小説の読み方・紹介・理解&翻訳についてちょっとした意見交換まとめ
- miya_fox_may
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SFに未来予測を求めるのってずいぶんと古めかしい考え方に思えるんだけど。それこそ、ヒューゴー・ガーズバックとかあのあたり。小理屈こねずにエンタメとして享受しちゃいけないの。暗い未来や悲観的予測は現実だけでお腹いっぱい。
2012-03-10 17:08:16@ItohMaki 個人的にSFに限らず映像・音楽を含めた創作物は、1.感情に訴えるもの<2.理性に訴えるもの<3.皮膚感覚を含めた五感に訴えるもの順で満足度が上がり、明るい・暗いはあんまり関係ないです。翻訳物がいまひとつ苦手なのは、1、2は移植できても3が変質するからですかね。
2012-03-10 20:10:56ファン交のメルマガ、2月例会レポートで、〔昨年度の傑作として太鼓判を押されたのが、『ねじまき少女』〕〔話題を集めた作品として『都市と都市』〕とまとめられている。まちがっちゃいないけれど、ぼくが力説したラファティとコツウィンクル のこともふれてほしかったなー。
2012-03-14 18:11:53というか、バチガルピとミエヴィルの話なら、ぼくが出しゃばることもないんで。情報も評判もかなり行きわたっているし。それに対して、ラファティやコツウィンクルは、きちんと作品が読まれていない気がする。
2012-03-14 18:18:40SFの文化内では、「アイデア」「設定」「物語」の新鮮さや巧緻については、多くのひとの評価軸が一致する。好みの差こそあれ、バチガルピやミエヴィル、あるいはイーガンやチャンの価値は、公約数的に認知される。
2012-03-14 18:26:51しかし、アイデア・設定・物語、あるいはテーマに還元できない、作品固有の魅力については見すごされる場合が多い。もしかすると、それはSFだけのことではなく、文学読みの世界でも同様かもしれない。
2012-03-14 18:30:01ラファティの作品を「奇想小説」「法螺話」の区分ではなく、また、『ドクター・ラット』を寓話や諧謔の尺度ではなく、読んでいるひとはどれだけいるのだろう。……なんて言うとエラそうだな。
2012-03-14 18:42:39ほんとうは、だれでも読めば「ほかとは違う」とわかるけど、雑音のような評判や、習慣化した読解姿勢とかが邪魔して、面白さに触れそこなってしまう。ちょっと手を伸ばせば届くのに。
2012-03-14 18:46:00まあ、それは自分にも当てはまるところで。「この作品は普通とはちがう」「因習的な価値基準から外れるところに向かっている」とまでわかっても、それを面白いと感じられない場合が多々ある。端的な例が、クロード・シモン。
2012-03-14 18:50:14SFの本流は、新しい時代が惹起する、新しい認識や新しい問題に、それにふさわしい表現で取り組む(バチガルピが良い例)なんですが、ラファティは“そういうことは昔もあったねー”と平気で言えてしまう。.@takagiy //山形浩生さんはラファティ作品は神話に近いと仰ってましたね//
2012-03-14 19:00:54『翼の贈りもの』のなかにも、〔日の下に新しきものなし〕のエピグラフがあるけれど、それが独特の時間感覚や世界認識として、作品をかたちづくっていく。独特の語り口や、物語構成も、それと深く結びついているのかも。
2012-03-14 19:06:59しかし、そのラファティの独自性を、「カトリックだから」とか言っておわりにしちゃいけない。それは解釈であって、読書ではない。ラファティの作品は、思想や信仰に還元しきれるような、ヤワなもんじゃないです。
2012-03-14 19:12:34@ShindyMonkey 分解したり構造を述べるだけじゃ説明できない「その人だけの音」みたいなものが感じられる小説は確かにあって、それは精神論なんかじゃなくちゃんと存在しているし、そこが小説のいちばんおいしいところだと私は思うんですが、ほんとに説明しにくいですよねえ。
2012-03-14 19:26:14でも、“習慣化した読解姿勢”が深刻なのは、SFよりも文学のほうかもしれない。いいかげん、カフカを語るときに、すぐ不条理とか言うのはやめてほしい。
2012-03-14 19:26:22おっしゃるとおりです。 (続く .@yuusakukitano //分解したり構造を述べるだけじゃ説明できない「その人だけの音」みたいなものが感じられる小説//そこが小説のいちばんおいしいところだと私は思うんですが、ほんとに説明しにくいですよねえ。 //
2012-03-14 19:34:49続き)書評とか紹介とかするときに、独自の面白さはなかなか言語化しにくい。それが小説の価値だと思うんですが。作品の総体としてしか、表せない何か。.@yuusakukitano //分解したり構造を述べるだけじゃ説明できない「その人だけの音」//
2012-03-14 19:37:53@biotit あの人の翻訳、『吟遊詩人トーマス』だったかな、原作とぜんぜん雰囲気が違うのでそれ以来受け付けなくなってしまった。
2012-03-14 19:41:21文学の話のつづき。ぼくは、クノーやペレックの作品を書評・紹介するときにも、なるべく「ウリポ」の説明は最小限にしようと思っている(できれば抜きにしたい)。それ以上に、作品に即して語りたい面白さ(独自性)がたくさんあるから。
2012-03-14 19:43:05まあ、紹介の手順というか、わかりやすさというのは考慮すべきなので難しい。アラン・ロブ=グリエの作品が新しく翻訳されたとき、ヌーボーロマンに触れずに書評ができるかというと、できないことはないけれど、ちょっと大変かも。
2012-03-14 19:46:39@ShindyMonkey @yuusakukitano 翻訳ものの場合、原作と邦訳を読み比べた時、手触りの違いを感じる時がままあります。魅力的だった作品が精彩を欠いていてびっくりすることがありますね。だから翻訳に関してはけっこう懐疑的。カフカのユーモアなんかも邦訳で消えてたり。
2012-03-14 19:48:04@wishgm 理解力増強にはいいでしょうけど、読む能力や呼吸、スピードやリズムを身につけたかったら日本語にしないことを習慣にしたほうがいいかと。
2012-03-14 19:51:37@anannymouse 最初に読むときは英語で読むんですけど、じゃあかんそー書こう説明しようとするとたいていうまくいかないので、そこで翻訳しようと。
2012-03-14 19:58:15