fromPerpSpaceさんによる、準結晶(2011ノーベル化学賞)の解説
僕が動揺している間に準結晶の回折図形のを御覧ください。http://t.co/bYcbiGTM http://t.co/aajuRdUN
2011-10-05 19:41:06ありがとうございます!って別に僕が受賞したわけではありませんw RT @kiyoppi1982: @fromPerpSpace おめでとー!笑
2011-10-05 19:48:32準結晶発見以前は固体は結晶とアモルファスに分類されると考えられていました。結晶は原子が「周期をもって」規則正しく並んでいる状態,アモルファスは原子がランダムにつめ込まれた状態です。
2011-10-05 20:04:15例えば塩の結晶はナトリウムと塩素が立方体の頂点に交互に並んでいます http://t.co/8pfTxuyn 重要なことはたった1つの立方体の中の原子の位置さえ決めれば、同じ立方体を繰り返し並べていくことですべての原子位置が決まってしまうことです。これが「周期をもって」の意味です
2011-10-05 20:09:00すると、立方体のように隙間なく空間を埋めていくことのできる形は限られていることに気づきます。2次元でいえば正五角形のタイルを隙間なく貼っていくことはできません。このことから結晶は正五角形の対称性は持ち得ないと考えられていました。
2011-10-05 20:18:05原子の並び方を調べるには波を使います。普通はX線か電子です。http://t.co/h5Bi0ebo http://t.co/KWvd5Jtz 詳しい話はしませんが、リンク先の絵だけ見てください。波を結晶にあてると原子の並び方を反映した模様(回折図形)がとれます。
2011-10-05 20:24:04リンク先の回折図形はシャープな点が並んでいます。これが結晶に特徴的な模様です。アモルファスの場合にはシャープな点は現れずぼんやりと濃淡がつくだけです。
2011-10-05 20:32:02結晶の場合この点の並び方からすぐに簡単な対称性の情報が得られます。例えば塩の結晶の場合には立方体の真横から波を当てると正方形状の回折図形が得られます。こんな感じに→ http://t.co/ltgLA1Qi (動いているのは気にしないで下さい。正方形に並んでますよね?)
2011-10-05 20:33:21準結晶発見以前は「シャープな点の回折図形ならば結晶である」「結晶は正五角形の対称性はもたない」と考えられていました。しかし今回ノーベル賞を受賞したSchechtmanはアルミとマンガンの合金の回折図形が正五角形の対称性でかつシャープな点になることを発見しました!
2011-10-05 20:38:15このことの意味は結晶(周期をもって並んだ原子)以外にも「規則正しい原子の並び」が存在することを意味しています。これが「準結晶」とよばれる意味です。よく「結晶とアモルファスの中間状態」と勘違いされますが違います。準結晶は結晶と同じく規則正しい原子の並び方です。(ただし周期はない)
2011-10-05 20:43:51これがいかに衝撃的だったかというと、ノーベル賞学者のライナス・ポーリング( http://t.co/KWoJEvsN )が認めなかったほどです。ポーリングは正五角形の回折図形を72°ずつ回転した5つの結晶(multiple twin)によって説明しようとしました。
2011-10-05 21:08:22電子顕微鏡による原子の直接観察から、ポーリングは間違っていることが分かりました。では、どのように原子が並んでいるのかというと、答はすでに宇宙物理学者のペンローズ(ホーキングの先生?)によって解かれていたのです!それがペンローズ・タイルです http://t.co/y0LVuI1K
2011-10-05 21:13:18このペンローズ・タイルの頂点に原子を置いて波を当てるとシャープな点が正五角形状に並んだ回折図形が得られるのです!しかしよくペンローズ・タイルをよく見て下さい。どこにも「周期」はないでしょう?
2011-10-05 21:17:47ちなみに84年の準結晶の発見は高温超伝導(86年),フラーレン(85年)と並んで「物質科学の3大発見」と呼ばれています。他の2つはノーベル賞をすでに受賞していたので、準結晶もいずれ、と思われていました(準結晶業界の人間だけかもしれません^^;)
2011-10-05 21:23:37