20111002 小出裕章講演会「放射能汚染の現実を超えて」愛媛県松山市

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「愛媛県の面積5677平方キロ、人口150万人。チェルノブイリ事故で強制避難、1万平方キロ、40万人。この土地は失われた。愛媛県2つ入るくらいの土地が無人になった。日本全体で37万平方キロ。チェルノブイリでいう管理区域は、15万平方キロ。四国が10個入る」

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小出氏「その地域に、いまだに565万人が住んでいる。毎日生活を営んでいる。想像を絶すること。入りたくもない放射線管理区域で、普通の人が普通に生活している。なんとかこの人たちを逃がしたい。しかし、本当にそれをしていいのか、躊躇するようになった。きっかけは1枚の写真」

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小出氏「チェルノブイリ事故で、避難する女性たちの写真。バスに乗ろうとしている。泣きながら。3日と言ったが、途方もないことが起きていると彼女たちは気づいている。帰れないかもしれないと。前の女性、唯一手に持っているのは何だろうか。どう見ても鍋かやかん」

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小出氏「ある時、講演会場で客が言ってくれた。この女性は猫を連れていっているのだと。研究室に帰って写真集をよく見ると、確かに猫の目が2つ見えた。ということは、猫にエサをやるための鍋か。この女性にとって一番大切なものが猫だった。捨てていけないと。彼女は自分の家に戻れない」

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小出氏「日本政府も、万一の事を考えてと避難指示。今度は10km以内に避難指示、20km以内に。今度は30km以内に自主的に避難しろと。自主的とは何だと。逃げる手段もない、逃げる場所もない。この国はなんて国だと思った。その人たちは避難所に閉じこめられて、老人から命を落とす」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「私はいったいどうしたらいいんだろう。避難しないといけない。でも避難したら生活が崩壊する。どっちを選んでいいかわからない。そんな選択を迫られないようにしたい。そのためには原発を止めることだと思った。避難することがどれほどの苦痛かと思ったら。しかし自分は無力だった」

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小出氏「チェルノブイリで石棺を作ろうとしている写真。福島でもその作業が始まるだろう。中から吹き出してきたものがあっちこっち汚染した。私の仕事場には小さい原子炉がある。京都には建てられず、大阪の南の端、熊取町で敷地を買収して建てた。チェルノブイリから8100km離れている」

Suika - Suki @Suika01Suki

@shbttsy74 小さな原子炉といっても　核燃料を使うし　使用済み核燃料を何年も保管しているんですよね？平気なんですかね？危なくないの？

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小出氏「まさか私の職場までは飛んでこないだろうと思ったが、それで私の仕事は勤まらない。3日後、4月29日に事故を知り、自分が吸い込んでいる空気の測定を始めた。結果、事故後1週間目でセシウムが姿を現した。自分の甘さを痛感した。少しずつ減り、よかったと思ったら、また上昇した」

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小出氏「日本を越えてアメリカへ行き、ヨーロッパへ行き、チェルノブイリへ行き、また日本に戻ってきた。だから上昇した。いったん放射性物質を放出したら、世界全部が汚染されてしまう。ただ、汚染はチェルノブイリ事故だけでなく、大気圏内核実験にもよる。何十年にもわたって放出してきた」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「チェルノブイリ事故は、たった1回で、それまでの降下量に匹敵するセシウムの降下量になった。核実験は基本的には北半球の温帯で行われ、主に北半球温帯を汚染。その上にチェルノブイリ事故での汚染が。日本でも汚染。玄米の被爆を調べると、千葉県A地点の有機肥料米が大量に被爆」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「有機肥料で育てるというのは、堆肥に戻し土壌そのものを守る。作物が汚染するのは避けられない。化学肥料では、岩塩＝地下ふかくにある塩を使っているから汚れなかったのだろう。みなさんは有機肥料の農業を好んでいると思うが、そうすると汚染した作物を引き受けてもらうことになる」

