神保町を地方の高校生は知らない...夏目漱石『こころ』の「私」が歩いた散歩ルートを、現地を撮影し見せる授業が素晴らしい

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えにぐま @kokokokugo

担当している2年生の現代文、3学期は定番教材である夏目漱石『こころ』を扱った 「私」が散歩をする場面で登場する東京の地名がピンとこないため、実際に冬休み中に東京へ行き、「私」の散歩ルートを歩いて辿り、撮った写真を授業で見せた(続く) pic.twitter.com/gVkRbZJbj0

2020-03-09 18:36:29
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えにぐま @kokokokugo

例えば神保町は世界有数の古書のメッカだが、地方の高校生は知らない だから生徒たちは、「私がこの界隈(神保町)を歩くのは、いつも古本屋をひやかすのが目的でしたが、その日は手擦れのした書物を眺める気が、どうしても起こらないのです。」という表現の深みがわからないのだ pic.twitter.com/KcsIsS5kz0

2020-03-09 18:36:30
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えにぐま @kokokokugo

写真で神保町の古書の街並みを見せてあげると、納得した反応をもらうことができた その上で、「私」が「古書(旧い物)」を触りたくないのは、お嬢さんとの結婚が内定して「私の未来の運命は、これで定められたのだという観念が私のすべてを新たに」したからだと読めると話すと、すっと理解していた pic.twitter.com/Xh1rq8bLAI

2020-03-09 18:36:31
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えにぐま @kokokokugo

また「万世橋」を渡ると現在ではすぐ秋葉原の街並みが姿を現し、東京はエリアとコンテンツが密接に依存し合っているという話や、「菊坂」は今日の五千円札の肖像である樋口一葉ともゆかりのある地であることを話した 普段なら絶対につまらない話だが、生徒はよく聞いてくれた pic.twitter.com/SqhrOG8Vc0

2020-03-09 18:36:32
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えにぐま @kokokokugo

つまり、小説で書かれている言葉が意味するところをイメージできるかは、読み手がそれを知っているかにかなり左右される 教員は、生徒にとって本文のどこが読み方のツボになるかを教材研究の段階で想像しておくと、説明がうまくいきやすい(おわり この写真は漱石山房記念館) pic.twitter.com/bhFnHjK54W

2020-03-09 18:36:33
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えにぐま @kokokokugo

高校で国語を教えています 授業に関するメモは #memogma のほか、noteでもまとめています

https://t.co/AMBHlinuGM

GRUMS @nevergiveupgra

この一連のこと、日本語指導が必要な児童生徒に関わる人は常に意識したほうがいいと思う。 これが必要なことが多くて、逆にこれがあればもっとストンと入ってくと思う。 それそのものを教えるより、背景知識を増やすことを意識したほうがたぶんいい。 twitter.com/kokokokugo/sta…

2020-03-10 07:12:28
読書猿『独学大全』14刷26万部、『文章大全』執筆中 @kurubushi_rm

これ、すばらしいです。 『こころ』の「私」が歩いた散歩ルートを、現地へ行って撮影、授業でみせる試み。 #こういうときこそ本を読もう twitter.com/kokokokugo/sta…

2020-03-10 21:38:26
Tomonory @Tomonory

私が高校生の時の先生は、『こころ』を扱った時に、私たちに「先生」とKが下宿してた部屋の間取りを描かせたのですが、とてもよくイメージできました。 twitter.com/kokokokugo/sta…

2020-03-09 21:47:58
へっぽこイバラ @yoshi1983jam

大学生の頃、文学の講義受けてからずーっと憧れてる。 物語の中の場所を実際に歩く。 とても贅沢な楽しい時間を感じてみたいもんだ。 その前に、最近小説もなんも読んどらんなぁ… twitter.com/kokokokugo/sta…

