本格ミステリ談義(2010年5月)

本格ミステリの定義とか。
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SAKATAM @youmoutei

@k_akiduki 『イニシエーション・ラブ』は、最後のアレで“どうしてそうなるのか?”・“何が起こっていたのか?”という謎が提示される(そしてそれに対する解決が明示されていない)、と考えることもできるように思っています。『夏と冬の奏鳴曲』も同じような感じで。

2010-05-09 19:46:30
秋月耕太✨オタクに優しいギャルは存在する! @k_akiduki

@youmoutei 確かにそういう考え方は可能ですが、やっぱミステリの醍醐味は謎を提示された後のわくわく感だと思うんですよ。「どういうことなんだろう」と胸を躍らせながら物語を読み進める楽しみを私は重視するので、それとはまた別物かな、と。それはそれで楽しめるのですが。

2010-05-09 19:54:19
SAKATAM @youmoutei

@k_akiduki なるほど。私の場合、『イニシエーション・ラブ』は“いつ、どうやって仕掛けてくるんだろう?”というメタ的な(?)わくわく感を抱いて読んだのですが、謎が提示された後のわくわく感とはちょっと違いますね。

2010-05-10 01:21:58
SAKATAM @youmoutei

私の(本格)ミステリ観については、以前に、http://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/text/honkaku.html で書いていますが、今もあまり変わっていない感じ。

2010-05-10 01:26:45
麻里邑圭人 @mysteryEQ

@youmoutei 前に誰かが「ミステリとは説得させる文学である」と言っていたのを思い出しました。そこに具体的なタイトルが加わるとその人がどんな傾向の作品を評価するのか分かってきて色々と興味深いですね。自分のミステリ観で言えば「イニシエ」なんかが正にそれなのかもしれません。

2010-05-10 08:47:49
mihoro @mihororo

恩田陸さんが「最後まで読んで「納得」できれば、ミステリとして成立」と書いていらした気が。でも出典不明。『小説以外』?なにかの選評? RT @mysteryEQ: @youmoutei 前に誰かが「ミステリとは説得させる文学である」と言っていたのを思い出しました。

2010-05-10 09:16:02
デブピノ @twikenji

@mysteryEQ 「トリックよりレトリック」ていうのもありましたね。ものすごく腑に落ちる言葉でした。

2010-05-10 11:49:30
. @taipeimonochrom

この恩田氏の発言は非常に興味深い。この「定義」は、創作者からの視点というよりは、むしろ読者の視点に立っている。

2010-05-10 12:16:13
. @taipeimonochrom

本格ミステリの定義が話題に上るたびに面白いな、と感じているのが、読者の側から提起される「定義」についても、創作者と同様、謎、トリック、ロジックというような構成要素に注力したものが多いことでありまして。

2010-05-10 12:16:22
. @taipeimonochrom

読者であればもっと自由に発想しても良いのでは。作品から「何を」「どう」「感じるか」「受け止めるか」がキモであって、作品の構成要素よりはむしろその「作用」や「機能」に注力した方が、次の読書に役立つような気がします。

2010-05-10 12:16:32
. @taipeimonochrom

その点、恩田氏の「納得できる」というのは読者の視点に立った言葉だナーと。

2010-05-10 12:16:53
. @taipeimonochrom

もちろん、そうした曖昧で主観に充ち満ちた言葉が「定義」とは相性が悪いというのは百も承知なんですけれど、一読者としては定義の中の謎、トリック、ロジックといった構成要素を含む作品が読者に「読まれる」ことで、どう「作用」し「機能」するかの方に興味があったり。

2010-05-10 12:17:32
秋月耕太✨オタクに優しいギャルは存在する! @k_akiduki

@mihororo 「本格ミステリというのは、「説得」と「納得」の小説だと思っている」ですね。『象と耳鳴り』文庫版あとがきに書いてありました。

2010-05-10 13:28:46
SAKATAM @youmoutei

確か、本格ミステリ・マスターズ(『夏の名残りの薔薇』)の巻末インタビューでも同じような発言があったかと思います(確認できませんが)>「説得」と「納得」の小説

2010-05-10 21:59:45
SAKATAM @youmoutei

これはまったく同感で、非常に面白い「定義」だと思います。 RT @taipeimonochrom この恩田氏の発言は非常に興味深い。この「定義」は、創作者からの視点というよりは、むしろ読者の視点に立っている。

2010-05-10 22:03:24
. @taipeimonochrom

@youmoutei 本格ミステリとは「仕掛け」を「読み解く」ことの面白さに注力した小説であり、極端な話、謎もロジックも真相開示がなくてもいい……と、個人的にはかなり邪道な考えを持っているゆえ、定義云々を語る資格はまったくないわけですが(苦笑)。

2010-05-11 08:29:15
. @taipeimonochrom

@youmoutei ただ、読者の視点からこうした「定義」を見直してみるというのは、自分の読書を深いものにするためにも有意義だと思います。

2010-05-11 08:29:30
. @taipeimonochrom

ただ補足すると、謎もロジックも真相開示がなくてもいいといっても、創作者側にはそうした構成要素については「意識して」おいてもらいたい。

2010-05-11 08:33:12
. @taipeimonochrom

「意識して」それらを敢えて取り除いたというのであれば、そしてそれを読者が「読み解く」ことができるのであれば、そうした要素の欠如は寧ろ本格ミステリの「仕掛け」になっている筈(「イニラブ」とか)。これらを「意識して」いない小説は、自分的には本格ミステリとしては、おそらく愉しめない。

2010-05-11 08:33:37
麻里邑圭人 @mysteryEQ

自分の(本格)ミステリ観は前に述べたように「作者が読者を騙すために仕掛けた物語」であり、読者を騙すための構成であるなら例えミステリ的な展開がなくてもいいと思っている。そのため、たまに「これのどこが本格?」と聞く人が聞いたら眉をひそめそうなタイトルを挙げることがある。

2010-05-11 09:23:15
麻里邑圭人 @mysteryEQ

それは例えば先日、推理作家協会賞を受賞した飴村行「粘膜蜥蜴」だ。自分の知る限り本作を「本格」として評価していた人はあまりいないように思う。酷いものでは「ただグロいだけでミステリでも何でもない作品」という意見もあったくらいだ。

2010-05-11 09:24:28
麻里邑圭人 @mysteryEQ

綾辻行人「Another」が本格として評価されるのであれば「粘膜蜥蜴」も充分本格として評価されてもいいと思うのだが…その辺りの評価を、是非他の「本格読み」の方にも聞いてみたいと思う。

2010-05-11 09:25:21
. @taipeimonochrom

@mysteryEQ ミステリ的な展開をなくすこともまた、読者を騙すための戦略としては充 分にアリですよね。ただ、自分は「粘膜蜥蜴」を未読なので大きなことは言えないのですが……。

2010-05-11 09:31:21
麻里邑圭人 @mysteryEQ

そんなわけで今月25日に出る飴村行の新作「粘膜兄弟」には「本格ミステリ」としても少なからず期待している。まあでも、そんな期待をする人は、多分かなり少数だとは思うけど…。

2010-05-11 09:31:35
MAQ @junk_land

@mysteryEQ 当方の定義では「Another」は本格ミステリではありませんが、いまやこれが一般的な意見とはいえないであろうことも理解しています。MAQの本格観については http://eeg.jp/ONg4 をご覧ください。ちなみに「粘膜蜥蜴」は未読です。

2010-05-11 09:42:44