収束列が取れるか。単射と全射から全単射が作れるか。
「任意の集合X,Yについて、XからYへの単射と全射があればXからYへの全単射がある」という命題と選択公理ってZF上でどういう関係にあるのでしょう。そもそもZF上で件の命題が証明できるのかどうか、できないなら例えば選択公理と同値なのかどうか、ふと気になりました。
2011-10-28 01:25:00@MarriageTheorem 他人の褌で何ですが、ZF で証明できない具体例が次から始まるツイートにあります。 http://t.co/TtB4RdYS
2011-10-28 04:06:19ご教示ありがとうございます。なるほど、とするとZF+DCでも証明できないのですね。 RT @ta_shim_at_nhn: @MarriageTheorem 他人の褌で何ですが、ZF で証明できない具体例が次から始まるツイートにあります。 http://t.co/1wmVH7Mm
2011-10-28 04:24:11@MarriageTheorem Dedekind 基数(無限集合で真部分集合に対する単射が存在しないもの)が存在する時、XからYへの単射と全射があっても全単射が存在しません。 (Jech のAxiom of choice p162, 8参照)
2011-10-28 04:29:38@MarriageTheorem XからYへの全射からYからXへの単射が構成できれば、Schroeder-Bernstein の定理から全単射が作れます。ただXからYへの全射からYからXへの単射には選択公理が必要です. Dedekind 基数なくて全単射が作れないかどうかは不明。
2011-10-28 04:32:43@patho_logic ご教示ありがとうございます。Dedekind基数の概念は初めて知りました。件の命題が「全射から逆向きの単射が作れる」よりどれくらい弱いのかなぁと気になったのですが、まだ完全にはわかっていないのですね…。
2011-10-28 12:34:39@MarriageTheorem 単射と全射があれば全単射があるというのは WPP (weak partition principle) と呼ばれていて、任意の α に対する ℵ_α-AC よりも真に強いことが知られているそうです。
2011-10-28 04:38:20@ta_shim_at_nhn ご教示ありがとうございます。既に名前が付いている命題だったのですね。勉強になりました。強さの序列的には、件の命題は結構面白い場所に位置しているのですね。
2011-10-28 12:37:07@MarriageTheorem WPP より形としては強い主張の命題 PP (全射があれば逆方向の単射がある) が AC より真に弱いかどうかは、20 年前に聞いた話ではその分野での有名な未解決問題ということでした。
2011-10-28 04:46:58@ta_shim_at_nhn あ、そもそもPPがACと同値かどうかもわかっていなかったのですか。それは存じていませんでした。その辺りにもまだまだわからないことが多いんですね…。
2011-10-28 12:39:37こういう細かい選択公理の話をしてると「数学基礎論ってツマラナイ」と思うかもしれませんが結果の羅列で判断するのではなく、こういった微妙な違いを証明するために裏で動いてる強制法の理論や技術に思いを馳せてみてね。数論なんかでもそうでしょ、とエアリプライ。
2011-10-28 04:47:24@patho_logic むしろ、こういう細かい選択公理の話をしてると「数学基礎論ってオモシロイ」と思ってしまいます。
2011-10-28 12:40:55@MarriageTheorem そう思っていただけるとありがたいです。検索したら「基礎論はそんな細かいこと拘泥してるんだ、そんな分野やしたくなーい」みたいな反応があったもので。これも学部で強制法みたいな派手な技術を教えないのが悪いんです!!!
2011-10-28 14:23:54