【北伐論】諸葛亮と姜維の軍制の違いについて

三国志に詳しい@Jominian氏と@sweets_street氏の議論のまとめです。三国志好きの皆様にぜひ見てほしいという考えと、ところどころ私の知識では追いつけないところがあったので、今後の復習用も兼ねてまとめました。 諸葛亮と姜維の組織した軍の違いと、その立場の違い、姜維に課せられた条件の厳しさと諸葛亮の凄さを改めて実感できた議論でした。議論をもとに正史を読み直すだけでも新しい発見があり、とても勉強になります。
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お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian 最初は廖化などを使おうとしてましたね。しかし、彼らがあまりにふがいないので「自分一人いれば十分。足手まといはいらない」という結論に至ったのではないでしょうか。しかし、これでは自分のいない戦線では勝てません。また、自分が負けたら総崩れになります

2011-10-30 04:11:43
Jominian @Jominian

@sweets_street その頃は諸葛亮の制度が完全には消えていなかったのもありますが、廖化らと自分に隔絶した差があった事が、後の姜維を決めたのでしょう。諸葛亮なら拾い上げ、磨いたのかもしれませんが、姜維は捨てた。結局、彼らは姜維無しでは使えない人材に堕し、蜀は敗北しました

2011-10-30 04:16:07
Jominian @Jominian

まあ、姜維を諸葛亮の弟子だとか何とか言っちゃうのは、ちゃんちゃらおかしいって事だ。

2011-10-30 04:18:57
Jominian @Jominian

諸葛亮が姜維を非常に高く評価し、自分のシステムの中枢に置きながら、自分の後継者に数えなかった事が、自分の才能、自分の意思だけで全てを動かそうとする姜維に危うさを感じ取った結果なら、諸葛亮マジ慧眼

2011-10-30 04:21:29
Jominian @Jominian

諸葛亮は、自分の目的を伝えれば、自分の思う通りに動いてくれる人を欲し、そうした人々を使って物事を動かした。こうする事で、広い戦場の全てを自分で見なくとも、全てを自分の意思の通りに運ぶ事ができた。それが常山の蛇と呼ばれる所以だ。中華の用兵の理想を体現したと言える。

2011-10-30 04:24:46
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian 蜀における絶対者であり自由に幕僚を選べた諸葛亮と、軍部の第一人者であるに過ぎず、自分と同格で自由にできない人間を使わざるを得なかった姜維の差でしょうね。既存の幕僚が当てにならず、人事も自由にできないという縛りが、姜維一人で戦争させることになったのでしょう

2011-10-30 04:22:27
Jominian @Jominian

諸葛亮は、自分の目的を伝えれば、自分の思う通りに動いてくれる人を欲し、そうした人々を使って物事を動かした。こうする事で、広い戦場の全てを自分で見なくとも、全てを自分の意思の通りに運ぶ事ができた。それが常山の蛇と呼ばれる所以だ。中華の用兵の理想を体現したと言える。

2011-10-30 04:24:46
Jominian @Jominian

@sweets_street そういう点を考慮しても、姜維が信頼したのが、諸葛亮時代に自分と共に中軍を構成した若手指揮官だったというのも有り得る話です。

2011-10-30 04:27:26
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian 諸葛亮が姜維に求めていたのは「俺が大業を成す上で必要な仕事を要求どおりこなしてくれる」ということで、「俺の代わりに大業を成し遂げる」ことではなかったと思うのです。手紙での評価もかいつまんで言えば「仕事ができて真面目だ」ということですしね

2011-10-30 04:31:05
Jominian @Jominian

しかし姜維は、下に判断を求める事を放棄し、自分の目に見える場所、手の届く範囲で動かす事に終始した。姜維自身は強かったが、彼の視界の外ではその強さは失われた。だから魏は、姜維は強いが、その理由が姜維だけにあると明確に分かっていた。

2011-10-30 04:31:30
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian 諸葛亮の下では頼れる戦友だったから、自分が采配を振るった時に頼りにしようと思ったら、あまりにも動きが悪くて期待はずれでがっかりしたのもあるかもしれないですね

