テレビアニメ「よばれてとびでて!アクビちゃん」レビュー&「全国のアクビと大魔王を探せ!」

ハクション大魔王の続編「よばれてとびでて!アクビちゃん」の今更レビューです。最後に「全国のアクビと大魔王を探せ!」あり
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

まあこの手久野というキャラ、最初はアブない奴に思えるのだが意外に良い面もあって憎めない奴だったりする。 こういうキャラが用意されている辺り「視聴者がころんを愛でる」という作用は想定されてるものと思われる。 CCさくらにおける知世と似たような機能を持つキャラだ。 pic.twitter.com/RAb36vD7ST

2020-02-19 13:44:54
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

受け手は登場人物の行為や感情に流されるものなので、作中で誰かが誰かを評したりすると視聴者もその評価を受け入れがちになる 主人公を「素敵ですわ」とか「お美しい」と絶賛するキャラクターが居ると視聴者も何となくそういう感情を抱きがちだ。手久野や知世はそういう感情の誘導装置になっている。 pic.twitter.com/b8oJjPzB4Y

2020-02-19 13:44:55
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

話を戻そう。 両親の設定が絶妙で、二人とも歳の割りに明らかに若々しく、センスが良いのが伺える。年甲斐もなく未だラブラブで、ころんがちょっと疎外感を感じるくらいだ。「2人の馴れ初め話は何度も聞かされた」と愚痴っている この家庭内の微妙な距離感が居候のアクビところんの関係性に効いてくる pic.twitter.com/7c9ARD3vhC

2020-02-19 13:44:56
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「居候もの」には、居候が居着く必要性というものがある。 例えば出来杉のような完璧人間にはサポート役の居候など必要ない。のび太にドラえもんが必要なのは、彼が勉強もスポーツも出来ない駄目人間だから。 ころんの元にアクビが居着く必要性は、ころんの弱点と微妙な家庭環境で成り立たせてある pic.twitter.com/0nhM88EiHs

2020-02-19 13:44:57
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

この作品の最も大きな美点はここだと思う。 「オリジナルの設定を棄ててまでぶち上げた本作の独自要素たる主人のころんと魔人のアクビの関係性の構築を、『お約束』で片付けていない」 出会った時から仲良しこよしという関係ではないのだ。 pic.twitter.com/WAfIxnFxQy

2020-02-19 17:45:55
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

決して旧作を大切にした設定とは言い難いが、かと言って 「今回のコンビはこの二人です!早く好きになってね!!」 という乱暴な提示はしていない。ちゃんと二人の関係性が構築されていく過程がシリーズを通して丁寧に描写されている。 pic.twitter.com/8VpMR7xpBe

2020-02-19 17:45:56
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

本作は構成がちょっと歪で、主人公のころんの物語は1クール目に大体完結してしまう。2期はころんの周囲のキャラクター達にスポットが当てられる。一期当初から大勢のキャラクターの設定画が既に用意されていたようだ。 この1期の展開が見事で、一話完結と見せかけてかなり連続性の強い構成となっている pic.twitter.com/41FgtKq3QB

2020-02-20 02:39:31
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

1期全体を通して描かれるのは「ころんとアクビの信頼関係の構築だ。 第1話では、引っ込み事案のころんが新しい環境に馴染めず、自己紹介で笑われ、帰宅途中に半ば強引にクラスの男子に連れ回された挙句、迷子になる この手のキッズアニメで主人公が結構どん底まで意気消沈する話から始まるのは珍しい pic.twitter.com/unPP8opyze

2020-02-20 02:39:32
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そこでアクビの壺を見つけ、なんだかんだ拾って帰宅する。あくびをしてアクビが出てくる。しかしころんは信じようとしない。母親に買い物を頼まれ同行することになる。 アクビに「何かお願いして」と頼まれるも困った表情。最初の出会いでここまで冷めたリアクションも珍しい。 pic.twitter.com/pfGxQmIZzB

2020-02-20 02:39:33
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「じゃあ卵持ってきて」とお願いするも、アクビの魔法が暴走した結果卵まみれになってしまう。 「魔法で綺麗にする…?」と提案するアクビに「もう沢山よ!あなたの魔法、変なのばっかり!」と怒鳴ってしまう。 気まずい沈黙が少し続いた後、ころんが泣き出してしまう。 pic.twitter.com/DpCS5qvT5A