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小出氏「このデータを公表すると、有機農業に打撃を与えるだろうと思ったが、すべて公表しなければならないと思い、公表した。また、天然のカリウム40は岩塩の中にもある。もちろｎ危険。セシウム137もカリウム40も考えないといけない。全体で見れば、カリウム40の汚染の方が圧倒的」

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小出氏「結局は、セシウムの影響がそれほど大きかったわけではなかった。これから私たちがどういう食べ物を選んでいくか、ひとつひとつに目を奪われないで、大きな視点で見てほしい」

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小出氏「福島原発について。電力100万kW中、核分裂で出る熱は、279万kW。残りの21万kWは、崩壊熱。放射性物質がそこにある限り、熱はどんどん出てくる。これは止めることができない。制御棒で反応を、つまり核分裂の熱を止めることはできるが、崩壊熱を止めることはできない」

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小出氏「車の運転でいえば、タイヤがなくなっても走り続けるということ。寿命の長い放射性物質もあれば短いものもある。長いものがあるかぎり崩壊熱は止まらない。福島原発1号機事故の崩壊熱、1日たっても10分の1。3日後でも、1分に140Ｌの水を蒸発させる熱を発生する」

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小出氏「いま現在も作業員たちが被爆しながら作業している。事故当初は全電源が失われた。水で冷やすにもポンプを回す電気がいる。２号機を除いて原子炉建屋が爆発で吹っ飛んだ。タービン建屋の屋根に大きな穴。図は、マーク1型格納容器の断面図。制御棒は入ったが、冷やし続けないと壊れる」

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小出氏「原子炉を冷やすのは必ず必要。圧力抑制プールも。それができず、大量の水素が発生。大量に吹き出して爆発した。3号機は骨組みもグチャグチャ。他の建物、窓も壁もない。電気が奪われたために。この会場、もし停電したら真っ暗。イヤな空間ですよね。でも原子炉はもっとイヤな空間」

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小出氏「作業員たち、懐中電灯をつけて作業。いかんせん電気がない。敵は不死身。かまわずに熱をどんどん出す。どんどん戦いを挑んでくる。作業員は武器を奪われて、どんどん負けていく。事ここに至っても、大したことないとか、誰も死んでないとか言う人がいるというが、あきれた」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「ある病院、取り残された患者たちが死んでいった。ある酪農家は、原発さえなかったらとチョークで書いて自殺。人々の命が絶たれていく。いったいこの事故でどれだけの放射性物質が巻き散らかされたか。正確にはわからない。私も調べるすべがない。が、日本政府のIAEA報告では…」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「…広島原爆の170発分を大気中に出したと。加えて10万トン近い汚染水がたまっている。問題になるセシウム、134番もある。原爆ではできず、原子炉ではじめてできるが、それも大量に放出されたという。セシウム137は原発170発分、134は300発分が放出されたことに」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「あわせて広島原爆の470発分のセシウムが放出されたと、日本政府が言っている。私は過小評価だと思うが。吹き出してきた放射性物質は風にのって広がった。日本の法律を適用するならば、地図の青い所はすべて管理区域になる。福島県東部中心に宮城県南部～茨城県～栃木県北部など」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「チェルノブイリ事故の避難基準を適用すれば、琵琶湖の2倍、日本の法令を厳密に適用すれば、福島県全域に匹敵する地域を放棄しなければならない。日本は法治国家だと言われるが、本当か？法律を作った国家が、法律を守るのは最低限の義務だろう」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「日本では、一般人は年間1mSv以上の被爆をしては、させてはいけないという法律がある。日本政府はそれを反故にした。国家が率先して法律を破った。場所によってはもう人が帰ってもいいとまで言う。法律破りも甚だしい。日本は法治国家ではなかった」

ほんのこ @shbttsy74

小出氏「3.11を境に世界は変わった。基本的に放射線管理区域といってもあまり汚れているわけじゃない所で、私は働いてきた。しかし今、人々が普通に生活する場所が、放射線管理区域以上に汚れている。土地も食べ物も、瓦礫も下水汚泥も、すべて放射性物質になった」