画」です。 その証拠がこれです。黄色の枠は一番下の手に合わせて延長してあります。上にいくにつれ手が胴体から少し開いてますね。 pic.twitter.com/rDwz4T2r78

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更に他の部分も透過してみました。最後のほうの上半身のカットはスライドかと思いましたがやはり帽子の凹凸や腕が微妙に合わないので作画によるスクロール表現なんですねこのカット。 pic.twitter.com/aXtVdjawGs

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このカット、設定と比べるとちょっと足が短いなって思うんですよ。さくらの絵は足が長いデザインなので。 類似カットと縮小率を合わせて並べるとやっぱりちょっと足が短いです。これも単純な一枚絵スクロールじゃない証拠ですね。作画で送ってるから繋げても微妙に整合性が微妙に取れない。 pic.twitter.com/mu6Ppel9Xh

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ハイ、これテストに出るのでメモしておいてください。『さくらのOPのファーストカットはスライドじゃなく全作画』 現職の総理大臣の名前は出なくてもこの知識は出るようにしておいてください。 pic.twitter.com/BTqqViGpxU

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次はこのカット。第一話冒頭のトランス状態のさくらの横顔ですね。 ハイライトを目からはみ出させて忘我状態を表現してます。唇の上の微かな影、下からのライティングを表す影付け等、とっても美しいです。 目の大きな萌え系の絵は横顔が難しいんですが、完璧な「横顔」ですねこれは。 pic.twitter.com/mwpC5JahN1

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お次はこの「おねむのさくら」 高橋さんの説明で「表情がうまい」とありましたが漫画家やアニメーターさんの中でも実は表情が上手い人とそうでない人がいます。 漫画アニメは元々記号的な表現で出来た顔なので、ちょっとでも崩すと別人に見えたりしてしまう。髪を隠すと見分けがつかないとか。 pic.twitter.com/fHmSrpLvht

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細かなニュアンスの表情を描き分けられる人は結構少ない。この「ねむいカオ」はなかなか描けないです。ついデフォルメに逃げがちなところを、ニュートラルの絵を崩さずに「眠そう」な顔にしてる。 こういうのはキャラデザをしたご当人しか描けないカットですね。他の人が描くとなんか違ってしまう。 pic.twitter.com/HHHWpXM8Cj

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次は伝説の「さくら怪獣じゃないもん！」です。 三枚目まではコマ送りしないとよく見れません。斜め顔の立体感が素晴らしい。 pic.twitter.com/bMUIajCHFc

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高橋さんはさくらが怒ったり力んだりしてる顔がうまい。原作や新しいアニメ版ではこうしたニュアンスが出せてない気がします。デフォルメに走るか、いつもホワホワした顔をしてる。 pic.twitter.com/qRQtbR23eK

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次は「いただきます」カット。指が反った表現がかわいいですね。こういう細かいところで総体的な印象が変わってくるんです。 旧作は襟足が結構長いです。クリアカード編は原作準拠ではあるけどちょっと短すぎるんだよなぁ。 pic.twitter.com/gNJAx2Ss1x

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ここも指がかわいいです。 この俯瞰のアングル、今でこそ珍しくないけど当時は物凄いリッチなカットだったと思います。少女漫画系のカオは角度を付けるとすぐ破綻してしまう中で、ナナメのフカンで破綻が全くないのは相当新しかったはず。 これもキャラデザ時点で立体感が意識されてるが故。 pic.twitter.com/NYqbdECNpJ

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【オマケ】 プロテクターの描き込みが地味に凄いカット。 高橋さんが修正されたかはわかりませんが(キャラじゃなく小道具カットと言えるので、誰かに描いてもらうこともなくそのまま高橋さんが原画描かれてる気がしますが)、この線による汚しと立体感の付け方は大友さん的ですね pic.twitter.com/Sigx7B1BUT

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ちなみに以前もアップしましたが 「高橋さんの描く手が好きすぎる自作画像集」もあります。全てが高橋さんの作画かは不明(特に劇場版のはたぶん中華料理屋以外は桜井さん) pic.twitter.com/xdMSSUg37C

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ここの下二枚は「意外と持ち方汚ぇなｗ(カワイイ)」とかちょっと思うのですが、ここ桃矢が先に出てしまうってことで焦ってご飯かっ込むカットなんですよね。その前の一枚目は綺麗に指を揃えて持ってる。 もしかしたらその辺のニュアンスも計算されて描かれてる…？あな恐ろしや！ pic.twitter.com/xaDFGHJBKd

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大きな画像の段階で「アレ？服が違うゾ」と気づいた方は鋭い。右は第一話のカットを流用した桜井邦彦さんの回の絵です。 目をよぉ～～く見ると桜井さんの絵だなとわかります。わからない方は四六時中桜井さんの回の絵と睨めっこしましょう。 pic.twitter.com/mmAqJBA3aO

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前二枚は友世に引くさくら。こういう絵も新作では出なくなりましたねぇ。四六時中可愛い顔をさせるようになってしまったので。旧さくらは恐らく原作者様NGの顔は沢山あったと思います。大らかな時代だったので。 pic.twitter.com/S6fJi02T0O

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知世の字いっつも間違ってしまう。

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このカットも指の芝居付けが上手いですね。ぴょーんと跳ね出た指で硬直した様子を表現してます。 pic.twitter.com/dEiAdoDaZF

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ヤベェ、終わりが見えないorz

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あとこのカット、服の皺も上手いです。 皺作画語り（togetter.com/li/1448165）でも書きましたが、最近のアニメ界隈では密かな服の皺ブームが起こっていて、どんどんレベルが上がっていってる。 この腕の部分の皺は今の基準でも上手い部類に入ると思います。 pic.twitter.com/fKYPe9M1yo

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赤〇で囲んだ肩の部分の皺はわりと誰でも描きます。藤子F先生がよく描いてたヤツですね。 ところがこの青い線の部分は、服の中の腕の形を意識して出っ張りの位置と服の皺の発生原則を知らないと引かないヤツです。 pic.twitter.com/hBcU7gDudA

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この青線の部分は「肘を突き出した状態の時に肩の後部から肘の出っ張りまで走る皺」なんですね。 今の作画水準でもこの線を描く人は多くないと思います。 コレです。肩から肘まで伸びる皺。98年当時テレビアニメでこんな立体的な皺描いてた作品は多くないでしょう。 pic.twitter.com/Za0wl6apMi

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このカットも地味ウマ。耳を下に下げることで微妙に煽りにしている。この当時この手の少女漫画絵でこの微妙な角度付けは相当高度ですよ。 今の作品(画像はヤマノススメ)と比べても頭の大きさ、目の大きさ、角度の付け方の違いがほとんどない。ここからもさくらの絵が現在の絵に繋がってることがわかる pic.twitter.com/QKttqzzNdN

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