2020-02-20 02:39:34
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「…だって今日嫌なことばっかりだったんだもん。自己紹介はうまくできないし、迷子にはなっちゃうし。私だってちゃんとみんなとお友達になりたいよ。でもみんなの前に出るとあがって、上手に話せないんだもん…」 ころん役は野川さくら氏で、ここだけ小さな子供のような演技になってるのがとてもいい pic.twitter.com/rUPdZJgSMx

2020-02-20 02:39:36
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

アクビに八つ当たりした自分に気付いてどうすることも出来ず泣き出してしまうところが素直でいい。本当は真面目で優しい子なのだということがこの場面でよくわかる。 先に迷子になった時に落ち込んだ場面から一旦進めて、ここでついに泣き出してしまう二段構えの感情表現が丁寧だ。

2020-02-20 02:39:36
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「犬や猫ならすぐ仲良しになれる」と言うころんを元気づけようと、アクビが周囲の犬猫を呼び出すも、囲まれ身動きがとれなくなってしまう。 空飛ぶ絨毯に乗って脱出し、上空から恋が壺の街を眺める。「落ちる~!」と怖がるころんだが、夕陽に照らされた街を見て感激する。「わぁ…!綺麗な街…」 pic.twitter.com/pRaRQU82Gi

2020-02-20 02:39:37
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そこで学校を見つけ、ころんが深呼吸し大声で 「わたし、眠田ころん!昨日引っ越してきたの!よろしくね~!」と叫ぶ。 「あ~スッキリした!」と二人で笑い合いながら帰宅する。 pic.twitter.com/ryYpHhdhDU

2020-02-20 02:39:38
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

緊張するとあくびが出るのがコンプレックスの女の子が、あくびで出てくる魔人との運命的な出会いによって、心の鬱憤が発散される。自らの欠点と向き合って克服するというメッセージが伺える。非常に手堅い構成だ。 第一話からしっかりと登場人物の少しの成長が描かれている。

2020-02-20 02:39:39
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

余談だが、以前レビューを書いた私が特別好きな「カードキャプターさくら」も「七人のナナ」も、第一話で主人公が空を飛んで街を眺めて感激するという場面がある。 普段は硬派な映像作品を好む私が何故か好きな三作なので、やはり根源的に似通った要素のあるのだろう。 pic.twitter.com/ApSbivNRGE

2020-02-20 02:57:45
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

元々は幼少期から宮崎作品が好きで氏の作品の飛行シーンの数々に感銘を受けたのでそれが大きい。主人公が空を飛んで感情を発露するのは宮崎作品のお約束だ。 しかしこれらの作品はどれも大抵一話から見てる訳じゃないのに初見ですぐ気に入ってるのが面白い。 pic.twitter.com/MgJWPPfkBf

2020-02-20 02:57:47
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

少年漫画で男が空を飛ぶとこうなる。こういう品のない飛び方「違う」のだ。 空を飛ぶならふわっ飛んで「わぁ…」と目を輝かせて飛んでほしい。 ド カ ン と飛んで「なめやがって!!!!ゆるさんぞおーーーーーーーっ!!!!」では断じて、ない。 ※ドラゴンボールも好きです pic.twitter.com/TUf85CSADp

2020-02-21 12:28:20
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齋藤 雄志 @Yuusisaitou

同じ理由で「マンオブスティール」のスーパーマンの飛び方も好きじゃない。やたらドッカンドッカンうるさい。ヒーローならもう少し穏やかに離着陸しなさい。 やたら着地や飛行が乱暴になったのはたぶんウィル・スミスの「ハンコック」のせい。 pic.twitter.com/wOsQyfai8N

2020-02-21 12:37:40

日本アニメの少女主人公達は間違いなく世界一優雅に空を飛びます。

齋藤 雄志 @Yuusisaitou

第2話は「アクビのクリスマスナイト」 放送開始時期が12月ということで二話目がいきなりクリスマス回。これ地味にレアなんじゃないだろうか。

2020-02-20 12:49:04
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