文学は何の役に立つのか
今日、ちょっとイラっとした事が有ったので、忘れない様に書き留めておこうと思う。昼にコーヒーショップで一息ついていた時に、後ろの席でしゃべっていたビジネスマンたちの会話の事。
2012-02-16 16:03:42面接に来た就活生の話で、おそらくその人は人事ではなく営業とか他部署の人で、即席で面接官を務めたのだろう。「今日さ、文学部の奴が受けにきててさ。文学なんて何役に立つんだよな?」などと話していた。言いたい事は分かるが、その認識は非常に浅いと思い、聞いていてちょっとイラっとした。
2012-02-16 16:07:16僕も他ならぬ文学生だし、他の多くの文学生も、就活に際して一抹の後ろめたさを覚えるものだと思う。でもそれは違う。文学とは何ぞや?それを読み解くとは何ぞや?という話なのだ。
2012-02-16 16:09:29お袈裟に言えば、文学とはそれ一つが人一人の人生そのものであったりする。その中には、様々な挫折や成功、努力や人の愚かさ、哲学や教訓といったものが凝縮されている。
2012-02-16 16:11:38そしてそれを読み解くというのは、ただ暗記するのではなく、それを様々に噛み砕き、解釈し自らの血肉として吸収していくことであると思う。故に読書とは教養となる。
2012-02-16 16:14:03そして、教養無き者には確固たる哲学や思想、価値観を築く事はできないし、またそれが未熟な者には他者のそうした内面を理解する力は宿らない。
2012-02-16 16:16:32しかし、思考を言葉に翻訳して伝え、聞く側も受けた言葉を思考へ再翻訳する以上、どうしてもお互いの思考に対して齟齬が生じてしまう。テレパシーでもあれば、完璧な相互理解は出来るのだろうが、それは現状叶わない。
2012-02-16 16:20:56ならば、その齟齬を如何に狭めるか、という方策の一つには、言葉の表現の幅を広げ、発する場合や、相手の言葉を「言い換えるとこういう理解で良いか?」と確認する場合などで、誤読の振り幅を狭める努力をする他無い。
2012-02-16 16:23:57よく面接の場でコミュニケーション力をアピールする人がいるが、読書をせぬものにその力が有るとは僕には思えない。故に、その文学を突き詰めた文学生に、ビジネスの場で通用する売りが無いなどあろうはずが無いし、文学部を軽んじる企業や人事に、コミュニケーション力を語る資格は無いと思う。
2012-02-16 16:30:34そんなわけで、世の文学生達は、堂々と胸を張って就活して良いと思う。どんな業界でも必要な素養を備えているのだから。・・・・・ちゃんと勉強してたんならね(´・ω・`)
2012-02-16 16:42:45