朝鮮戦争序盤に於ける火戦戦力比較
- Nyar_Horten
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朝鮮戦争初期、韓国軍はろくな戦車・対戦車戦力を持っていなかった為に北朝鮮のT-34/85に押され続けたというのはよく言われていますけれど、遠戦火力でも圧倒的に差を付けられていたみたいです。
2012-02-28 00:17:30北朝鮮の師団あたりの火力装備は、師団配下の砲兵連隊に4コ砲兵大隊[(76加*12)*2、(122m榴*12) (SU-76*12)]、師団配下の3コ歩兵連隊それぞれに1コ重迫中隊(120迫*6)と1コ砲兵中隊(76榴*4)、連隊配下の3コ歩兵大隊それぞれに中迫中隊(82迫*4)、
2012-02-28 00:30:27そして大隊配下の3コ歩兵中隊それぞれに軽迫小隊(60迫*4)というもので、合計すると122mm榴*12 76加*36 76榴*12 120迫*18 82迫*36 60迫*81 というものです
2012-02-28 00:33:28一方当時の韓国陸軍の(編制上の)師団あたりの火力装備は、師団配下の砲兵大隊に3コ砲兵中隊(105榴*5)、その下は歩兵大隊配下に中迫小隊(81迫*4)、中隊配下に軽迫小隊(60迫*3)というもの。合計すると105榴*15 81迫*36 60迫*81というものです
2012-02-28 00:38:53おっと、北朝鮮側の60迫は108門でしたね。それはさておき、単純に数だけ見ても圧倒的です。そしてその上、更に韓国側にとって不利な要素が存在します。「射程」です。
2012-02-28 00:40:35韓国側の105榴は射程は6.5km、一方北朝鮮側の122榴の射程は11.7kmです。それだけではありません、SU-76の射程は11.2km、76加は13kmもの射程があります。
2012-02-28 00:43:29これが何を意味するかというと、まず単純に砲撃の効率が違います。射程が長ければより遠くの部隊の支援も可能ですし、前線を射程内に留める為、いちいち追いかける(≒砲列を敷き直す)必要性も減るためです。
2012-02-28 00:46:08そしてさらに致命的な差となるのが、対砲兵戦です。対砲兵射撃をする際、北朝鮮の砲兵は射程の短い韓国側の砲兵を一方的に撃つことができます。数の差もあって、位置さえわかればいつでも対砲兵射撃を行うことが可能なのです。
2012-02-28 00:52:17一方、韓国側の砲兵は、前線に対する射撃を行うだけでもいつ対砲兵射撃が飛んでくるかヒヤヒヤです。二倍近い射程差では、対砲兵戦など望む術もありません。122榴に105榴を狙われ、76加に81迫を狙われれば、北朝鮮はもうフリーハンドです。
2012-02-28 00:56:26実際には、韓国側の砲兵は対戦車戦を含め(105榴だって貴重な対戦車戦力です)非常によく頑張っていたようですが、それでもやはり全体的に圧倒されていたようです。火力って大事ですよね。
2012-02-28 01:02:21ちなみに、韓国側の歩兵連隊には、固有の遠戦火力が存在しなかった様です(配下の歩兵大隊には存在する)。これはちょっと意外でした。何で重迫無いの……
2012-02-28 01:04:26最も、師団の直下に砲兵大隊一つしか無いというのでは…ちなみに、韓国は師団数でも圧倒的に負けています。そしてさらに、韓国側のこの数字は「編制上の数字」なので、実際のところ、もっと貧弱だったりします…
2012-02-28 01:11:11