一色登希彦版 漫画「日本沈没」連載時の回顧2。
- ishikitokihiko
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【日本沈没】映画版における「死」と「核」の不在。「死」の不在/平成ガメラの描写であれほど無惨に死んでいった名も無き人々、それらがものすごく避けられているように見えた。「核」の不在/どう見ても核兵器としか思えない爆弾、そしてキノコ雲、それらが「新型爆弾」として扱われていた。
2012-03-07 23:55:57【日本沈没】それゆえ、劇中でわずかに描かれた、「死体」と見られる置き物の群れを、自失した女性が主人公とぶつかり、「すみません…」「すみません…」とつぶやき歩くシーンは印象に残って、監督にもそれを伝えた。あのシーンは、誰に(何に)よって、生み出され、残ったシーンだったのか。
2012-03-08 00:03:48【日本沈没】今でも映画「沈没」への思いを批判的に語ろうとすると混乱する。それらの批判を公的に言葉にする時、「監督」個人に向ければよいのか、「映画」のシステムに向ければよいのか…自分はそれを決める立場にはない。ただ、漫画は、出来上がった映画への批判を作中に盛り込む決意を固めた。
2012-03-08 00:09:19【日本沈没】映画のプロットを向こうに回して、批判的に描く…それは仮想敵を設定することなので、その点は楽をすることになる。あと数年、みんな忘れた頃までひとりで「日本沈没」やるんだから、ご勘弁…などと思いつつ。 そして樋口監督ご本人には漫画を面白がってもらえたことを糧にしつつ。
2012-03-08 00:12:56【日本沈没】さて。そしてほどなくして、小松左京さん谷甲州さん共著の形で「日本沈没 第二部」が上梓、拝読。自分はそれらを踏まえて今後の拙版「日本沈没」の大まかな構成と盛り込むべきことを決めた。
2012-03-08 00:27:17【日本沈没】「死」と「核」を盛り込む事とした。そして、構成は、小松左京さんの原作のエッセンスで描き切る部分(〜7巻位迄)/新作映画版のプロットへのカウンターとして描く部分(8〜10巻)/「第二部」アレンジと共にあらゆるバージョンを引用しつつ収束させる終盤(11〜15巻)…とした。
2012-03-08 00:42:23