2011-10-30 04:34:58
Jominian @Jominian

@sweets_street 多分、姜維は諸葛亮が真に必要としていた人材で、何をしたいかを言えば、手段まで頭に思い描き、実行してくれる人間なのです。諸葛亮の言う「忠実にこなす」とはそういう事なのだと思います。ですが、姜維に自分の代わりが務まるとは思わなかったでしょう

2011-10-30 04:36:30
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian 項羽はそんな感じの人でした。「人の話を聞かない」「人を使えない」と酷評されていますが、視界の届く範囲内で勝つためなら彼ひとりいれば十分だったのです。シビアな軍事や政治の世界で必要ないと判断したことをあえてしようと思う人はいないです

2011-10-30 04:38:07
Jominian @Jominian

@sweets_street それも一つの理想で、非常に美しいと思います。非常に硬いが、硬い故に脆い。

2011-10-30 04:40:39
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian 諸葛亮の要求は「俺の手足となり、自分の頭で俺の意を理解して動いて、魏を打倒して天下を平定するのに必要な仕事を遂行する」というとてつもなく高い要求ですからね

2011-10-30 04:42:26
Jominian @Jominian

@sweets_street 恐らく、狭い範囲では信頼していたと思いますよ。いくら姜維でも、戦場の全てを見る事はできません。大きい範囲では自分で判断しても、目の前の事については各人に任せるしかありません。そうした事については信頼していたでしょう。

2011-10-30 04:43:19
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian それで勝てる人もいるし、実際に項羽も勝つ寸前でした。視界外で勝負しようという相手もそうそういないので、スタイルとしては効率的で正しいです。組織を維持する手間がだいぶ省けますから

2011-10-30 04:45:30
Jominian @Jominian

姜維は諸葛亮よりも遥かに遠く騎兵を飛ばし、戦場の情報を広く集めている。これは、全てを姜維が判断しなくてはならないが故にそうしていた。姜維の大きさは、姜維の目がどれだけ広くを見渡せるかで決まってしまうのだ。

2011-10-30 04:46:21
Jominian @Jominian

@sweets_street ドラッカーにはめちゃくちゃ批判されそうですけどね

2011-10-30 04:48:17
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian 姜維がいない時にどう動くかということですね。目の前の敵を破る、あるいは防ぐ。ここまではできても、姜維の指示の意味を理解して自律的に行動できる人材はいなかったんじゃないかと

2011-10-30 04:48:23
Jominian @Jominian

@sweets_street いなかったんでしょうね。「鄧艾を白水に拘束しろ」という命令だけでは廖化は理解できなかったのでしょう。河川の戦術に及ぼす影響、彼我の戦力差等から、ただ川を挟んで対峙しても意味が無いという事まで考えが及ばなかった。グルーシーみたいなのしかいなかったのです

2011-10-30 04:53:07
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian 一人で判断すれば意見集約の手間がいらない分早く動けますし、自分の視界内で出した成果だけを積み上げる方式を徹底すれば、一つの目標に集中しやすいですし、自分の才能を十全に生かせるんです。歴史家や世の経営者には否定される意見でしょうけどね

2011-10-30 04:53:39
Jominian @Jominian

@sweets_street ええ、その通りだと思います。ですがそれは、百年二百年続くものを動かすには適さない。姜維と諸葛亮は、根本からして、目的からして違うのかもしれません。

2011-10-30 04:56:21
お菓子っ子 @sweets_street

@Jominian これが諸葛亮の軍なら、廖化が理解できなくても、理解できる監軍や護軍が監督にあたって、「これこれこういうことだから、将軍の皆さんは何があっても鄧艾を動けないようにしてください」と周知できるんですけどね

2011-10-30 04:57:07
Jominian @Jominian

@sweets_street おお!そこには思いが及ばなかったです。諸葛亮の軍を構成する、最も重要なものが何なのか、掘り起こせそうですね。

2011-10-30 04:59:18