いずみの(izumino)さんによる「進歩主義と歪みの話」(まず『魔法少女まどか☆マギカ』関連の話から)及び、それへのリプライ他関連tweet

いずみの(izumino)さんによる「『魔法少女まどか☆マギカ』を巡り散見された「これは新しい/新しくはない」といった話題についての言及から始まった、「進歩主義と歪み」に関してのかなり射程が広そうな論議をまとめました。
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(物語として)『○○○』は新しいのかそうでないのか?

泉信行 @izumino

ちょっと、以前頭に浮かんだことを書いておこう。「まどかがやってることは別に新しくない」という価値判断する人には「なんだかなあ」と思うし、逆に「まどかは○○を刷新した、進めた」という価値判断にも「なんだかなあ」とぼくは思う。なんでかというと、

2011-06-14 12:16:32
泉信行 @izumino

(続く)どちらも近代的な「進歩主義」に囚われた発想だからだ。まどかは何かを前進させているわけではないが、だからといって過去を反復したりパッチワークしただけのものでもない。言うならば「過去に対して反旗を翻している」ことは確かなはずで、

2011-06-14 12:21:22
泉信行 @izumino

(続き)この「新しくはないが過去に反旗を翻している」という在り方に対して、価値判断に欠けてしまうのが「進歩主義思想」に囚われた言説なのだと思うがどうだろう。進歩だけがプラスの価値ではないし、進歩だけが変化ではないんだよと

2011-06-14 12:23:52
泉信行 @izumino

質的な「進歩」と、時間軸における「新しさ」だけを価値判断の拠り所にして、それ以外は無意味だって見過ごしてしまうのが進歩主義的な語り方で、これに罹っちゃってる人は(何々はスゴいかスゴくないのかってトピックが始まると)よく見つかりますね。「スゴい」はそれだけじゃないんだ…と最近思った

2011-06-14 12:31:14
泉信行 @izumino

例えば『進撃の巨人』はここでいうなら進歩主義を取り戻そうとする物語なんだけど、逆に物語としては「反旗」系のつくりに(今のところ)なっていて(しかしその反旗こそ評価に足りうる)……というのも面白いところかもしれませんね

2011-06-14 13:05:05
相楽 @sagara1

新しさ「だけ」を価値判断の拠り所にするつもりは毛頭ないし、して来てもいないけれど。希少ながら確かに実在する(と思える)「新しさ」を体現した作品の価値は重視もし、強く強く擁護もしたいなぁ。例えば伊藤計劃『ハーモニー』の「新しさ」。具体的にどう「新しい」(新しかった)のかというと。

2011-06-14 12:53:23
相楽 @sagara1

言うまでもなく、その新しさはテーマと不即不離であり、それが作品として素晴らしい。そういうわけで「設定としての新しさが!」などという話を見掛けると「そりゃまさかSFとしての新しさといいたいのか?」となって「ちょっと待てやコラ」となっていたわけで。

2011-06-14 12:54:50
相楽 @sagara1

ところで伊藤計劃作品については丁度6/12から@daisinmonkanさんという人が『虐殺器官』を精読しての連続tweetをされていて、アカウント名みても当然ですが「大審問官」絡みでも諸々語られていたので『ハーモニー』の精読も期待したいところ。

2011-06-14 13:13:16

新鮮さと「歪(いびつ)さ」

相楽 @sagara1

なお「物語(論)として」の視点で「新しさ」を「今までかつて観たことのない」だとまず以て大変アレにしかならないと思えるけど「この○○全盛の時期に、あえて××をやってくるのか!(最近の流れを考えると)新鮮なやり口だな!」というのは大いにあり得るし、その視点から高く評価されるべき。

2011-06-14 13:08:41
GiGi @gigir

@sagara1 今生きている人のために物語の坩堝から何を掬い上げるかなんですよね。それがきちんとマッチすれば人はそれを新鮮だと感じるでしょう。

2011-06-14 13:10:19
GiGi @gigir

物語と時代はどこまで行っても切り離せない。ある時代に紡がれた物語はある時代の人々に受容された物語という意味付けが加えられる。それは後からそっくり同じものを用意しても得られない。