2020-03-11 07:57:08
小豆 @brocollllllli

歴史でも小説でも、知っているところが舞台だと親近感が湧く。教育実習で「万物の根源」を生徒に考えてもらったとき、哲学を学ぶものではなく実践するものにした。眠い哲学の授業で楽しそうに哲学をする姿が今でも印象に残っている。全てにおいて身近に感じることが学びのきっかけになるんじゃないかな twitter.com/kokokokugo/sta…

2020-03-11 12:25:30
ねこじゃらし @kokecocco_p

「文学作品のなかで描かれる土地のイメージ」について卒論を書いた私。作家側にも伝えたいイメージや意図があって舞台を選んでると思って。今思えば拙い卒論だったけど、調べてる時はそれなりに面白かった。 いずれにせよ、今の仕事とは全く繋がりはない(笑)。いや、面白かったからいいけど。 twitter.com/kokokokugo/sta…

2020-03-11 08:35:39
sat (Ще не вмерла України!) @satontwitt

@kokokokugo ff外から失礼します。漱石の弟子である内田百間を信奉している者ですが、彼の代表作「阿房列車」で度々訪れている八代の松浜軒をこの目で見て初めて彼の審美眼を理解できた感覚を思い出しました。 pic.twitter.com/qra1BGHpv8

2020-03-11 10:36:04
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senjian @sen_jian

@kokokokugo 河南省の地方大学のボロ宿舎で「夜来風雨の声」を初めて聴きました。幽けき音とは似ても似つかぬ春を告げる「すさまじき」音でした。現場に行きにくい漢文はかなりの勘違いがあると思います。

2020-03-10 18:13:15
えにぐま @kokokokugo

@sen_jian それは羨ましいです 漢詩の情景はイメージを助けるために教科書に挿絵が施されていますが、実際に目で見るのとは本当に違うでしょうね

2020-03-11 09:57:53
senjian @sen_jian

@kokokokugo 自然は端的に言えば苛烈ですね。河南省は中原と重なります。漢文に出てくる地名がまだ使われていることも驚きでした。

2020-03-11 12:10:52
尾崎聡 おさきさとし @osakisatoshi

@kokokokugo 私も高校2年の時に国語の時間に読んで、大都会の街中に谷や坂や台地の崖の地形が残っているんだ、歩いてみたいな、と大変興味を持ちました。

2020-03-10 12:30:22
irf:.t @nfdrtcknl7sl3ut

@osakisatoshi 興味の方向がブラタモリっぽいですね笑。 ストリートビューのほかに地形図もあるとよさそうですね。

2020-03-11 11:11:10
尾崎聡 おさきさとし @osakisatoshi

@nfdrtcknl7sl3ut 確かに(笑)。因みに地域の講座で、ブラサトシ、というのをやらされています(企画者に遊ばれています)。因縁ですね。 でも、当時高校2年の私は、思い悩みながら小石川の谷や本郷台をぐるぐると迷走する登場人物が気になり、本屋に行って『こころ』を買って続きを読みました。

2020-03-11 18:05:41
ぷろでゅーさーくま @ProducerKUMA

@kokokokugo @silentspice まさに歴史地理学的見地で教える夏目漱石! 「こころ」で描写される東京の風景を今の風景と比べる事で明治と令和を結びつける。素晴らしい授業かと。

2020-03-11 11:32:12
尾崎聡 おさきさとし @osakisatoshi

@kokokokugo 本棚の『こころ』を手に取って、40年以上前の記憶をたどってみました。当時から社会科教諭志望だったので、例えば「万世橋を渡って、明神の坂を上がって、本郷台へ来て、夫から又菊坂を下りて、仕舞に小石川の谷へ下りたのです」という件りに興味を持ったのかなー、と思います。

2020-03-11 12:19:39
にゃんにゃ @w55tpjueBIM0i0A

@kokokokugo 高校の授業で先生がこのルートを地図で追ってくれました。 それで私たち、東京に縁のなかった生徒も、いかに「私」がおかしな道をたどったか、そうなった心情を理解することができました。 あれこそまさしく「生きた授業」だったと、今でも大切に思っています。

2020-03-11 15:05:08