2011-06-14 13:13:59
泉信行 @izumino

@gigir @sagara1 温故知新やりプロデュースとはまた違う話なんですけどね。イメージとしては「わざと失敗する」「わざと歪なもの、スキのあるものにする」作り方であって、ぼくが以前「ウェルメイドって評価はたいてい的外れ」って言ってたのも「歪なスキ」を見逃しちゃうからですね

2011-06-14 13:14:02
泉信行 @izumino

「ウェルメイド」や「特に新しさはないけど出来はいい」を言う大人は信用するな、の話 http://j.mp/lI76Zs http://j.mp/kQ2XIO

2011-05-07 12:43:17
泉信行 @izumino

「特に新しくないね~、見たことあるよ」に対する反論は「お前はこの新しい追加要素を読み飛ばしてたのか!」だけじゃなくて「この歪さに気付かないのか!」もありうるんだけど後者はあまり問われない。まぁ、ファンはそんな考え方しないし言いたがらないからだろうけどw

2011-06-14 13:18:03
相楽 @sagara1

@izumino @gigir 一見ウェルメイドに見える作品の「歪や隙」について「その在り処の具体的な提示」や「制作側の意図とその効果の検証(特に比喩的・暗示的な演出面なども重視して)」にまで踏み込むこと、そして何より「その積極的な意義の追究」はとても面白いことだと思えます。

2011-06-14 13:19:27
相楽 @sagara1

@izumino 確かにファンとしての立ち位置やこだわりが大きくなると「当該作品を含むより大きな文脈や視点から歪みを捉える」ことは難しいですし、死角になりがちですね。そもそも、ファンでなくても背景に相応の力量と知識が必要で滅茶苦茶難しいですけど。

2011-06-14 13:22:25
泉信行 @izumino

ま、その上で「もう別に進歩的な物語には興味ないよ、もっと歪なものを見せてくれよ」っていうすれっからした意見も、刺激しか求めない貧乏舌っぽくて好きじゃないし(しかしこのタイプも多いのだ…)、肝心なのは「なんであれどんな変化がそこにあるのかを適切に見分ける」ことだろうなと

2011-06-14 13:24:03
相楽 @sagara1

@gigir 本来、定型を学ぶことは「型」の持つ面白みを追究すると共に、だからこその「型破り」の面白さを見て取る、感じ取るべく進めるものですよね。「所詮、この型に収まるんだ」ではツマラナイわけです。

2011-06-14 13:24:39
相楽 @sagara1

(あー……お手軽でその場その場では楽しいからなぁ……。でも正にその比喩の示唆する通り「より味わい深い方向」からはその分遠ざかるよなあ。言われてみれば分かりやすくまずいですね、それ。「貧乏舌」か。その通りですね……)

2011-06-14 13:27:53
泉信行 @izumino

で、「いかに歪か」の検討に検討を重ねた上で作品全体を捉え直していくと、「お、これってすごく新しいじゃん」と言えることもあったりするし、そういうアプローチがいいですね。最終的に「これは新しいよ派」と「そうでもないけど歪だよ派」の意見が一致するのも珍しくないはず

2011-06-14 13:28:31
相楽 @sagara1

(自分に引き寄せて考えると「歪だよ。でもそれがいいんだよ(ドヤ顔で)派」(貧乏舌派)に属しがちな自覚がある場合「「新しいよ!派」に先入観持ちすぎる傾向を自戒して、まずは落ち着いて趣旨や主張の背景を探るべき」といった教訓になりそうだなぁ)

2011-06-14 13:32:00
相楽 @sagara1

(それと、そもそもなんにせよ「相手が本当に○○派に属するのか」という予断の間違いの問題や「仮にその場では○○派の文脈の言動をしていたとして、相手に他に手持ちのより興味深い札はないのか」という問題はつきまとうなあ)

2011-06-14 13:34:32
相楽 @sagara1

(最近、ごく大雑把に言って自覚というか、安易に覚悟していた以上に「(意識的にも無意識的にも)お前、アニメというジャンルの作り手/受け手双方を舐めとらんかコラ?」と言われても仕方ないと思えてきたなぁ。で、どうもそのツッコミの方に大いに分がありそうだ)

2011-06-14 13:41:23